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天皇賞(春)2024全頭考察

天皇賞(春)2024出走馬の全頭考察です。
評価は☆~★★★★★の10段階で評価しています。※[]内の数字は過去15年で集計

最終結論はMラジブログに上げますので、よろしくお願いします!もし記事が参考になったよor面白かったよと思っていただけた方は、いいねや拡散して頂けると泣いて喜びます。では行ってみましょう!


📄京都芝3200mについて

向正面半ばからスタートして最初のコーナーまでは417m。1周目はゆっくり上り下りし、2回目の坂の上りあたりからペースが速くなる。直線は平坦だが、道中の出入りが激しくなるケースも多く、上がり33秒台の決着になることはほぼない。下り坂から動いても最後まで粘り切る地力が必要になる。また、近年は馬場の高速化の影響もあって、道中どれだけタイトに回ってきたかが重要なコース。内枠が有利なのは大前提として、外枠の場合は騎手の技量が問われる。

📄注目データ

✅1枠

[7-1-1-19]。過去15年で7勝と圧倒的成績を挙げている。阪神開催の2回を除いても[6-1-1-16]。二桁着順の馬が2勝している上に、人気薄の4~5着も多く、人気より2~3着順を上げるイメージ。

✅前走4角7番手以下

[0-5-2-83]。ずっと追い込み続きのような活性化の無い馬は厳しいレース。狙うなら2200m以下からのような大幅延長組か、1人気1着圧勝後などのオプションは欲しい。

📄出走馬全頭考察

1.ゴールドプリンセス LS系 評価:★

ゴールドアクター×キングヘイローのLS系。父は現役時代スクリーンヒーロー産駒のS主導の馬だったが、ゴールドプリンセスは走りや戦績を見るとLSあたりか。前走条件戦組は[0-0-0-8]。天皇賞春はかなりの格レースで、鮮度だけではどうにもならない。重賞実績があって連勝中の馬ですら、条件戦からは掲示板に載れていないため、相当なポテンシャルの証明がないと厳しいと言える。前走も揉まれた後の外枠替わりの内容から苦→楽だったと思うので、そこで0.2差程度では食指が動かない。

2.サヴォーナ SL系 評価:★★☆

キズナ×スニッツェルのSL系。タイプはSかSLといったところだろう。1人気1着経験を3回も保有している割にはかなり不安定なタイプで、凡走後の人気落ちがしっくり来る。前走も激走後の人気で凡走してしまった。血統的には1200mを走っても良さそうな配合だが、戦績を見る限りかなりスタミナ、体力があって、牡馬キズナ産駒らしい馬。前走阪神大賞典6着以下の馬は[1-1-0-25]。巻き返しパターンとしては、阪神大賞典で人気より凡走しつつ内枠から先行する形がベスト。同馬も逃げの経験を持っているので、内枠から先頭番手くらいの徹底先行の形なら過去の傾向とも合致してて面白そう。超高速前残り馬場のような特殊馬場の後押しがあれば。

3.サリエラ LM系 評価:★★

ディープインパクト×LomitasのLM系。ノーザンF産の良血馬で、大事に育てられた箱入り娘といった馬。要は自分の力以上に頑張ろうという泥臭さみたいなものはなく、自分の得意なところだけ淡々と走るのが特徴。新潟記念がまさにそんな感じで、短縮内枠で揉まれた瞬間、競馬をやめてしまった。前走ダイヤモンドSは長距離の割に頑張っていたが、ダウン+延長の少頭数外枠+広いコースの上がり勝負ではあったので、やはり自分の得意なレンジだから走れただけ。アップの多頭数内枠を踏ん張る馬ではないため、道中縦長になってなるべく道中の摩擦を少なくしたい。鮮度はあるので、出入りの少ないスローの淡々とした競馬なら好走できるかもしれないが、今回はそういう競馬にはならないと思うので、評価はできない。

