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【647/1096】弱さでつながる

先日読了した「男尊女卑依存症社会」の第4章が圧巻の秀逸さなので、そのことについて考えている。

第4章は「男尊女卑依存症社会への処方箋」なのであるが、男性だけがこの依存症にかかるわけではなく、女性もどっぶり依存しているのだから、この処方はあらゆる人に、かなり有用だと思う。

第4章の冒頭、「シラフで生きること」に、

依存症は、「完治する=脳の機能が元に戻る」ことがない病です。

とあるのだが、これは、依存症じゃなくて、けっこういろんなことに当てはまるなと思った。
「元に戻ることはない」から始めるしかない。すでに起きたことは、覆らない。

元通りにならなくても、やめ続けることはできる。
そのやめ続ける、ということがものすごく大事だ。
依存症はやめ続けることにとても困難があると聞くけれど、今まで習慣づいている癖をやめるのも、最初はやめ続けるしかない。

「息を止める動きをするのをやめ続ける」というのは、最初はなかなかできないけれども、続けていくうちに行動が変わって、思考も変わってきて、習慣が変わって、生き方そのものが変わる。
始めは、ほんの少しの一歩である。

この「男尊女卑依存症から回復するための12のステップ」は非常に具体的であるが、取り組むのは容易ではない。
容易ではないから仲間が必要。
そして、その仲間とつながるのに、「弱さ」でつながるというところがポイントだ。
弱さを開示するのには、相当な勇気がいる。
怖い。
けれども、それを開いてつながったあとの大変は得難いものとなる。

自分を承認してもらおうといい子になる必要がなくなる。
すごい自分などいなくてもよい。

そういう場がどれだけあるか?と言われると、男性にはほとんどないだろうと想像に難くないが、女性にもあまりないのではないかと思う。
「勇気」を出して弱さでつながる。

神よ、変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。

ラインホールド・ニーバーの祈りの言葉

自分が、弱さだと思っているもの、出してはいけないと思っているもの、そこに本当に大切なものが眠っているかもしれない、と思うのである。

では、また。

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