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留学経験もなく、英語も話せなかった私が実践した、シンガポール人と仲良くなる方法

シンガポール移住の経緯

私がシンガポールに移住したのは、マリーナベイサンズができたのと同じ年、2010年でした。日本で結婚式をしてから移住し、婚姻届はシンガポールの日本領事館で手続きをしました。新婚生活は最初からシンガポールです。その時夫は、すでにシンガポールで働いて2年目となっていました。

私の方は、留学経験もなく、英語が話せなかったため、シンガポールでの生活が始まった時は、スーパーでの買い物にも不自由していました。

最初の3ヶ月ほどはフルタイムの英会話学校に通うつもりでしたが、3ヶ月目のはじめに仕事が決まったので、途中で英会話学校を辞めて、現地の日系企業で事務の仕事を始めました。

ところで、シンガポールはもともと人口の少ない国だったため、人材を外国人に頼っている話は有名かもしれませんが、最近はシンガポール人の就労機会を圧迫しているとの不満が高まり、日本人だけでなく、外国人の就労ビザの発給基準を以前よりかなり厳しくしています。

ただ、私がシンガポールで職を得た2010年は現在とはかなり状況が違っていて、外国人へのビザの発給だけでなく、永住権についても今よりは取得しやすかったようです。

新卒で7年間、ウェディングの仕事以外何もしてこなかった私ですが、シンガポールで現地採用として働く日本人がその頃はまだまだマイナーだったようで、現地の就職エージェントに登録してから2週間程で、日系大手2社からオファーをいただく事ができました。

最初は買い物も不自由したと書いたのですが、スーパーで目当てのものを探すことすら最初は苦労しました。品揃えがそもそも違う。何が辛かったかというと、スーパーには当然食品が置いてあるため、冷房がガンっガン効いてる。(冷房問題はスーパーだけではないんですが)目当てのものがなかなか見つからないので、必然的にその極寒の中に長居しなければならず、南国なのに寒くて泣きそうになったりしました。

長くなりましたが、スタートがそんな感じだった私ですが、2年目くらいからシンガポール生活を楽しめるようになり、シンガポール人の友人もでき、最終的にはトータル7年間も住むことになりました。

なぜシンガポール人と仲良くなり、シンガポールを満喫できるようになったか、思い出しながら書いてみます。

”同じ釜の飯”ではないけど、毎日一緒にランチする

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前述したとおり、当時は現地採用の日本人はそれほど多くなく、シンガポールで働く日本人は駐在員さんが多数で、時々、現地採用の人っているんですねー。と言われたりしました。(存在すら知られてなかったのね…)

当時私が入った会社では、現地採用の日本人、さらに女性となると私一人でした。(全体で150人ほど。)ランチに行くのに、日本人駐在員のお○さまと毎日一緒は嫌だなあ・・・と思ったりもして、現地の同世代の同僚にランチについていっていい?となんとか聞いたりして、連れていってもらっていました。

ところで、シンガポール人ってどんなところでランチするか。

多くの人はホーカーと呼ばれる半分外のフードコートで食べます。そのため、みんなで食べるものを決める必要はありません。とりあえず大きなテーブルをポケットティッシュで席取りして、それぞれ買ってきてみんなで食べます。

そうは言っても最初は、どんなものを食べたらいいかもわからず、”今日何食べる?ついていっていい??”という感じで、時には注文が難しそうなものは同じように頼んでほしいと、注文までお願いしちゃったりしていました。

最初は大人数でテーブルに座ってご飯を食べていると、みんなで話している内容はほとんどわからない(汗)。時々話を振られてもあまり話せないけど、単語をなんとか繋いでいると、すかさず”それってこういうこと?!”とかフォローしてくれたりして、シンガポール人って優しいな、いいな〜と最初に思ったのはこういうところだったかもしれません。