4.シルヴァーソニック LC系 評価:★★

オルフェーヴル×トニービンのLC系。父、母父からかなりSやCの強そうなタイプだが、同馬自体はあまりSを感じずCLかLC系あたり。前走阪神大賞典6着以下は前述したように[1-1-0-25]。この2頭はカレンミロティックとビートブラックで、高速内伸び特殊馬場を逃げるくらいの先行で残した形。シルヴァーソニックは差し馬なので、過去の巻き返しパターンとは合わない。また、血統だけ見るとかなり道悪は強そうで、前走の阪神大賞典の条件は向いていたように思える。そこで11着となると、上積みはどうか。一応、京都外回りはステイゴールド系(プリンスリーギフト保有)と相性がいいので、そこに一縷の望み。

5.スカーフェイス SC系 評価:★☆

ハーツクライ×クロフネのSC系。父は体力が豊富なSM系の種牡馬で、母父はパワーのあるS系の種牡馬。前走大阪ハンブルクC組は[0-0-1-14]。人気薄ばかりにしては2頭が5着以内に好走しており、意外と面白いステップ。同馬は休みを挟んでから久々に躍動感のある走りを披露しており、不気味さは孕んでいる。だが、本質は坂コースの混戦を好む馬だと思うので、大幅延長の京都芝3200mだと量不足は否めない。次走の鳴尾記念や函館記念あたりで。

6.スマートファントム L系 評価:★

ハービンジャー×ディープインパクトのL系。血統的にはヒンドゥタイムズやプレサージュリフトあたりと同配合。父の欧州的な重さと母父のスピードでバランスを取っている配合だが、逆に言えば中途半端で、どっちつかずという印象。狭くなっても諦めず走り切った前走の内容は良かったが、少頭数戦のものだし、元々出遅れ癖があり、それが多頭数のG1となると致命傷になる恐れも。後々は活躍しそうだが、今回に関して言えばもう少しポテンシャルの証明が欲しかった。

7.タスティエーラ LM系 評価:★☆

サトノクラウン×マンハッタンカフェのLM系。以前はLSくらいかと思っていたが、レースを見ると優等生でまとまっている。皐月賞の内容は強かったが、そこからじわじわパフォーマンスを落としている印象で、有馬記念の6着でそれが決定的なものとなってしまった。鮮度がある上に、疲労、ストレスのほぼない状態で、あの結果はいただけない。前走もスムーズに内から先行したにもかかわらず11着に惨敗。もちろんそこまで強いメンバーではないので、好走の可能性も0ではないが、ここ2走の内容からはそれを見出すことはできない。少なくともドゥレッツァを逆転するのは難しいのでは。前走先行してしまったことで位置取りショックが使えないのも痛い。

8.チャックネイト M系 評価:★★★☆

ハーツクライ×DynaformerのM系。生涯掲示板を外したことがなく、高いレベルでまとまっているタイプ。3走前に条件戦を走っている上に、3000m以上も初という鮮度は魅力的に映る。しかも鮮度だけはなかなか乗り越えられないレースなので、AJCCをしっかり勝利して重賞勝利という格を保有しているのも良いだろう。M系らしく、5人気以下への人気急落時はどちらも1着になっており、人気落ちというオプションで実績があるのも心強い。長距離適性についてはやってみないと分からないところがあるため、その点は未知数だが、逆に言えばそれ以外は、ほぼほぼ揃っているので、チャンスは十分だろう。外枠は痛すぎるが…。

9.ディープボンド LC(S)系 評価:★★☆

キズナ×キングヘイローのLC(S)系。父はディープより距離適性を短めにしてパワーが付与されたS系種牡馬で、母父は欧州の非C系の種牡馬(種牡馬辞典ではL系だが、個人的にはS系)。キズナからパワーをキングヘイローからスタミナと体力を供給されて、長距離坂コースの体力勝負を好む馬。前走阪神大賞典6着以下は[1-1-0-25]。春天実績がありつつ、近走不振で人気を落として巻き返しと言えば、カレンミロティックを彷彿とさせる。ただ、ディープボンドは、カレンと比べるとかなり先行力が落ちており、そもそも前に行けるかどうか。ある程度時計が掛かっての消耗戦になれば。

