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【426/1096】知る前には戻れない

426日目。激しく雨が降って寒い。砂糖断ちしようと思って始めたのに、話しながら咳き込んでつい飴をなめてしまった。あ。砂糖断ちするには、事前準備を念入りにする必要がありそうだ。私の場合。


「知る前には戻れない」と最近言われて、ああ、ほんとそうだなと思う。

その方はビルマの方で、ビルマで60年間何が起きているか?という話をしてくれた。
ビルマとミャンマーの違い(※)すらわかっていなかった私は、まったく知らなかったことがたくさんあった。

1989年、軍部政権がつけたミャンマーという国名は、少数民族を包括するためという理由があったが、実際のところは少数民族を排除する動きになっていて(民族固有の地名を変更させるなど)、包括的どころか軍部の意向を強く反映させるためのものになっているそうだ。
ビルマ語での違いはないので、英語で国名を言うときにどちらを使うか?で、その人の政治的な立場がわかるということもあるらしい。

この60年、ビルマは、暴力の歴史をずっと繰り返してきている。軍は、国民を支配するために暴力を与え、日常生活の中で暴力を常態化させている。
軍が国民に暴力を使うのは、権力を保持するためである。

しかし、2022年現在、軍は国の統制は取れておらず、医療、教育、経済、統治機構は崩壊しているという。
2021年に選挙で勝ったアウン・サン・スー・チー氏が軍は不正投票の疑いをかけられ、軍に政府を転覆させられている。

市民に対する暴力も残虐を極めており、警察が統治規制として働いていないため、市民の安全が確保されない。
60年以上の暴力による支配のため、国民全体が集団トラウマの状態に陥っている。
暴力に対抗するための暴力(少数民族が抵抗勢力として立ち上がる)となり、この連鎖から抜け出すことができない状態になっている。

特に、女性や子供たちに対する暴力は苛烈をきわめていて、教育の機会を奪われているだけでなく、教育そのものに暴力の連鎖が組み込まれている。
そして、学校があることがわかっている地域に空爆が行われ、児童が亡くなっている。

そのような状態では、街の中が安全に過ごせるわけもなく、日の高いうちから、暴行、窃盗、傷害などが日常茶飯事に行われている。
そして、性暴力が軍事作戦として使われている状態だと言う。(自分の娘、妻、姉妹がレイプされることで、父、夫、兄弟への壊滅的な打撃を与えるなど。それが村中で起こる。)

しかし、現在、革命を起こそうとしている人たちがいて、それは暴力以外の方法で、自分たちの尊厳と安全を取り戻そうと言う闘いであると言う。

@toraillustrates (革命のサインらしい)

こういった歴史を含めた話を聞いたのは初めてで、今、2022年に起きていることとして、目の前の人が話しているということの衝撃はすごかった。
そして、日本にいる私になにかできることなどあるのだろうか?何をしてほしいだろうか?と彼女に問いかけてみた。

彼女の答えは「知る前には戻れない」だった。
そして、「知ったことを伝えてほしい」というリクエストをもらった。

人は、「知らない」から「知る」の状態に変化はできるが
「知る」から「知らない」へは戻れない。
「知る」は不可逆なのだ。
すでに知った自分ができることは、知っていることを伝えることだ。
これを知ることで、誰かが無関心から関心を寄せることになるかもしれない。

https://kyotoreview.org/issue-30/myanmar-under-siege/

(英語のサイトだが、DeepLで翻訳すると読める)

では、またね。


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