見出し画像

ペルーで女一人旅。酸素が恋しかったあの夜。

ペルーで女一人旅。スペイン語話せない&初めての一人旅でドキドキ。今回は、前回書いた、電車に乗り遅れた話から少し遡り、1日目~2日目の話。

ブラジルを出発して、飛行機を乗り継ぐこと2回。ペルーのクスコに着いた。クスコは、マチュピチュに行く際の中継地としてもよく利用される街で、観光客も多い。
ただし、標高が3400m。実はマチュピチュよりも高い。
心も体も疲れていたせいもあって、ばっちり高山病に苦しめられた。
高山病は、標高が高いところで酸素不足によって起こり、頭痛や、めまい、吐き気、手足のむくみ、息切れなどが症状だ。

私は、着いた時はなんともなく、なんだ余裕じゃん、と思っていたのだが、夜ごはんあたりから、何かおかしい…。食欲はないし、頭は痛いし、少し歩いただけで息が上がる。レストランから、ゆっくりゆっくり、石畳の道を歩いて、泊まるところに帰ってきたころには、だいぶ、ふらふらになっていた。夜になって冷え込んだこともあり、屋外にあるトイレに行くのも辛い。シャワーなんて、浴びる気にもならない。

暗いし、寒いし、めまいはするし、1人で寂しいし…。十分な酸素が恋しい。
だんだん胃のあたりも気持ち悪くなってきて、半泣きでベッドにもぐりこんだ。後で調べたら、寝込むのではなくて、軽く体を動かした方が酸素を取り入れやすくて良いらしいのだが、その時はそんなことは知らず。もう動く気力もなくて、気づいたら眠りに落ちていた。


次の日の朝、寒い!!そして、めまいは続いている。
隣の家の、すごく人懐っこいネコが来て、膝に乗ってきて癒してくれる。でも、めまいは止まらず。この日はマチュピチュに行く予定だったのだが、こんなふらふらだったら、とても山なんて登れない…。
もう無理ー辛いー心細いー…。

もう諦めて日本に帰ろう。
体調悪いまま一人で観光しても辛いだけだし。

そう思って、ふらふらする頭をなんとか動かして、日本行きの航空券を変更することにした。だがしかし、いくら頑張っても、どうしても変更ができない。ペルーから日本へのチケットだから、8万円くらい。それが返ってこないらしい。どうする自分…?!

かなりギリギリまで色々検索して粘ったのだが、どうにもならず。いくら辛くても、8万円を捨てる気にはならなかったため、結局、もう少し頑張ってみることに。

試練は続く。


旅を続けると決めたは良いが、それなら、まず、急いで山を越え、マチュピチュ行きの電車の駅に行かなければならない。予約していた電車のチェックインタイムは既に、70分後に迫っている。チケットには、そのチェックインタイムに遅れたら乗車できないという脅し文句までばっちり書いてある。

急遽、Uberを呼んで、乗り込んだ、が、運転手のお兄さんはその駅まで90分はかかるという。間に合わないかも…。その電車に乗り遅れたら、チケット代6000円は返してもらえないし、その後の予定も全て狂ってしまう。しょうがない、とりあえず行ってみるしかない。

車はペルーの山を走っていく。広い高原が広がり、のんびりと草をはんでいる家畜たちが見える。クスコでも、高山病で苦しかったのに、さらに山を登っていくことに気が気ではなかったのだが、車に流れているペルーの音楽は心地よく、しだいに、めまいも収まってくる。途中の村では、アルパカも見た。

電車の時刻が迫っていると知った運転手のお兄さんは、スピードを出して、他の車をどんどん追い抜いてくれる。少しはらはらするが、電車に乗り遅れることの方が怖い。心の中で、全力でお兄さんを応援。


結局、着いたのはチェックインタイムの10分後だった。車を降りて、お兄さんが小走りでチェックイン場所に連れて行ってくれた。
そして、とてもありがたいことに、まだゲートは開いていた!嬉しい!
そして無事に電車に乗り込む。

嬉しすぎてか、標高が少し下がったせいか、高山病もすっかり治った。とたんにお腹も空いてきた。

数時間前までは帰国しようとしていたのが嘘のように、私はすっかり元気になって、わくわくしながらマチュピチュに向かったのだった。

ギリギリで間に合ったのは、運転手のお兄さんのお陰。急いでいて、あまりちゃんとお礼も言えなかったけれど、本当に感謝。
そして元気になってくれた自分の体にも感謝。

1人旅の時は、普段より尚更、体調に気をつけよう…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?