ブランディングは、決め・守り・攻めの3種類に分けて考える


最近「ブランディング」という言葉が人やシーンによって色々な意味で使われているのを聞きます。
「ブランディングをちゃんとやっていきたいと思っている」という言葉の真意は、「ロゴやキーカラーのガイドラインがないので整備していきたい」という意味だったり、「世の中にもっとサービスのコンセプトを知ってもらいたいので、そういう施策をやりたい」という意味だったり、様々です。
それゆえに “この人とりあえずブランディングって単語使ってるだけなのでは” みたいな胡散臭ささえ感じてしまうことも…

私が言っているブランディングとこの人が言っているブランディングなんか違う?と思ったときに使える整理方法をご紹介します。


ブランディングを大きく3種類に分けて話す

私の経験上、「ブランディング」と表現される役回りはおおよそこの3種類に分けられると思います。

・決める(初期フェーズ)
・守る(成長フェーズ)
・攻める(成長フェーズ)


「決める」

これは、スタートアップや事業会社の新規サービスなどの立ち上げ時に必要となるプロセス。
まず、ターゲットは誰?競合サービスは?伝えたいイメージは?など中長期戦略に関わる部分から事業責任者と一緒に考え、ポジショニングを整理します。

その整理を元に、CI(コーポレートアイデンティティ)と言われるサービスのアイデンティティを決めていきます。

↓このようなものが成果物としてできてきます。

・ロゴ
・アイコン
・キービジュアル
・キーカラー
・フォント
・コピー


「守る」

つまり、決めたアイデンティティがブレないように守る、ということ。
サービスがリリースされ、成長フェーズに入ってくると、チャネルが増え、デザインするものが増え、それに伴って人も増えていきます。当然、サービスコンセプトへの理解度や解釈もバラけてくるので、コントロールする役割の人が必要になります。

活動内容は、

・アウトプットの種類ごとにガイドラインを整備
・出来上がったデザインがコンセプトからずれていないかをチェック
・「○○らしさ」とは何かをメンバー全員で考える会を開く

などなど。自分の中にブレない軸を持っていないと現場も混乱するので、かなりタフなポジション。チーム内の立ち位置は、雑誌の編集長のような感じです。


「攻める」

これも同じくサービスの成長フェーズ。「守る」が内向きだったのに対し、今度は外向きに、ブランドイメージを積極的に世の中に伝えていく担当。

活動内容は、

・ブランドイメージを伝える目的のイベントを企画し、実行する
・定期的にブランドのイメージ調査を実施
・グッズやPVなど、コミュニケーションツールを作る

など、企画や分析のスキルも必要になってきます。プロデューサーやマーケターなどのビジネス職に近いイメージ。

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ブランディングの話をするときは、この3つのうちどれのことを言っているのか(あるいは全部なのか)をお互いに確かめることで話がだいぶ早くなります。

ちなみにブランディング屋さんにも結構色々なタイプがあって、ブランディングとはこれら全部を一気通貫でやって初めて成立するのです、という人もいれば、「決め」の部分だけをブランディングと捉えてやっている人もいます。


ブランディングが必要だ!と思った時にチーム内にブランディング担当者がいることなんて無いに等しいので、ブランディングのことをあまり知らなくても適切なパートナーを見つけられるヒントを、発信していきたいなと思っています。



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