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「あいつ、あれを後で自分で中に突っ込んでるかもだろ?」

今回は、ぶっちゃけて、彼氏の父親(ブラジル人)に言われて、ショックだったことの話。傷ついたし、びっくりした。


わたしは、大学を休学してボランティアをしようと、ブラジルに行った。その時、わたしにはブラジル人の彼氏(仮名でトムと呼ぼう)がいて、着いてしばらくは、トムと彼の両親が住む家に泊めてもらっていた。

でも、2週間程度でその家は出るつもりが、他に移る場所がなかなか見つからず。3週間、4週間…と、どんどん日は過ぎていった。

わたしは最初のころは特に、ポルトガル語がほとんど話せず、トムの両親とはうまくコミュニケーションが取れなかった。でも、良い場所が見つかるまで泊まっていて良いと言ってくれたし、一緒にお出かけすることもあり、優しい人たちだと思っていた。

そんなある日のことだった。
わたしはぼんやりと、トムと、その父親が話しているのを聞いていた。彼らはポルトガル語で話しており、わたしには理解できないと思っていたようだが、なんとなくは分かる。

初めは、トムの今後の仕事などの話をしているようだった。

そのうち、話が、わたしのことに移った。
わたしはすぐ近くにいるのだが、どうせ理解できないと思っているらしい。その父親が何やら怒っているのが分かる。急に頭をフル回転させて耳を傾ける。

そして、残念ながら、その父親がトムに何を言ったのか知ってしまった。分からなければ良かったのに。

「おまえ、勉強も仕事もせずに、あいつとセックスばかりしているのじゃないのか? 妊娠したらどうするんだ。
何?コンドーム使ってるって?

あいつが、こっそり、使ったあとのコンドームを、自分で中に突っ込んでるかもしれないだろ? それで妊娠するかもしれないだろ?」


は…?

耳を疑った。
わたしが、使用済コンドームを自分で中に突っ込んでる? 
どこからその発想が出てくるのか分からない。何のために? 
待って、どういうこと?

わたしは、そういうことをする人に見えていたということ?
日本から来て、家にいつまでも居座り続け、自分の息子との赤ちゃんを作って困らせようとしていると?
息子の人生をぶち壊そうとしていると?
しかもわざわざ、自分でコンドームを中に入れてまでして。

え…?



いつまでも泊めてもらって、その家族に迷惑をかけているのは分かっていた。でも、それでも、まだ泊まっていて良いと言ってくれていたから、その言葉に甘えても良いのだと思っていたわけで。

それに、わたしは、けっして彼氏目当てでブラジルに来たわけではなく、やりたいことがあって来た。それをその父親も応援してくれていると、なんとなく信じていたわけで。

その父親は笑顔が優しくて、趣味も豊富で、素敵な人だと思っていたわけで。

なのに、あんなことを言われてしまった。



後で、その父親には、トムを通してではあるけれど、謝られたし、
彼は仕事がうまくいかなくてイライラしていたのだとも聞いた。

そうなのかもしれない。

ブラジルのポルトガル語のスラングはかなり汚いから、その父親が放った言葉も、ブラジル人にとっては、わたしが感じるよりは、ずっと普通なのかもしれない。


でも、わたしは、ずっと忘れられない。

このnote を書き始めたのは、もう笑い話にしてしまおうと思ったからだった。「そのブラジル人、やばいね(笑)」「彼氏の父親に、なんかすごいこと言われちゃったよ(笑)」
と、笑い飛ばしてしまおうと思っていた。

でも、全然、笑えなかった。

ショックだったし、どうしてあの人がそんなことを言えたのか、今も理解できないから。



だから、なんだろう、なんだかもう、誰かに笑い飛ばしてほしい。
何やってんだよ、そんなこと言われたのかよ って。


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