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プロコーチが思う「同業者として選びたくない」コーチ

こんにちは。パーソナルコーチ兼、大学でコーチングを使った授業を教えているまゆなです。コーチは歴8年。CTIのCPCCと、国際コーチング連盟のPCCというライセンスを持ち、コーチングを生業にしています。

ここ数年、ビジネスパーソンを中心にコーチングは徐々に認知されるようになり、市場はとてもホットになってきました。と同時に、「コーチ」と名乗る人も増えてきた印象があります。それはとても喜ばしいことで、コーチングを心から愛してる身としては、仲間が増えてこの上なき喜びです。
最近では友人達からも「コーチってどうやって選べばいいの?」「どうやって出会えばいいの?」と聞かれることが増えてきました。私自身が選ぶときは直感選んでいます。が、直感を使って何名かに絞り込む前に、無意識にある程度ふるいにかけていることに気が付きました。そこで今回は「同業者として、私だったら絶対選ばない3つのポイント」について書いてみたいと思います。あくまで私の主観ですので、それに当てはまらない人が間違っているとか悪いとかではありません。

1:倫理規定を知らない

過去にコーチングをビジネスをしている会社から「登録コーチとして仕事をしませんか?」とお誘いをもらったことがあります。一度話を聴いてみたのですが、どうも話が食い違う。その時に感じた違和感として倫理規定を知らない。というのがありました。コーチングには職業倫理があります。人の心という見えないものにタッチしていくので、健康状態によって提供してよい人、ダメな人がいます。他にも利害関係があるためにコーチングをするうえで事前のルールを決めておく必要がある人もいます。これはクライアントのためでもあり、コーチを守るためでもあるのです。倫理規定はICFの倫理規定ページに掲載されています。この倫理規定を知らないということは、医師で手術するけど解剖学は知らない。と言われるのと同義語だと思っています。解剖学やったことない人に、自分の手術をされたいと思わないですよね。人の心は目に見えないけれど、身体と同じかそれ以上にとても繊細なものだと思います。だからこそ、そのしくみや倫理を理解しておくこと、ルールを守って行うこと、リスクを知っておくことが大切なはずです。まずはこの倫理規定+コーチングとほかの手法を明確に分けることができている。というのはコーチ選びの1つのポイントになると思います。(そのコーチが倫理規定を知っているかどうかわからない場合は、「倫理規定についてどうしていますか?」と聞いたらいいと思います。)

2:絶対or必ずあなたを変える。という言葉を使う。

この言葉には2つの意味が入っていると思います。
1つ目はコーチングを過信しすぎている。ということ。コーチングは人の変容をお手伝いする素晴らしい可能性がある手法だと思います。ただし、万能ではない。と私は思います。そうじゃなきゃ世の中にこんなに心理学の学問は発達していないだろうし、もっと早くコーチングの手法が世の中に広まっていると思います。何が言いたいかというと「コーチングに絶対はない」ということです。素晴らしいけれど、コンサルティングだったり、カウンセリングだったり、メンターが効果的な人もいれば、必要な場面というのも時々で違います。「もしかしてコーチング以外の方がいいかもしれない」と思うクリティカルな視点があるか、そしてそれをクライアントに提案できる品格があるかどうか?ということです。(クライアントのためにコーチングを辞める提案ができるかどうかということ。)素晴らしいけれど、万能ではないと思っていたら、絶対という言葉は使えないだろうなと思います。

2つ目はコーチングで「あなたを変える」といういい方。コーチングは「関係性」がとても大切です。公平で利害がない関係だからこそ、本当の気持ちを安心して出せる関係性をつくります。「あなたを変える」という言葉のニュアンスからは、コンサルティングのような主従関係を私は感じてしまいます。リードはしてもらえるかもしれないけれど、決めつけられそうだなぁ。と思うので私は選ばないです。

3:コーチングを受けたことがない・マイコーチがずっといない

ギリシャ料理を食べたことがない人に、ギリシャ料理は作れないと思っています。私の周りにはコーチが沢山いますが、ほとんどの人が「マイコーチ」をつけています。それはクライアント体験のためでもあり、自分自身の技術を磨くためでもあります。もちろん一時的にコーチをつけることをお休みする場合もあります。が、コーチングの技術は日々日々アップデートされています。ずっと昔に学習したっきりつけてない。(あるいは学習機会がない)というのは継続学習の観点からあんまり信頼していません。技術が古くなっている可能性があります。仕事も同じだと思います。いつでも新しいネタを仕入れることができる人の方が、いい仕事をしてくれるはずです。

次点:「私ネイチャーコーチだから(勉強とかいらない・してないの・できちゃうの)。」

以前こういう方に会ったことがありました。確かに話しているだけで、自然と答えを引き出してくれるような素晴らしい方はいます。でもそれをプロの仕事としてやるとなると、また別の話です。例えば、私は日本人で日本語を話すことができますが、日本語を教えることはできません。ネイティブだからこそ、ノンネイティブに対して構造や意図を説明することができないからです。コーチングも同じだと思います。どうしてその問いなのか、どうしてそのBeingなのか。一つ一つにちゃんと意味がありますし、私がお願いしたい人はそれらが自分の言葉で説明できる状態であってほしいと思います。一言で言うと、コーチングに対してリスペクトがあるかどうか?を見ているのかもしれません。

以上がわたしがコーチを選ぶ時の最低限のポイントです。これらをクリアしたうえで、雰囲気がいいな~とか、なんか好きだな~という感覚で選んでお願いしています。やや辛口な投稿になってしまいましたが、コーチ選びをする方に少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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