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Swarm Defenseに対するカウンター

こんにちは、現代バスケットボール戦術研究(MBTR) @MBTResearch です。(ブログ / togetter/YouTube
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今回はマガジン第30回として、Swarm Defenseに対する具体的な対抗策について論じていきたいと思います。

Swarm Defenseとは、狭義にはハンドラーにTrap / Double TeamでプレッシャーをかけつつオフボールDがボールサイドへZone Upしてアグレッシブに守るDFのことを指すこともありますが、広義には、ボールへのCoverage & Rotationを手厚くして、ボールサイドに"群がる" (Swarm) ディフェンスコンセプト全般のことを指します:

ここでは、Swarm Dに対するオフェンス上のPitfallと、一般的な対応策について論じていくことにします。



⓪Swarm Defenseを攻める際の陥穽

Swarm Defenseを攻める際のPitfallはシンプルかつ明らかで、ハンドラーに対するCoverageとRotationが手厚くなるため、ハンドラーが突破してそこから展開するタイプの単純なオフェンスが通用しにくくなることに尽きます。

一見簡単で対策が容易そうですが、どの競技レベルにおいても特定のハンドラー兼スコアラーがオフェンスを牽引するという構図になることは非常によくあるので、ハンドラーの判断が甘かったり、ハンドラーが熱くなりすぎたり、チーム戦術の準備が不足していたりすると、意外にそのまま罠に嵌まってオフェンスが停滞しがちです。

Swarm Defenseを相手が敷いてくることを把握したら、後記するようなオフェンスを展開する必要があり、そのために事前に準備しておく必要があります:


①Retreat(仕切り直し)とRev (サイドチェンジ)

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バスケットボール戦術についての研究ノートを掲載。 月1-3回程度更新。

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