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山形本屋案内 1

香澄堂書店

山形城近く、最上義光歴史館の向かいに、今回訪れた香澄堂書店はあります。
店のある辺りは現在の町名が「旅篭町」です。店の「香澄」は「香澄町」という地名があるのですが、これとの関連はわかっていません。聞き忘れました。

香澄堂書店 外観


店内入る前、外には均一本がダンボールに入っていました。矢内原忠雄の本が置いてありました。
店内に入って正面は山形の郷土関連の資料。奥に行くと海外文学(推理系)。間の棚には本の本、歴史系などなど。ジャンルは幅広く、しかしかなり濃い目な印象でした。
帳場近くには阿古耶書房という版元の本が置いてありました。こちらは中央印刷という印刷所の出版部門とのこと。キャバレー文化の本、なかなかに面白そうな本でした。
本を探して買い物、のタイミングで店主に話を伺う。かつての山形の古本屋事情について、かなり話を伺うことができました。
15年くらい前から山形の古本屋はどんどんなくなっていったようです。現在山形市で組合に入っているのは紅花書房だけです(ここ香澄堂書店も組合未加入)が、組合に入っていない本屋がかなりあったようです。組合に入っていない本屋を巡っていいものを買っていくことを店主はかなりしていたようです。
古本屋の調べ方について聞くと、どうやら電話帳で「古本」など記載のあるところをピックアップしていく手法を使っていました。おそらく現在ではこのような本屋たちは電話帳などに名前は残っているものの、「いつからあったのか」や「いつまであったのか」を調べるのはなかなか難しいかもしれません。
しかしながらこの手法はいつの年代にはあったのかが結構明確にわかるものだと思います。この手法を自分がやっている古本屋調査に取り入れてみたい、ですが、問題は戦前の電話帳がそこまでないことです。
今ある古本屋では、「阿部久書店がいい」と伺いました。この阿部久書店は庄内地方の鶴岡にある古本屋なので、今回はパス……基本的に車を使わない本屋巡りのスタイルなので、山形から鶴岡だとバス。わりとバスの本数はあるので、今度鶴岡も見に行ってみたいところです。
と、こんなことを書いていますが、ここを訪れた2日後に鶴岡までバスで行きました。鶴岡に行った旨伝えると驚かれました。
本屋以外では遅筆堂文庫は見とくといいと言われました。井上ひさしは『吉里吉里人』くらいしか読んでいないので、行く前に少しでも井上ひさしの本は読んでおきたいところです。

今回買った本

今回買った本は『山形県新聞史話 パートIV』(山形新聞社)と『舎史ものがたり』(無明舎出版)の2冊。前者はたまたま見つけたので購入。出版史に関するなにかの事項があればいいのですが。
後者については店主から「これは面白いよ」と後押しされたので購入を確定。山形なのに秋田の版元の本を買っていますが、アンテナが立っている時にしか見つからないと思っているのでこれはこれでいいと思っています。
無明舎の人、秋田駅前で「あぶみ書房」という古本屋をやっていたようなので、ここは一つ掘ってみたいテーマです。


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