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失礼クリエイター?

わたくしの古巣、永田町同様に
最近は「マナー講師」という職業も
「失礼クリエイター」「謎マナー製造機」と揶揄され
「マナー講師不要論」を唱えるかたも多く
けっこうな逆風が吹き荒れております。

正直、
私自身も時々ネットニュースで
「え!?」、というような謎マナーを目にすることもあったりと
全面的に反論できないところがまた、ツラい…

ある法人様の長期接遇コンサルの一回めに
大ベテランの管理職のかたに
「マナー講師は嫌いだ。
 いつも型にはまった理屈しか言わん。
 研修のときに何故そうなのか、と突っ込んで訊くと
 答えられるやつは一人もいない。
 これまでに4人もやっつけてやった!」
と、面と向かってドヤ顔で言われたこともある。
(※ちなみに、私はやっつけられてない。根性だけはある)

「マナーはかたちより心」

このことばを研修でつかっていらっしゃる先生は多い。
でも、
もしかしたらそのことば自体も
「カタチ」
ただのマニュアルになっているかたも なかにはいらっしゃるのでは、
と 僭越ながら思うことがある。

「ビジネスマナー」にアレルギーがあるかた、苦手意識があるかた、
不要だと思っているかたの多くは
「理由もなく型にはめられること」に納得できないていないのでは
と感じる。

校則と一緒だ。
ビジネスマナーは、「大人の校則」感。
誰だって、理由のわからないことはやりたくない。
ましてや、プライドもって仕事に向かいあっているオトナならなおのこと。

うんうん、わかります…私だっておなじ。

ほんとうは、
ただの「きまりごと」と思われている ビジネスマナーの「カタチ」には
ちゃんとした意味がある。

例えば
お辞儀の角度も
指し示しの所作も
電話の切りかたにだって

本来「こころ」を伝えるために その「カタチ」ができている。
マナーの「カタチ」は
「こころ」を伝えるためのツールなのです。

だから、
相手にとってその「カタチ」が不快になるものであれば
「カタチ」は変えるべきだし、捨てたっていい。
「なぜそのカタチなのか」を説明できないもの、エビデンスのないものは
やらなくたっていい と 私は思っています。
「相手を不快にしない・恥をかかせない・尊重する」
という、そのきもち・おもいやりが最優先。

「カタチ」だけキレイに整えたところで
心がこもっていなければなんの意味もない。

敬語がちょっとくらい微妙でも
心がこもっていれば、声のトーンや表情で
ちゃんと思いは相手に届く。
失敗したら素直に謝れば、いい。
心をこめて。

ただ、
残念ながら これまた相手によっては
心がこもっていても「カタチ」が整っていないと
伝わらないことがあるのも、事実。
最低限のマナーを覚えておいて
「カタチ」に頼るほうが安心な場合だってある。

「ビジネスマナー」は、「強要される規則」ではなく
いろいろな考え方、価値観を持つ人たちが
ちょっとずつ譲り合いながらコミュニケーションをとっていくための
「ガイドライン」。
自分自身を護ってくれるものでもあるのです。


『 私は今までビジネスマナーは「察しの文化、暗黙の了解」であると思っていて、ややこしい共通マナーを強要されることに引っかかりがありました。
でも、先生が「ビジネスマナーは相手を不快にさせない、自分も不快にならないための最低限のガイドライン」とおっしゃっていたのを聞いたときストンと腑に落ちました。
自分の斜に構えていた固定概念を変えてくださり、ありがとうございました。』

以前、週一回のビジネスマナー講座を担当していた
精神・発達障害者復職就労移行支援事業所の利用者様が
私が退職するときにくださったメッセージカードのことばです。
とてもとても、うれしかった。

じぶんの考え方やきまりごとをおしつけることの無意味さを知り、
どうしたら相手に伝わるのか
どうしたら相手のお役に立てるのか
常にそれを考え続けたこの講座での4年間。

私もまた、利用者様からたくさんの気づきと学びをいただきました。

私は、「教える」ということばを遣いません。
ポンコツながらも一生懸命お客様とむきあってきた自分自身の
たくさんの失敗や感動や反省や
さまざまな経験や思いを、心をこめて「お伝え」する。
どんな質問や反論にも
またお悩みや葛藤にも
正面から向かい合い、ともに考える。
ときには本気で闘いながら(!!)、
学生たちや受講者のみなさまや
オファーをくださった企業様
そして、その先にいらっしゃる たくさんのお客様のHAPPYのために。

熱量高すぎて、研修先で「リアルスクールウォーズ!」と言われています。
(ホメコトバかな…?)

「マナーはかたちより心」
というならば、
私たちマナー講師も心を尽くして全力でむかいあうべき!
わからないことは素直に認め、勉強する。
間違っていたら、謝る。
かっこ悪くても、美しくなくても、
その生き方こそが
きっといちばん相手には響く、
生きたマナー講座になる と私は思っています。

「謎マナー」も
わたしたち講師自身がそのエビデンスをしっかり理解して
相手にとって必要かそうでないかもしっかりと精査しつつ
おひとりおひとりにとってベストなつかいかたを一緒にみつけていくことで
「神マナー」
に変化する、はず。

失礼をクリエイトしてしまうのは
心よりも カタチ、マニュアルを優先してしまうからなのかも。

もっともっと「そのカタチ」の心を知り
みなさまにたくさんのHAPPYをお届けして
「マナー講師 イコール 失礼クリエイター」の汚名返上に貢献すべく、
あまりの不器用さにご宗家に失笑されながらも
私は今日もまた、日本伝統文化という新しい学びにチャレンジし
泥臭く精進しています!



#ビジネスマナー #失礼クリエイター   #謎マナー   #マナー講師



















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