シンガポールの食事って結構独特なので、現地の人たちがどんなものを食べていて、どんなものを自分が美味しいと感じるのかを知るきっかけにもなりました。

これを書いているうちに、シンガポールの現地飯が恋しくなって、いろいろ思い出してしまったので、サラメシ的な感じで、別記事も書こうかな〜。

食後のお茶を買いに行く

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シンガポールで働いたのは、結局6年間で業界の全く違う3社でしたが、どの会社でもシンガポール人(だけでなく、マレー人、フィリピン人、インドネシア人、ミャンマー人もいましたが、ここではシンガポール人としておきます。)の同僚と働きました。それでわかってきたことなんですが、シンガポール人はこんなに暑い国にもかかわらず、ランチに熱々の麺や辛いものを食べるのが好きだということ。明らかに欧米とは違うアジアの文化です。

そして、暑い中、屋根だけのフードコートで汗をかきながらランチするので、ほぼ毎日、冷たいコーヒーか紅茶をみんなで買いに行っていました。(もちろん好みなので、温かい飲み物の方もいますよー。)

ランチの最後の方の時間になると、今度はコーヒー売り場に長蛇の列ができてきます。みんなぺちゃくちゃおしゃべりしながら順番待ちをしていました。

面白かったのは、飲み物の注文方法が独特すぎるということ。もちろん、ホットコーヒープラスミルク入りなどと、英語でも注文できるんですが、多くの人はそのミックスされた文化から生まれた言葉で注文します。私はそれに習って注文していました。

コーヒーは【Kopi:コピ】、紅茶は【Teh:テ】です。が、そのまま注文すると砂糖 とコンデンスミルクがデフォルトで入っています。かなり甘いけど、暑いからか結構飲めちゃう。コーヒーや紅茶と書きましたが、日本のものとは違い、両方ともかなり煮出した濃いものです。

それを、お砂糖だけにしたければ、Kopi O(コピ オ)、Teh O(テ オ) / 甘くないミルクと砂糖入りはKopi C(コピ シ)、Teh C(テ シ)など。

さらに、うしろに「Kosong(コソン)」をつけると、No Sugar、無糖に
/ Siew Dai(シュウ タイ) = 甘さ控えめ/ Peng(ペィン) = 氷入り

など、どんどんつなげていきます。そして私がいつも頼んでいたのは、

Kopi C Kosong(コピシコソン)か、

Teh C Peng Siew Dai(テ シ ペィン シュウ タイ)

もはや、何が入っているのか、甘いのかなんなのかわからない飲み物。

その他、タイミルクティーやバブルミルクティー(日本でいうタピオカミルクティーですね)も日本より早い段階で流行っていたので、そちらもローテーションで飲んでいました。

暑いからこれが本当に美味しい。でも、これでかなりの体重増加につながりました。ほぼ週5で飲んでるんだもんね。

どうして毎日飲めるかというと、スターバックスなどのコーヒーチェーンのコーヒーが4〜8ドルに対して、1.5〜3ドルくらいだから。食事と合わせても一日8ドルくらいで済みます。(シンガポールに行ったばかりの頃は1SGD=約65円、その後どんどん円安が進み最終的には約80円くらいでした。)

シングリッシュを覚える

すでに2年弱のブランクがあるのですが、特技は”シングリッシュ”です。時々職場近くでシングリッシュが聞こえてくることあるのですが、本当に懐かしくて、話しかけたくなるくらい。

シンガポールの公用語は英語ですが、様々な文化が混じり合ったシンガポールで話されている英語はちょっと独特です。

イギリスやアメリカ、オーストラリアなどで話されている英語の発音とは違うので、シングリッシュに染まりたくないとか、子供にシングリッシュを身につけさせたくないという言葉を聞いたことがあります。でも、もっとシンガポール人と仲良くなりたい、普段の生活をもっとよく知りたいと思うなら、シングリッシュで話してみるといいと思います。

実際、シンガポール人も、『日常生活はシングリッシュ、ビジネスなどオフィシャルな場ではアメリカやイギリスのアクセントの英語で。』というふうに、その時の状況でアクセントを使い分けられる人もかなりいます。

