BtoB医療SaaSプロダクトが急成長する転換点はなんだったか②「UI/UXで選ばれる」

プロダクトリリース後3年を迎えたクラウド健康管理mediment🎊
※振り返りの記事 https://note.com/mayumi_sawada/n/nbc135e7900a0

思い返せば、T2D3で成長軌道に入る前の立ち上げフェーズではポイントとなる転換点が2つあったように思います。2つ目の転換点について。
※1つ目の転換点についての投稿「BtoB医療SaaSプロダクトが急成長する転換点はなんだったか①「チームが信じる力を獲得する」

デザインは知らん

当社のCTOは学生時代、京大の有名なコンピューターサークルの会長であり学生時代に現在のGoogleのAndroid日本語入力システムのベースとなるものを開発したすごい人なんですが(私もCTOの大学時代の後輩からこの話を聞いて知った)、「天才技術者」という表現が見るからにハマる感じの変わったお人です。

当社医療機関向けプロダクトmediPhoneの初期の頃は猫さん(CTOのニックネーム。猫が好きだからこう呼んでます。)がバックエンドもフロントエンドもデザインも全て作っていたわけですが、なにせ、天才技術者であり、デザインについてはめっぽう弱い。

当社の初期のmediPhoneのUI/UXを見たことがあるご担当者がいたら、強くうなずいていただけることと思います。はい。

私がA4のコピー用紙に「こういう感じでビデオ画面があって~」というお絵描きをして、「7:3」とか比率をかいて、猫さんに「これで!お願いします!m(__)m」と私。猫さんが「分かりました、やってみます。」と作る。こんな感じで初期の開発は進んでおりました(驚愕)。

当社のプロダクトは医療データを扱うこともあり非常にバックエンド開発が重いです。別の医療スタートアップCTOと雑談していた時、ふと、「澤田さん、mediPhoneのプロダクトは田畑さん(CTO)だから簡単そうに作ってますけど、普通はあんなの作れませんよ。」と言われました。

だからデザインはいまいちでもプロダクトとして素晴らしいmediPhoneは評価いただき、ご利用機関は増えていきました。医療業界の特徴としてUI/UXにあまりこだわらなかった時代だったのもあると思います。

デザインで落ちる

壁にぶつかったのは企業向けのmedimentです。競合プロダクトが「見やすい」「使いやすい」として選定され、当社のプロダクトはデザインを理由に選んでもらえないことをはじめて経験したのです。機能は変わらない。でも選ばれない。これまでのやり方では負けるという事実に直面しました。

チームで必死に改善に動きました。立ち上げチームの②テックリードはデザイナーでもあったのですが、ある日、「私の師匠がいます。手伝ってくれないかお願いしてみたいと思っています。」と提案してくれました。書籍も出していたりUI/UX領域では神として彼女もあがめていた方でしたので、「手伝ってもらえたら本当にうれしいけど、、、手伝ってくださるかな」という不安がありましたが、手伝っていただけることに!奇跡のように、medimentのデザインはここから一気に動きが始まるのです。

師匠「UI/UXで選ばれるプロダクトにします」

機能が充実すればするほど、負ける要因が明確になります。medimentのUI/UXを立ち上げることが、死活問題であることを認識し始めたチーム。デザインチームを強化しながら、営業フィードバックの精度をどうやったら高められるか?最強のPMが入ってくれて、チームとしては整い始めましたが、やはり勝ち切れないことが発生する。霧の中を歩くようなそういう感覚がありました。

どうしたらいいんだろう。mediPhoneというプロダクトでは立ち向かったことがない課題。テックリードが連れてきてくれた師匠(仮称)に相談すると、すっきりとした顔つきでおっしゃったのです。

「状況は分かりました。必ず、UI/UXで選ばれるようにします。」

その言葉自体に、強い感銘を受けました。UI/UXが選ばれる理由になる。それができるんだ。自分の中での発想として全くなかったものが投げ込まれたような感覚がありました。

今、medimentの強みはバックエンドのみならず、UI/UXと胸を張って言えます。選んでいただいた理由をクライアントにお聞きすると「一番使いやすいから」「一番見やすいから」と言っていただくことが非常に多い。

師匠の言葉が現実になりました。
ビジョンが絵となりプロダクトとなり、具現化していく様子を見ています。



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