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スタートボタンを押すとき。大学を辞めてカナダ留学

高校生の時から、世界に出たいと思ってた。日本の外に出るという選択肢がある、そして、そこに飛び出していく、と考えると、わくわくした。高校を卒業したら、海外大学に進学しようと思った。でも、学費がものすっごく高いし、英語力のせいで大学のレベルを下げてしまうのはもったいないと言われて、海外大学は諦めた。

ならば、日本のトップの大学を目指して、そのあと大学院などで海外に出ようと思った。
でも、浪人しても、日本のトップにはとても手が届かなった。
高校生の途中くらいまでは、勉強も部活も割とできる方だったと思う。クラスの中で成績は良かったし、夏休みの宿題で賞をもらったり、部活で重要な役目を任されたりもしていた。

それが、進学校の高校に入ってから、少しずつ狂い始めて。一生懸命にやっていても、手が届かないことが出てきて。勉強も、部活も、体育祭も。
とどめが、大学受験だった。
受かると信じて、浪人だってしたし、三浪したって良いぐらいに思っていたけれど、結果はかすりもせず。

やっぱり、自分は勉強があまり向いていないのかもしれないと思いつつ、とりあえず、受かった大学に入った。出願時はその大学に行くつもりはあまりなかったから、学科もあまり深く考えていなかった。

でも、
ずっと海外に出たい思いは持ち続けていたし、
大学に入ってからも、一志望校に入れなかったもやもやは、ずっとあった。
適当に選んだ学科にも興味は湧かず、ギリギリの出席、ギリギリの課題をこなして、単位を取るだけの日々を過ごすようになった。

一方で、海外というワードに惹かれて始めた途上国支援にのめり込んで、大学2年になるとき、休学し、ブラジルに飛んだ。すごく熱くなった。今すぐにでも動きたい、今動かなければ、動けなくなってしまうと思って、がむしゃらに色々なことに手を出した。

でも、実際にブラジルに行って、スラム街や、ドラッグの蔓延地域に行ったりしても、何ができるか分からなかった。ボランティアをしていても、何か違う気がする。役に立てていないし、やりがいも何もない。渡航前に感じていた高揚感は消えてしまった。むしろ、来る前は、自分にも何かできると思い込んでいたことが不思議なくらいだった。

結局、とりあえずしばらくは、途上国支援をメインに勉強や仕事をしていくことは辞めた。
自分の好きなことを色々やって行く中で、いつかまた、支援なりサポートなりに関われたら良いなと。

そして興味をもったのはウェブデザインだった。
ユーザーの反応を考えてデザインしていくことや、色選び、画像選び、をする課程自体もすごく楽しかった。
そして、何より、ウェブを通してなら、世界中の人と繋がれる。
高校生の頃から憧れていた、世界を舞台に働く ということが、ウェブを通してなら、実現できるかもしれない。
世界に広がるサービスにいつか関われるかもしれない。


そして海外大学に入り直すことを考え始めた。
今の私の大学内で、ウェブデザインに関する学部に転部はできないし、
日本で大学を受け直すぐらいなら、海外大学を目指したいし、
さらには、その後、現地就職だって考えられるかもしれないから。

色々な点を考慮して、国はカナダを選び、目指す大学も絞った。
そこに至るまで、ブラジルから帰国して1か月半もかかった。

そしてやっと、今、日本の大学を辞める手続きなどをしに、今の大学がある町に戻ってきたところだ。
正直、いざ、辞めるとなると、すごく怖かったりもする。

本当にカナダに行くのが良い選択なのか。
日本の、今の大学自体や、町自体は割と好きなのに?
自分はここに所属しているのだから、自分さえ辞めるなんて言い出さなければ、ここにこのままいられるのに?
カナダに行ったら、ここにいるような知り合いも友達もいなくて、完全に孤独からのスタートなのに?
大学の同期はみんな、ここで勉強して、着実に学年も上がっていっているのに?
自分がカナダに行って、うまくやっていける自信なんてないのに?

大学の知り合いに会って、
カナダに行こうと思うと話しつつも、
自信のなさから、いつも
「まだ分からないけど。変わるかもしれないけど。」
と付け足してしまう自分がいる。


当たり前だけれど、どの道を選ぶかも、そこで何をやるかも、本当に自分次第で。

自分がこのスタートボタンを押しさえすれば、動き出す。
良くも悪くも、人生が大きく変わる。
そう思うと、
時間をかけて考えてきて、やっと、スタートボタンを押せるところまで来たのに、いざそのボタンを目の前にして、たじろいでしまう。

自分で決めて、自分が満足する生き方をしたいと思う一方で、
そうやって、自由に生きていくのは心細くもあって…。





きっと、
いくら何をやっても、不安がゼロになることはないんだと思う。

学びに行くんだから、全てが成功じゃなくたって良い、
完璧を目指す必要はどこにもない。

そう自分を励まして、わたしは、スタートボタンに手を伸ばす。


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