10.テーオーロイヤル S(LC)系 評価:★★

リオンディーズ×マンハッタンカフェのS(LC)系。父はパワーのあるS系種牡馬で、母父は量、体力が豊富なL系種牡馬。2年前の天皇賞春で3着した頃はSも出ている印象だったが、一度不振期に入ってからは体力とLで押す馬になっている。阪神大賞典1着馬で0.2差以上圧勝の馬は[3-1-3-3]と好相性。近年は特に相性が良く、そのまま好走することが増えている。ただ、阪神大賞典、ダイヤモンドS使用馬で2走前も3000m以上のレースを走っていた馬は、過去15年でビートブラック1頭しか馬券内に入っておらず、過去10年に限定すると[0-0-0-23]と相性が悪い。阪神大賞典1着馬の相性の良さは理解しつつも、3走連続3000m以上使用に加え、休みを挟まず5戦使用+2戦連続1着後では、蓄積疲労も気になる。常識的に考えたら、Mでは評価しづらい。

11.ドゥレッツァ LC(S)系 評価:★★★☆

ドゥラメンテ×More Than ReadyのLC(S)系。いかにもドゥラメンテ産駒の上位馬といった感じで、C、S、L、体力、量含めて総合力で勝負する馬。前走金鯱賞組は[0-0-0-1]。1人気2着後でストレス、疲労はないし、前年皐月賞、日本ダービーを不出走だった菊花賞馬はかなり相性がいいので、ここは仕方ないだろう。あとはSも結構ある馬なので、延長で前に行く位置取りショックを仕掛けた際に、鞍上が御せるかどうか。当たり前の話だが、ルメールの方が安心感はあった。

12.ハピ SM系 評価:★★★

キズナ×キングカメハメハのSM系。父はパワーのあるS系種牡馬で、母父は量、体力など全ての要素を保有しているM系。ダートで実績のある馬だが、血統的には芝で走っていても全然おかしくない配合。前走大阪ハンブルクC組は[0-0-1-14]。2走前までダートを走っているように、芝に対しての鮮度はあるし、前走も内からグイグイ感のあるS的な走りで、かなり面白い存在ではあると思う。とにかく大外枠が残念無念。さすがに3200mを外から好走するイメージは湧かない。ただ、芝が悪い訳ではないため、ここで凡走しても鳴尾記念や宝塚記念などには挑戦して欲しい。まとまっていて人気落ちでは常に注意。

13.ヒンドゥタイムズ CS(L)系 評価:★

ハービンジャー×ディープインパクトのCS(L)系。ハービンジャー産駒にしてはCを感じる馬で、本質は中距離の混戦がベスト。ただ、近走は追走力も落ちているため、道悪の2400mくらいがフィットしそう。これは同父のペルシアンナイトと似ていて、ペルシアンもマイルCSでの勝利がありながら、晩年は重い2000mの札幌記念がツボだった。京都芝3200mを乗り切るほどのスタミナは感じないので、ここはさすがに厳しいと思う。また、注目データにも書いたが、春天は長距離戦でありながら、前走後方の馬に容赦がないため、活性化も必要な舞台。同馬はそれにも欠けていて…。

14.プリュムドール C系 評価:★☆

ゴールドシップ×フレンチデピュティのC系。ゴールドシップは母父に米国のダート血統を入れると先行力が上がりズブさが解消されるのだが、同馬についてはあまり先行力はなく、重たい牡馬のゴルシ産駒っぽい馬。前走阪神大賞典4~5着馬は[0-1-1-18]で、掲示板に載っているのは3頭いる。全馬G1実績があり、先行→差し、差し→先行などの位置取りショックがあるとなお良い。プリュムドールはG1実績のない鮮度のあるタイプだが、そういうタイプにしてはリズムが悪く、中途半端な印象を受ける。せめてもう少し着順や脚質に躍動感が欲しかった。

