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【ビジネススクール/MBA/体験記】第33話「苦行/Zero」

こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!

前回の『能ある鳩はMBA』の記事はこちらです。↓↓↓


「ビジネススクールにおける長期休暇のオススメの過ごし方」

についてまとめました。


今回は、

ビジネススクールの授業に生かせる『インド神話』の「苦行」の描写

についてまとめています。


賢明なる読者のみなさまはもう、

『インド神話』とビジネススクールがどうつながるのか、

にお気づきかとは思いますが、


1つの記事あたり、だいたい5分で読めますので、お気軽にスクロールしてみてください!


ABCD包囲網

さて、鳩がビジネススクールに通い始めたばかりの頃のこと。


ビジネススクールでは、授業が始まる前や、授業の最中、

生徒がいくつかの班に分かれて、グループワークをするのですが、

時折、言いようもない混乱した気分に陥ることがありました。


08_02_驚き


グループワークでは、先生から課せられた数問のお題に沿って、議論を進めます。

若年である鳩は、しばしば、下働きであるファシリテーターを務めることがあったのですが、

なぜか、時間中にお題が半分も終わりきらないのです。


08_01_驚き


グループのメンバーそれぞれに発言を求めていくのですが、

どうも、各メンバーの発言の冒頭に、

いくつかの決まり文句があることに気づきました。


あたしに言わせると……
僕の経験では……
ちょっといいですか、あのですね……
でも、私が若かった頃の話をすると……


グループワークでお題に沿った話をしていたたはずが、

いつのまにか、みんな、

自分の人生の話をしているのです!


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タレントの高田純次さんが、

年を取ってからやっていけない3つのこととして、

「説教」「昔話」「自慢」

を指摘していたなあと頭に浮かべながらも、


「あたしに」「僕の」「ちょっと」「でも」ABCD包囲陣に、

鳩は圧倒されたといいます。


若輩者の鳩は、口を開かず、

努めてファシリテーションに集中することにしたのでした。


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苦行のシーンはカットする

さて、グループワークでの混乱をそのまま抱えて帰路についた鳩は、

気分転換に読書でもしようと、

『インド神話―マハーバーラタの神々』

を書棚から取り出しました。



インド神話はご存じのとおり、

世界を股にかける神々が、不死を求めたり、森を焼き滅ぼしたりする、

ハチャメチャ冒険活劇です。

落ち込んだ鳩に元気を与えてくれます。


インド神話ではしばしば、

「人々や神々が、偉大な力を得ようと、苦行する」

シーンがあるのですが、

話を読み進めているうちに、鳩はあることに気づきました。


苦行のシーンそのものは、ほとんどカットされているのです


「〇〇は苦行した」

という一節が書かれているだけなので、

どんな苦労があったのか、

そもそも「苦行」とは一体何なのか、

さっぱりわかりません


なのに、物語自体はおもしろいのです。


例えば、ヴィシュヴァーミトラという王が、

あらゆる願いをかなえる牡牛を盗み出そうとしたところ、

これに失敗した結果、

牡牛の持ち主・ヴァシシタ「コラコラコラ~!」と激怒し、

王の軍が壊滅に追い込まれるというエピソードがあります。


このあと、ヴィシュヴァーミトラ王は逆恨みの反撃に動きだしました。

ヴィシュヴァーミトラはヒマーラヤ山中で苦行し、
シヴァ神の恩寵を得て偉大な力を獲得し、
神からもらった矢を放ってヴァシシタ仙の苦行林を焼き払った。

『インド神話インド神話―マハーバーラタの神々』より


この後、ヴィシュヴァーミトラ王は結局、

「コラコラコラ~!」と怒ったヴァシシタ仙に歯が立たなかったので、

今度は仙人となるため、千年間「激しい苦行」をしたそうです。


このように、『インド神話』を見ると、

「苦行をした結果、何があったか」が重要であり、

「苦行そのものの描写」はどうでもいいのだとわかります。


ジャンプだってカットしている

「苦行シーンはカットする……」


一見、「友情・努力・勝利」でお馴染み『少年ジャンプ』の編集者が聞いたら激怒しかねない教訓のようでもありますが、

だらだらしそうなシーンは省くというのは、ジャンプ漫画でも見られます。


『鬼滅の刃』でも、

「十二鬼月」と呼ばれるボスキャラが十二人もいたため、

「中だるみしそうで、どうなることやら……」と思っていたところ、

「十二鬼月は解体する」というご英断があり、

中途半端なボス戦は省かれました。


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MBAで学ぶことは、学生が自説を披露し、心地よくなることではない

さて、もともと何の話をしていたかわからなくなってきた頃かと思います。

そう、ビジネススクールの体験記でした。


01_02_ノーマル・バスト


さて、名古屋商科大学ビジネススクールの教員である、牧田先生も、

その著書で、

MBAで学ぶことは、学生が自説を披露し、心地よくなることではない。

自分なりにケースを分析しロジカルに考えたつもりでも、
まだまだ自分は足りなかったと気づき、
更に高みを目指すために志を堅固にすることである。

と指摘しています。



語りたい個人の経験を、なんでも語ればいい」というものでもない……。

その言葉を胸に刻んで授業に臨んだところ、

鳩は気づいたことがありました。


グループワークでだらだら人生について語っていた生徒は、

たいてい、人の話をほとんど聞いていないので、

授業中の発言があまりイケてない、という事実です。


グループワークのみならず、教室でも、

自分が人生でどんな経験、どんな苦行を積んできたのか

について語っていたABCD包囲陣の生徒たちには、

帰りの書店でぜひ、『インド神話』を買ってほしいと思う鳩なのでした。


さて、次回は、

ビジネススクールの授業に生かせる「脳科学」の知識

について、まとめています。

お楽しみに。

to be continued...


参考資料


・挿入マンガ①⑥:寺沢武一『集英社』(集英社)

・挿入マンガ②⑤⑨⑩:横山光輝『三国志』(潮出版社)

・挿入マンガ③⑦⑧:島本和彦『吼えろペン』(小学館)

・挿入マンガ④:山口貴由『衛府の七忍』(秋田書店)

#mba
#復習
#ビジネススクール
#長期休暇
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【国内MBA/体験記】白山鳩
【国内MBA/体験記】白山鳩
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参考資料

・挿入マンガ①:田中芳樹(原作)藤崎竜(作画)『銀河英雄伝説』(集英社)」

・挿入マンガ②:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』(集英社)


・上村勝彦(2003)『インド神話インド神話―マハーバーラタの神々』(ちくま学芸文庫)


・牧田幸裕(2020)『名古屋商科大学ビジネススクール ケースメソッドMBA実況中継 01 経営戦略とマーケティング』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)



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