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大寒のアロマと『枕草子』冬はつとめて

今日から二十四節気の「大寒」に入ります。

(※ 二十四節気とは古代中国から伝わった季節に関する考え方で、立春を起点に春夏秋冬の4つの季節をさらに細かく分け、農作業などに役立てていました。江戸時代までの日本は月の満ち欠けをもとにした太陰暦と太陽の動きをもとにした太陽暦を組み合わせた「太陰太陽暦」を使っていました。実際の日にちと季節にずれが生じたため、二十四節気をもとに季節の移り変わりの基準にしていたと言われています)

大寒とは

二十四節気の一番最後で1/20~2/3頃です。
一年で一番寒さが厳しくなる頃。しかし、フキノトウが雪の下でつぼみを出したり、鶏が卵を産み始めたり、春の気配を少し感じる時期でもあります。

大寒に注意すること

インフルエンザなどの感染症が流行する時期です。寒くて引きこもりがちになり、まだ日照時間が短いため、気分も沈みがちに。
このころに忘れられないのが、受験シーズンの本格化。気分はジェットコースターの受験生の心と体のケアも、いよいよクライマックスです。

この時期になると思い出すのが『枕草子』第一段のオチ

平安時代の女流文学者・清少納言が書いた『枕草子』。「春はあけぼの」で有名な冒頭の第一段には「ふふっw」となる「オチ」があります。

冬は、つとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎ熾して、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。

(現代語訳)
冬は、早朝(がよい)。雪の降っている朝は言うまでもない。霜が降り、とても白いのも、またそうでなくてもたいへん寒いのに、火などを急いでつけ、炭をもって運びまわるのも、とても似つかわしい。昼になり、寒さが緩むと、火桶の炭火の白い灰が多くなっているのは見た目が悪い。

清少納言『枕草子』

「冬はつとめて」の「冬」は立冬~大寒までの間なので、今ぐらいまでの時期です。
「つとめて」は夜明け後のまだまもない早朝。あけぼのは日の出前の頃なので、時間的にはつとめての方が遅い時間だと考えられています。

「春はあけぼの」から始まる『枕草子』の第一段は清少納言がそれぞれの季節のなかで良いと思う時間帯をつづった、有名な部分です。
春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れときて、冬は早朝の寒いなかで人々がきびきびと働く情景が描かれています。最後に寒さが緩んだ昼ごろに火鉢の炭が白い灰になっていくさまを「わろし」とオチのように描くところが、清少納言のすこし「いけず」な才女たるゆえんなのです。

大寒のおすすめアロマブレンド


※芳香浴に

凛と張りつめた冬の朝におすすめしたいアロマのブレンドがこちら。『枕草子』の早朝をイメージして、温かさとウッディーと平安貴族の華やかさを感じてもらえれば幸いです。

  • ジュニパーベリー1滴:少し温かみのある香り。疲労した精神をリフレッシュ。利尿作用がある精油としてもよく知られる。

  • ティーツリー1滴:殺菌作用にも優れ、気分をリフレッシュさせる。のどの腫れやせきを鎮める。

  • ベルガモット1滴:鎮静と高揚の作用がある。殺菌消毒効果も。フローラルな柑橘系の香り。

  • サイプレス2滴:のどの腫れやせきを鎮める。森林浴をしてるようなさわやかな香り。鎮静作用。イライラしがちな人には気持ちを落ち着ける。

これらをアロマディフューザーで香りを拡散させると、冬の朝の凛とした雰囲気をあじわるのではないでしょうか。アロマディフューザーがない場合は、ティッシュペーパーに精油をしみこませるだけでも香りを楽しむことができますよ。

また、殺菌作用やのどの痛みや咳をしずめる効能があるとされる精油をブレンドしているので、流行の感染症予防や体調をととのえて、心と体を元気にしてくれるのに一役買ってくれるでしょう。

※アロマバスに

こちらは日照時間もまだ短く、冬の沈みやすい心を浮上させるような、柑橘系と華やかで気持ちを解きほぐすブレンドです。

  • スイートオレンジ2滴:沈んだ心を浮上させてくれるオレンジの香り。体にエネルギーが欲しいときにも役に立つ。

  • ジュニパーベリー1滴:疲労した精神をリフレッシュ。利尿作用もあるので、むくみ解消にもおすすめ。

  • ぜラニウム1滴:ローズに似た優雅な香り。緊張を和らげて、心を解きほぐす。ホルモンバランスを整える効果もあり、女性の悩みにもアプローチ。

これらを粗塩にふりかけ、よく混ぜてからお風呂に入れると、リラックスできるアロマバスの完成です。寒さで気分が落ち込みがちな日にゆっくりと浸かると、気持ちが元気になるでしょう。

さて、来週は寒波がくるようです。暖かくして、体調に気をつけてお過ごしくださいね。

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