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東京散歩♡3日目/吉祥寺

3日目は、最近、吉祥寺のアパート→吉祥寺のマンションに引っ越したばかりの長男の新居にお邪魔して来ました。

大学生の時に、4人部屋の学生寮から大学近くのアパートに引っ越した際は手伝いに行きましたが、その後は何もかも自力で決めて事後報告。
あれから2回目の引っ越し。これは、とても喜ばしい事だと思っています。

何もわからず上京し、親戚もいない(いるんだけどお付き合いしていない)東京でたった1人でいろんな事を乗り越え、今独り立ちし優雅な?独身生活を送っている彼に、私は心から尊敬の念を抱いております。

初めて訪れたマンションは、以前の1Kアパートとそんなに賃料は変わらないのに、2部屋プラス広めのL字型キッチン付きで、
さらにびっくりした事に、ドラムセットが置いてありました(ひぇー)
防音装置などないのに、大丈夫なのだろうか…(いや自分で何とかするでしょう)

「すごーい」「すごーい」を連発したのち部屋を後にしw、よく行くというお店でガパオランチをご馳走になり、美味しい珈琲を飲みたい という私の希望を聞いてくれ、
くぐつ草という喫茶店へ。
彼と行くのはこれで2回目。

今回はカウンター席だったので、
スタッフの方がドリップする様子を眺めながら、音楽の話、読んだ本の話、最近彼が興味を持ち始めているコーヒーの淹れ方の話などをしてお店を出て(地上に上がる階段に行列が出来ていた)そこでお別れしました。

今回、とても嬉しかった事がありました。
私が上京するという事で、喫茶店の下見を何軒かしてくれてたらしく、
そのうちの一軒「バロック」というクラシック喫茶に、別れてから1人で行ってみました。(そこは会話禁止なので2人で行っても仕方ないねーという事で。)

「バロック」は、吉祥寺駅北口を降りて右方向へ進み、左に曲がった路地中ほどの2階にありました。

ドキドキしながら入ると、私と同じくらいの年代の女性が手鍋でココアを作っている最中らしく、カタカタカタと小刻みな音が。「こんにちは〜」と中を進むと、想像通り各椅子は大きなスピーカーに向かって並んでいました。(クラシックのレコードを流す喫茶店のよくあるパターン)
先客は5人くらい。

最初に熱いおしぼりが出て来ました。直前にコーヒーを飲んだばかりだったのでココアを注文。

前日行った阿佐ヶ谷のヴィオロンの場合、曲名を知るには厨房近くのレコードの棚に行きジャケットを確認するしかなかったのですが、
ここは、厨房とホールの間に透明なガラス壁があって、今かかっているレコードのタイトルや演奏者などの情報が手書きで書いてあるホワイトボードをこちらに向けて掲げてくれるシステム。
私が入店した時は
シューベルトのピアノ三重奏曲がかかっていました。

その最中、最初に持って来てくれていたおしぼりを私が使っていないのを見て、新しい熱いおしぼりに交換してくれました。これだけでも驚いたのに、
その後私がココアを飲み終わったあと、なんとたっぷりのホットミルクをご馳走してくれたのです。またまた熱いおしぼりと共にです。
「え!いいんですか?」と尋ねると「いいのいいの、飲んで」と。

やがてレコードは終わり、次はブルックナーの3番に変わりました。
実は私、コンサートに行くとよく眠くなっちゃうんですが、レコード鑑賞だと全く眠くならず、真剣に耳を傾けて没入して聴けるという事を今回発見しました。
どちらの曲もとても良かった〜
ちなみに、この選曲はオーナーさんではなく、リクエスト方式なのだそうです。

時刻はそろそろ17時。
いかん、帰らなくちゃ!
という事でブルックナー終了後次の曲がかかったタイミングでお店を出ましたが、
ご馳走になった事のお礼や、曲の感想などを言うと、下までスーツケースを運んでくださり、下で随分話をしてくださいました。

開店して47年。あと3年の区切りのいいところでやめようと思っている事。ご主人様が30数年前に他界され、1人で切り盛りして来た事。
山梨の出身で寒さになれていて、暑いのが嫌い。なのでエアコンの温度を低めにしているため皆さん寒いだろうと、温かい飲み物やおしぼりを出しているのだそうです。
5時間も6時間も滞在する方が多いそうな。

そういえば、お店を出る直前に厨房内をチラリと見たら、洗い物が山のようになっていたんですね。
それもそのはず、お客様はひっきりなしに入って来て、さらに皆さんに2杯目を出しているのですから。(これは単なる想像ですが)
これでも今日はお客さん少ない方なんだそうで。
クラシックファンがこんなにいる事に驚いたと同時に、このお店はオーナーのお人柄が人を集めるのだろうなと感じました。

メニュー表には、おかわりは4分の1の価格と書いてありましたが
実際はタダでおかわりを出しているようで、だから儲けは少ないのよと。

東京散歩♡の最後に、
最高に幸せな時間を過ごせました。
新幹線の中で、仙台にこんなお店はまさかないよね?と調べましたが、もちろん皆無。(レコードを聴かせるジャズ喫茶は1軒ありますが)

東京にはヴィオロン(阿佐ヶ谷)、ライオン(渋谷)、ミニヨン(荻窪)、ネルケン(高円寺)など、古くからの名曲喫茶がまだある。
私は心底心底羨ましいです。
東京に住みたい🥹❤️

しかしですね、
わたくし、乳糖不耐症なんです。ガ〜ン。
ココアやグラタン、シチューなどは何故か大丈夫なんですが、ラテ、そして牛乳そのままはアカンのです💦

だけど、わざわざ温めてご馳走してくださったお心遣いをむげにする事はできないので有り難く頂きました。少しお砂糖を入れて。すごーく美味しかった!

ところが〜
やっぱり〜
帰りの新幹線ではなんとかもったものの、駅で限界〜

帰宅後もお腹がずっとぐるぐるぐるぐるしていて夕食を食べる事ができませんでした(笑)
でも翌日には治り一件落着♪

✳︎✳︎✳︎

3日目を振り返ると、自分で自分を褒めたい事がありました。

私は、長年、母からされたのと同じように、息子のためにと先回りしていろんな余計な事を助言する母親でした。その余計な一言は、一見彼を思う優しさのようでいて、実は、彼がそうしてくれたらいいなという私の願望が完全に含まれていました。

息子が無事に生きて行ってくれる事が私を安心させてくれる…
つまり欲しいのは彼自身の自立より先に自分の安心感だった。そのことにようやく気付いた私は、アドバイス的な事はなるべく言わないように気を付けていはいたけれど、
会うと結局はよかれと思って(失敗させないようにと)何かしら余計な助言めいた事を言ってしまう自分にいつも嫌気がさしていたんです。
失敗してナンボなのに。そこから皆学んでいくものなのに。

…それが、今回そういった事を全く口にする事なく、終始音楽の話、読んだ本の話、彼が参加している音楽仲間やレッスンを受けている教室の話などなど和やかに話す事が出来ました。

私もやっと大人になれたのでしょうか?^^;
子供から教えてもらう事が、いまだにどれだけあることか。
有難い事です。

✳︎✳︎✳︎

これで、東京散歩♡の記事は終わりです。
長々とお付き合い頂き
ありがとうございました❤︎

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