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運命的のプランシングホース(2)

【レース一番!~フェラーリという車】
ポルシェとフェラーリ。少々乱暴かもしれないが、戦後のスポーツカーシーンの主役はこの2社である。ジャガーもベンツもアルファ・ロメオもロータスもホンダも、惜しいけどフォードも叶わない。
同じ時代、最高の栄冠の数々を分け合ったフェラーリとポルシェであるが、しかしその性格はまるで違う。
違いが如実に出ているのがロードカー。フェラーリというのは良くも悪くも創始者エンツォ・フェラーリの会社で、その車は彼自身だといえる。つまり、レース活動が先にあって、それを経済的に維持していくための市販車を売るやり方。そのため多くの車種は当初レース用GTのレプリカだった。
「ハンドルが重かろうが、運転しづらかろうが最速のGTなんだからしょうがない、悪いのは車じゃなく私のテク。」
がまんを強いる車だった。
徐々にレースカーとロードカーの距離が離れてきても、その傾向は変わらず、「決して滑らせてはいけない車・オールタイムベスト」といわれるF40は80年代後半の車である。
そんなわけで、フェラーリは「スタイル最高・エンジン感涙・そのほか三流」みたいな、いびつなスポーツカーをちっとも悪びれず輩出してきた。そっちは副業だからしょうがないだろとでも言わんばかりに、、。
それでも多くのマニアと金持ちは赤い跳ね馬にひきつけられる。
フェラーリを買うという事はF1チームの株主になる事に似ている。フェラーリを応援しているという姿勢の表明である一方、本当の株のように暫く持っていても他のクルマのように値段は下がらず、逆に希少価値で上がったりする。
エンツォはレース一番の男にしては、“スピード”のイメージを着ることが、いかに高いステイタスを市販車に与えるか、したたかに計算できる、あくの強いビジネスマンだった。
(続く)


PS:もっとも最近のフェラーリは違ってきてますね。エンツォが死んで30年以上経つし。逆にこの時代が懐かしいですね。

フェラーリF355 フェラーリと言えばロッソコルサと呼ばれる真紅が有名だが、ジアッラ(黄色)もエンブレムの背景色にもなっているように本拠地マラネロの色で由緒正しい。カッコイイ

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