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伊坂幸太郎「チルドレン」読後感


「子供のことを英語でチャイルドと言うけれど、複数になるとチャイルズじゃなくて、チルドレンだろ。別物になるんだよ」とよく言った。そういう性質なのだ、と。

まるで実在する話のように読めてしまう。
辻村作品の登場人物には、あくまでも"登場人物"としてえらく肩入れをしてしまうが、伊坂作品の登場人物はどことなく"居酒屋のその辺にいる人"、"知り合い"ぐらいの近さを感じる。小説というより、エッセイを読んでいるような楽しみ。
そしてその人たちは、そのシーンにはちぐはぐそうに見えるワードで、的確に感情や情景を表現する。それがえらくかっこよく見えてしまい、高校の頃好きだった人と重なった。(その人も確か伊坂幸太郎が好きだった)

ウィットに富んだ会話というのは、こういうのを言うんでしょう。好き。

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