今からお札に載る方法
昨夜、長女の小学校の集金袋にお金を入れている時、ついでにこどもたちにお金について教えていた。千円札と一万円札を見せていたら次女が「このおじさん誰?」と聞いてきた。
私は「福沢諭吉おじさんだよ」と言って、このおじさんが学校を作ったこと、『学問のすゝめ』というすごい本を書いたことを教えたところ、次女が「ふーん、じゃあこの人も学校つくったの?」と言って野口英世を指さした。
私は「ううん。こっちは病気の研究をした人。なんでもいいからすごいことをした人がお札に載ってるんだよ」と言いながら、ふと自分の肖像画がお札に載っているところを想像した。もし自分がここに載ったらどうだろう。
まず、日本中の人が私の顔を覚えるだろう。人気の芸能人ですらテレビを見ない人は知らないことがあるけど、お札に載っていればさすがに全国民が知ることになると思う。こんな濡れせんべいみたいな顔だけど、一部のマニアックな方からはモテるかもしれない。1億人もいれば3人くらいはファンになってくれる人がいるかもしれない。
あと、こどもや孫にとっては自慢だろう。もし私が千円札に載ったとして、孫が「おじいちゃん10人分」とか言ってコートを買ったりするんだ。おじいちゃんと引き換えに物が手に入ることで、あたかも私が自分を犠牲にしたみたいに思えて感謝されたりしないだろうか。もし友達と集まって家族の話になった時も財布からサッとお札を出して「私のおじいちゃんはこれ」と言ってくれたらかっこいいな。
そう考えるとお札に載るのも悪くないかもしれない。でも実際問題、34歳の何者でもないぐうたら会社員が今からお札に載る方法ってあるんだろうか。というかどういうことをすればお札に載れるんだろうか。
福沢諭吉:慶應義塾大学の創始者で「学問のすゝめ」の著者
野口英世:黄熱病や梅毒の研究で知られる医師・細菌学者
樋口一葉:明治時代の小説家兼歌人。「たけくらべ」の著者
紫式部:平安時代の作家。「源氏物語」の著者
新渡戸稲造:国際連盟の初代事務次長
夏目漱石:小説家。「我輩は猫である」「こゝろ」などの著者
伊藤博文:日本の総理大臣を生涯で4回務めた人物
岩倉具視:欧米に渡って政治や文化を学び、日本の近代化を進めた人物
高橋是清:日本銀行総裁や内閣総理大臣などを務めた人物
板垣退助:自由民権運動の父
とりあえず10人調べるとこんな感じ。なるほど。学校を作るのはお金がかかるし、今から医師とか総理大臣とか日銀総裁になるのも厳しい。そうするとあとは小説家になって爆売れするしか道はなさそうな気がする。でもnoteを週1書くのもやっとの男にそんな時代を代表するような小説が書けるだろうか。ううむ、詰んだか……
……いや?待てよ。そういえばまだ載っているやつがいるじゃないか。
これだ!動物枠で採用してもらえればワンチャン載れるんじゃないだろうか。ほら、どちらかといえば私って動物みたいにかわいらしい見た目をしているし、癒し系という意味では動物みたいなものじゃない?紙幣の表面になにか立派なことを成し遂げた偉い人が載って、裏面にぐうたらとした私がいる。なんかこう、バランスが取れて良い気がしてきた。
紙幣に載るのはどんな動物でも良いというわけでもない。たぶん縁起がいい感じの生き物が載りやすいだろう。なのでそこは私に関わった人たちにぜひ頑張って出世してもらって、「三毛田は幸運の招き猫だ」という評判を地道に世に広めていけばいいんじゃないだろうか。そうすれば私が紙幣の裏面に載る日もくるんじゃないんだろうか。
だから私と関わったみなさん、どうか頑張って幸せになってほしい。そしてその掴み取った幸せは「すべて三毛田さんのおかげ」と言いふらしてほしいんですね。そこんとこよろしくお願いしますね。
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