では、シングリッシュについては、ウィキペディアの説明をどうぞ。

特徴
シングリッシュはイギリス英語・マレー語・タミル語に加え出身者が多い福建語、さらにテレビ等の影響によるアメリカ英語、オーストラリア英語の単語・文法構成に影響されているところが多いと言える。主な特徴として、以下のようなものがある。
・文の語尾につけられて強調を表す「lah」「leh」(日本語でいう「~だよ」「~さ」のようなニュアンス)や、疑問文の語尾につけられる「meh?」(日本語でいう「~か?」のようなもの)

オッケーラ〜は、最初に覚えたシングリッシュという人も多いと思う。基本中の基本(?)。

Okay lah, never mind lah~~(大丈夫、気にしない気にしない!)は、最初の頃よく言われました。

・付加疑問文は、文末に「right?」をつけるだけ。「don't you?」「didn't he?」などは複雑なので使わない

これ、xxxx, right?を覚えてしまうと、本当に簡単すぎて、付加疑問文がこんがらがっちゃってとっさに使えなくなります(汗)

・単語を極端に短く言う、最終子音が極端に弱い、または発音されない(car park(カッパッ)、steak(ステクッ))

この短い発音に最初はめちゃくちゃ苦労した〜汗。仕事を始めたばかりの頃、シーズンパッキン、シーズンパッキンって、シンガポール人の上司に言われて、ただでさえ英語がわからないのに全く理解できなかった・・・(で、これを書くのにSeason Parkingを調べたら、これもシンガポールだけの言い方なのね?!)

・強調のために単語を繰り返す(例:「できますよ!」=Can-can!

これも便利に使える!発音は、キャンキャンというより、ケンケンに近い。

・「中国語のようだ」と言われることの多い独特なアクセント。特に福建語など、南方方言の影響を受けている。
福建語・マレー語など他言語からの借語(例:「散歩する」=jalan-jalan、「馬鹿」=siao、「食べる、食事」=makan、「あちゃー」=Alamak など)

仕事をしていると、同僚の子がご飯食べた?(Makan already?)と気遣ってくれたりして、嬉しかったなあ。

簡単なごく一部分を紹介しましたが、これらも実際に少しずつ使いながら、リズムよく会話が進んでいくのがシングリッシュの特徴かと思います。

英語を習うのではなくて、英語で習う

せっかくシンガポールにいるんだから、シンガポール人の友達が欲しい!というときは、英語を習いに行くのではなく、英語で教えられている何かを習いに行くのが、早くて楽しい!

私の場合は、フランス文学科を卒業しているにもかかわらず、ブランクが長くてもう基本からやらないと思い出せないレベルだったので、週一でAlliance Française de Singapourのフランス語基礎クラスに通っていました。

フランス語クラスの場合は、当然英語を話す機会としてはあまり期待はできないのですが、フランス語はシンガポール人もかなり習いにきています。(シンガポール人は英語は話せるので、日本人が行くような英会話教室には行かないですね。)

フランス語がどこまで上達したかはさておき、ここのクラスメイトとは今でも連絡を取り合っているし、一生の友達になりました。

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私の場合はフランス語でしたが、もちろんフランス語だけでなく、ダンスの好きな人、料理が好きな人、音楽が好きな人、それぞれ好きなことを習えば、同じ好みの人と知り合うことができて、よりシンガポールライフが楽しいものになると思います。

それから、小さいお子さんを子育て中の方には、地元の子育てサークルに参加するのがおすすめです!日本人だけのグループもありますが、シンガポールならではの、多国籍な親子が参加するMuckey pupsというサークルがあり、歌やアクティビティを楽しむことができます。

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まとめ

今こんなふうに書いている私ですが、最初は英語も話せず、様々な文化が入り混じって独特な文化なこの国で生活できるのかと不安でした。

夫の支えがあったことは間違いありませんが、シンガポール人のオッケーラ〜の心持ちや、温かいお国柄からか、オープンマインドなシンガポールの人たちのことを大好きになったから、シンガポール生活を満喫できたのだと思っています。

また早くシンガポールに行って、大好きな人達に会える時が来ることを願っています。

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