15.ブローザホーン LS系 評価:★★★☆

エピファネイア×デュランダルのLS系。エピファネイアらしい体力、量を感じさせる馬だが、そういう馬の割には馬体が小柄で、個人的な感想を言えば不思議な馬。L主導なので自分より弱い相手には安定する性質を持っているとは思うのだが、馬体が軽い影響もあってか頑張って走った際の反動を吸収する力が弱く、それが交互の戦績に表れている。前走阪神大賞典3着馬は[0-0-1-11]。唯一好走したのはクリンチャーで、クリンチャーも1人気3着後だった。凡走後の人気落ちという臨戦はいいと思うし、重賞1人気1着経験も同馬とディープボンドしか保有していない。難点としては生涯で一度も33秒台の上がりがないように、スローの瞬発戦だとキレ負けする可能性がある。ある程度締まった流れになったほうが良く、展開の助けは欲しい。

16.マテンロウレオ CS系 評価:★☆

ハーツクライ×ブライアンズタイムのCS系。父、母父はタイムフライヤーと同じで、上がり勝負では分が悪いものの、坂コースの持続質戦でパフォーマンスを発揮するタイプか。前走日経賞組は[5-4-4-63]で、回収率もそこまで悪くない。しかし、日経賞で4着以下だった馬の成績は[1-0-0-38]で、一気に率が下がる。日経賞組は人気薄でも3着以内に激走してしまった方が良く、勢いそのままに連続好走するのが穴パターン。唯一1着だったのはフェノーメノで前年の覇者であり、2人気5着後でストレス、疲労のない臨戦だった。マテンロウレオはずっと均衡気味で、前走逃げというショックでそれを打ち破ろうとしたが、結果的には5人気4着で、均衡打破には至らなかった。元々血統的に高速京都というタイプでもないので、逃げショック後も含め、厳しいだろう。均衡打破には、ダートを使って欲しい。

17.メイショウブレゲ CL系 評価:☆

ゴールドシップ×パイロのCL系。いかにもゴールドシップ牡馬のオーソドックスなタイプで、重たいステイヤー。万葉Sのレースを最も高いパフォーマンスとするなら、やはり追走の楽な長距離戦である程度時計と上がりが掛かる条件がベスト。前走の阪神大賞典も道悪で時計も掛かっていたため、適性的に悪い条件ではなかった。そこで8着となると、ここでの好走はなかなか厳しいだろう。延長のダウン戦で。

18.ワープスピード M系 評価:★★☆

ドレフォン×ディープインパクトのM系。父はパワーのあるL~LM系の種牡馬で、母父は量が豊富なM系種牡馬。現状鮮度があるため、まずまずしぶとい走りを見せているが、本質はMかLM系あたりと見る。前走阪神大賞典2着馬は[0-1-0-14]。同馬も2走前に3000m以上を使用してた阪神大賞典組の馬で、過去の傾向からはイマイチ。しかし、母父が鮮度要求率の高いディープインパクトで4走前に条件戦使用という鮮度はあるため、人気据え置きなら辛うじて好走の目もあるか。前走も捲くっていたように活性はあるし、破綻の少ないタイプだとは思うので、内でじっと脚を溜める競馬ができれば。単勝の期待値は低そうだが、3着なら。三浦もクリンチャーで3着があることだし…。

まとめ

☆チャックネイト
☆ドゥレッツァ
☆ブローザホーン

大穴ならハピですけど、内枠なら穴人気してしまいそうな気もしていたので、まあ逆に大外枠に入ったことで当たるも八卦、当たらぬも八卦ってポジションにはなったのかなと思ったり。今年は阪神大賞典組が多いので、別路線組にアドバンテージがある気はしています。

以上です。
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