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Financial Times MBAランキングのからくり

MBAのスクール選びをされる方で、Financial TimesのMBAランキングを参考にされる方も多いと思います。ただ、このランキングがどうやって算出されているか気にしている方は少ないのではないでしょうか。

ランキングは参考になりますが、算出方式をきちんと把握していないまま、鵜吞みにするのは危険です。どうやって算出しているか、実際に卒業後に算出のアンケートに参加した経験も踏まえてご紹介したいと思います。

1.Financial Times MBA ランキングとは

Financial Timesが世界のMBAのビジネススクールのランキングを1年に1回公表しています。ランキングはオンラインやExcautiveなどコース別にもみることができ、国をまたいで世界でのランキングになります。

ランキングで公表されいてる情報は、ランク・Location(国)・加重平均の給与金額・卒業生のネットワークランキング・Carbon Foot Print rank が掲載されています。

ランキング対象は、国際認証のEquis または AACSBを取得しているビジネススクールで、3-4年以上プログラムを提供している等の厳しい基準があります。2023年のランキングは142のスクールが参加しています。以下のリンクから2023年のランキングをチェックすることができます。

2.ランキング算出方法

実はランキングを算出するデータの半分は、卒業生のアンケートを基に算出しています。MBAを卒業して3年後、卒業生にサーベイのリンクが送られてきて、様々な質問に回答します。(つまり2023年のランキングは2020年の卒業生のデータを基にしています)私も回答したことがありますが、かなりの質問量でした。30分くらい入力に時間を費やした覚えがあります。こちらの卒業生のサーベイが、ランキングの基になるデータの56%を占めています。

質問内容は、MBA入学前の給与や卒業後どれくらいの期間で職を得られたか、卒業後どれくらい給与が上昇したか、プログラムの内容にどれくらい満足しているかなど様々です。ランキングは21カテゴリありますが、卒業生が回答するのは8カテゴリです。

卒業生のアンケート以外では、教えている教員がどれくらい研究論文を発表しているかや、クラスの女子比率や国際色豊かなクラス構成になっているかなどがランキングに反映されます。

3.アンケートで重視されるのは給与水準

ランキングを算出するためには卒業生のアンケートが最も考慮されると書きましたが、その中でも一番重要視されているのが「給与」です。卒業生アンケートの40%が給与関係です。入学前と後でどれくらい上昇したか、つまりMBAがどれくらい給与が上昇したかのコスパが重視されているということです。(今年から32%に変更されていますが・・)学費が高いので、正直そういた側面が重要視されるのは悲しいけれど必然かもしれません。

ここで注意したいのが、どれくらい上昇したかが重要視されているということです。入学前の給与水準が低く、その後ぐっとあがるのは国際学生です。特に途上国からイギリスやアメリカに留学し、卒業後そのままビザが付与される国で就職となると給与が爆上がりします。私が在学時に、大学側もそれを意識し、積極的に途上国から奨学金をだして国際学生を獲得すると聞いたことがあります。

4.アンケートは参考程度に

MBA取得は給与をあげるためだけ、と捉えている人はアンケートは給与上昇率がかなり反映されているので参考になるでしょう。ただ上記に書いたように、途上国から多く受け入れている時は給与は爆上がりするのでランキングに影響もあると注意が必要です。

また、卒業生の一定数以上がアンケートに回答しないとデータが集められないためランキングから除外されます。そういったそもそもランキングに参加していないスクールもあることに留意すべきです。

給与以外でキャリアチェンジにMBAは役立つか?

日本やアメリカやイギリス出身者は給与は元々高い人も多いので、給与Upはと同等にキャリアチェンジを狙っている人もいます。しかしFiancial Tmesのランキングからはそれは推し量れません。実際にどれくらいMBA取得がキャリアに有効だったかを以下にまとめていますので、こちらももしよければ参考にしてください。

ランキングは参考になります。しかし海外MBA選びは、多角的に情報を集めながら自分にあうスクールを選ぶことをおすすめします。


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