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自分たちにフィットするデザイナー評価制度をつくったお話

Rettyでリードデザイナーをしてます、ヤマモトマユミ(@mayya)です。

この記事は Retty Advent Calendar 2020 11日目の記事です。

今回は2020年10月から正式運用を開始したRettyのデザイナー評価制度について書こうと思います。

デザイナー評価の検討を始めてから約1年半。。デザイナー全員で試行錯誤しながらやっと正式リリースすることができました。正式運用してみて、デザイナー評価を受けたメンバーの感想も上々で、まずは第一歩をしっかり踏み出せたかなと思っています。

抱えている課題やデザイナー規模によってもフィットする評価制度は違うと思いますが、これからデザイナー評価を作ろうと考えている」「他の会社のデザイナー評価ってどうしているんだろう?」という方に、参考になる情報になれば嬉しいです!

これまでのデザイナー評価の課題

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従来のデザイナーに対する評価は、個人目標とPeerReview (※) による成果評価のみで行っていました。また、Rettyではデザインチームはなく、デザイナーはミッションごとのチームにアサインされており、非デザイナーのMGRから評価のフィードバックを受けることになります。

この評価方法と体制だと、「デザイナーとして正しく評価されていない気がする」「デザイナーの固有スキルの成長実感が感じられない」という課題がありました。

この課題を解決するべく、デザイナー全員で集まり、評価制度を作る取り組みをスタートさせました。

※ PeerReviewとは360度評価とも呼ばれており、匿名で同じチームや別のチームのメンバーからRettyの行動規範(弊社ではRettyWayと呼称)についての評価をしています。RettyWayについては以下の記事でも詳しく紹介されてるので参考まで

Rettyのデザイナー評価制度

はじめに、最終的に出来上がったデザイナー評価制度をご紹介します。

Rettyのデザイナー評価は、従来の評価制度にデザイナースキル評価を加えたものになっています。これは、同じ部門のPM・プランナー評価とも同じ仕組みになっています。

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デザイナースキル評価は以下の4つの項目に対して、5段階で評価します。

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被評価者は、それぞれのレベルと、レベルの根拠となる成果を自己申告します。それを「一定レベル以上のデザイナー+被評価者のMGR」で構成されたフィードバック委員会で最終評価します。デザイナースキル評価の結果は、MGRが最終評価する際の材料の一つとなり、また、2on1のMTGでデザイナースキル評価の結果を被評価者にフィードバックします。

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所属チームのMGRが最終評価をするのは変わらないのですが、従来の評価制度では正確に計れなかったデザインスキル面を補完できるようになり、評価の納得度デザイナーとしての成長実感の両方を解決することができました。

最終的にできあがったデザイナー評価はかなりシンプルなものになりましたが、他部門へのヒアリングや、テスト導入を何度も行い、この評価制度に至りました。私たちの現状に合う評価制度にするために、工夫した2つのポイントをご紹介しようと思います。

Point1 評価にかかる工数削減と評価ギャップを埋める工夫

Rettyでは、先行してエンジニアの評価制度が運用スタートしていたのですが、その時の制度では以下の課題があることを知りました。

・エンジニア評価にかかる工数が大きく、負担になっている
・スキル評価と、成果評価の結果が乖離する場合がある

※ Rettyのエンジニア評価については以下の記事で詳しく紹介されています

最初は詳細なデザイナースキルで評価を行おうとしていましたが、項目が多ければ評価にかかる時間も増えます。また、詳細なスキルでの評価は、保有スキルの可視化にはよいのですが、既存のRettyの評価(成果評価)とのギャップが生まれる可能性があります。

また、以下は検討初期のデザイナースキル表で、横軸がデザイナーのレベル、縦軸がスキルになっています。この方法もデザイナースキル評価に限ればよいですが、成果評価とは切り離された評価方法になっているので、これもギャップが生まれやすい状態になっていました。

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そこで、Rettyのデザイナーの業務範囲から逆算して、必要かつ大項目としてのスキル4つに絞ることで評価にかかる時間を減らし、5段階評価の基準を既存のRettyの評価基準に揃えることで、成果評価とのギャップを起こりにくくしました。例えば、成果評価でレベル3と評価される業務を、スキル評価でもレベル3と評価するというような感じです。

ただ、一見うまくいくように制度設計をしても、実際うまくいくとは限らないため、ミニマムでテスト導入し、そこで出た意見や課題を取り込んでアップデートし、デザイナースキル評価を最終化していきました。

Point2 成長実感とモチベーションに繋がる2on1でのフィードバック

最終評価のフィードバックは所属チームのMGRとの1on1で行われるのですが、それとは別に[フィードバック委員会のデザイナー+所属のMGR]×[被評価者]の2on1を行い、スキル評価に絞ったフィードバックを行っています。

はじめの評価プロセスには、2on1は入っていなかったのですが、デザイナーからスキルについて直接フィードバックが欲しいという、メンバーからの声から実施することにしました。

デザイナースキル評価は5段階で評価しますが、2on1では5段階に+−(プラスマイナス)をつけて、より詳細な評価を伝えるようにしています。

たとえば、3という結果だとして、「3+」ならもう少しで4になれるよ「3-」なら何回かこの実績を積めば間違いなく3だね、というように細かいニュアンスを伝えています。こうすることによって、連続して同じ評価の場合でも成長実感が得やすくなったり、次のステップに必要なスキルがわかり、モチベーションにも繋がりやすくなりました。

実際にデザイナー評価を運用し始めて・・・

今年10月から本格運用し始めて、実際に評価を受けたデザイナーからは、

・以前より何が足りないのかが明確になって、次のステップが目指しやすくなった
・デザイナースキルが明確になり、デザイナー以外のMGRとの対話でも、スキルに関する話がしやすくなった

と、ポジティブな意見をもらうことができました。

今回できあがったデザイナー評価制度は、私たちの現状にフィットしたものになっていますが、組織の変化に合わせてこれからも引き続きアップデートしていく予定です。また、デザイナー評価だけでなく、Rettyでの仕事を通じて、各人がデザイナーとして望むキャリアを歩んでいくための支援を、様々な角度から作っていきたいと思っています。

おわりに

Rettyのデザイナー評価ができあがるまで1年半。。スキルのすり合わせに難航したり、途中頓挫しかけていたところを委員会を立ち上げて進めたりと、できあがるまでの試行錯誤はnoteに書ききれないほどいっぱいあります(笑)もし、デザイナー評価に関して気になることなどあれば、Twitterなどでコメントいただけると嬉しいです。情報交換もぜひ!

また、現在Rettyでは一緒に世界中の人々をHappyにする22卒の新卒デザイナーも募集しています。興味を持っていただける方がいましたら、ぜひカジュアルにお話しましょう!


デザイナー評価制度をつくるにあたり、参考にさせて頂いた書籍や記事など。


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