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週末お遍路さん(23):「空」と「海」で「空海」と名付けるセンス

いよいよはじまった週末お遍路さんシーズン2。初日は、東京から徳島県最後のチェックポイント・日和佐を通過して室戸岬まで。札所には行きませんが、我らが最推し・お大師さまが悟りを開いた場所と言われている、室戸岬の「御厨人窟」は絶対に行く予定。

御厨人窟も各札所と同じで、空いているのは17:00まで。ということは、遅くとも16:30には到着したい!

御厨人窟のすぐ手前には、大きな青年大師像があり足元まで行けるようでしたが、ここは御厨人窟が最優先。
車の中から青年大師像を拝見して(イケメンだった)、しばらく車を走らせると、室戸岬の先っちょにほど近い場所に「御厨人窟」の看板登場!

シュッとしたイケメンの青年大師像。

日本各地で清水や温泉を見つけているお大師さまですが、ここ御厨人窟に残るエピソードは、やっぱり特別。

何年か前に落石があったみたいで屋根ができてた。

御厨人窟は、お大師さまが「虚空蔵求聞持法」の修行をされた場所。虚空蔵求聞持法は、知恵と記憶の菩薩さまである虚空蔵菩薩の真言を100万回唱えると、悟りを開け、すべての経典を覚え、知恵を授かれるという修行。最低でも1日に1万回は真言を唱えなきゃいけないらしい。
で、修行が終わった時、お大師さまの口の中に、虚空蔵菩薩の化身である「空けの明星(金星)」が飛び込んできて、洞窟からは「海」と「空」しか見えなかった。
その景色から「空海」という法名を得た、という場所。

お大師さま、ネーミングセンスも抜群ですな。

一時は、落石の危険があるということで洞窟の中に入ることができなかったようですが、現在はしっかり中までお邪魔できました。

ちなみに、御厨人窟にはひとつの洞窟ではなく、ふたつの洞窟が並んでいます。修行をしていたのはすぐお隣の「神明窟」。御厨人窟は修行中のお家だそう。

日が延びてきたとはいえ(そして東京より西とはいえ)、あいにくの曇り空だったこの日。御厨人窟や神明窟は頭上から水が滴り落ち、奥に進むにつれ暗くなっていくので、ここでひとりで修行するのはちょっと怖いかも……、という気持ちになりました(確か岡崎真理の『阿・吽』だと、お大師さまと一緒に弟子もいたはず)。
お大師さまが修行した平安時代は、国道を走る車の音もしなかっただろうし、どうやら地相の関係でもっと海も近かったらしい。波の音もすごかったかもね。

御厨人窟の入口は3人ならんだらいっぱいくらいの道幅ですが、奥はとても開けた広い洞窟。今はお社が建てられていて、お参りすることができました。
そして、振り返るとそこから見えるのは空と海!

……には今はならないけど(なぜならこの日は曇ってたから、空も白かったしね!)、それでも、暗い洞窟のなか、入口だけがまぶしいくらいに明るい風景には感情を揺さぶられました。

ラスボス討伐後ダンジョンを後にする先輩とOちゃん(画像はイメージです)。

そして御厨人窟、もちろん四国八十八カ所の番外札所でもあるので、納経もいただけます。

が、納経所、無人!
17:00まで空いてる、って書いてあったのに!!

ショックー……。

15分前に閉められちゃってました。
御厨人窟で納経していただこうと思っている人は、早めに行くことをおすすめします!


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