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私がやってきたバイリンガル(&結果的にトリリンガル)育児

私はアメリカ人夫と結婚し、人生の半分以上をアメリカで暮らしています。夫との間に娘(大学生)と息子(高校生)がいて、アメリカで普通の公立の学校に通わせて、育ててきたのだけど、子供達とは今までず~~~っと100%日本語のみで会話をして来ました。つまり、私は子供達に一度も英語を話したことはないし、子供達も私に英語で話してきたことは一度もありません。日本語の読み書きも完璧です。(日本語の新聞も勿論読めるし、ニュースや映画も完全に理解出来ています。また2000字程度の文章ならさらさらっとすぐに書けます。夏目漱石、ドストエフスキー等による著名な作品も日本語で読んできましたし、古文、漢文等も高校生の時に一通り勉強し、返り点等の知識もあるレベルです。逆にネットで日本のテレビ番組も見ているので私よりも芸能情報にも詳しかったりします。)

日本に住む、日本人のご家族の方なら上記の話をしても「ふ~ん、そうなのね、まぁ、お母さんが日本人だから”自然に”バイリンガルになるよね。」って思うかも知れません。

しかしっ!!国際結婚をしているご家庭の方だと、これが、ここまでの道のりがどれ程大変で努力が必要であるか、よ~くわかっていただけると思います。ほんと、異国でのバイリンガル育児は文字通り親の努力&本人の努力の結晶だもん。目標を達成したかったので辛くはなかったけど、マジ大変な道のりでした。

「バイリンガル」と一言で言っても、

1:日本語での基本的挨拶は出来る。「ありがとうございます」「いただきます」等。でも平仮名は読めない。

から始まり、

2:簡単な会話なら出来る。「今日は学校に行って楽しかった」等。平仮名は読める。でもカタカナは怪しいし、書くのは難しい。自分の名前は漢字で何とか書ける。会話のやり取りは苦手。

とか、

3:日本人の母親の日常的な会話(「今日のご飯は野菜炒めだよ」「明日テストでしょ、早く寝なさい」)は何となく理解しているが、返事は英語になる。結果的に母親とは詳細な会話は通じないので出来ない。敬語等は全く使えない。

とかいっぱいあります。

そんな中、うちの子供達にはしっかりと自信を持って「バイリンガルです!」と言える子に育てたくて、とにかく私、頑張りました。

結果、最初に書いた様に日本語も英語と同等に出来る子になりました。娘は適性もあった様で、高校生の時はロシア語も独学で勉強しはじめ、ロシア語も出来るように。(でもロシア語のレベルは日本語のそれには及ばないと思うのですが、私がロシア語が全然出来ないのでどのレベルか正直わかりません。ロシア人に娘のロシア語についてどう思うか聞いたことは何度もあったけど、その度に「とっても上手、発音もほぼ完ぺき、多分アメリカ育ちのロシア人って思われると思う。」とか言われてるので、まぁ日本でいうと訛りはあるけど、言葉遣いが正しい外国人、って感じなのかな?と思ってます。)だから娘はトリリンガルです。今は日本人の友達と同じようにロシア人の友達も多い。現状、更にロシア語も上達しているようです。

さて本題です。どうやってアメリカでバイリンガル育児をしてきたのか。

この命題については色々な方がそれぞれの方法でバイリンガル育児を経験して会得されてきたと思います。この方法等についてお金を取って講義する人もいますよね。

私はただ単純に、他の国際結婚をしているまだお子さんが小さいお母さんで、もし「自分の子をバイリンガルに育てたい」って思っている人がいるんだったら、一人でも多くの子供に本物のバイリンガルになって欲しいし、それは結果的に子供にとっては勿論将来の可能性を広げていくことにもつながるのだけど、親にとってもとても嬉しくて、ありがたいことだから(更に日本にいる英語が全然出来ない私の両親にとっては、関西弁で何でも話せる孫でいて欲しかったから、そういう事にもつながる)そういう方に伝えたいな、って思ってここに思う事を書こうと思います。

やり方は一つではないし、ここで共有しても子供と親の適性によって、合う&合わない、出来る&出来ない、もあるしね。だからこれが「絶対」なんて方法は(逆に)「絶対ない」って思うから、あくまでも一つのやり方の一つ、としてもらえれば嬉しいなって思います。

その1:『子供にはこの世に生まれて来てくれた瞬間から私の母国語(=日本語)で話しかける。同様に夫は夫の母国語(=英語)のみで話しかける。』もうこれが我が家の基本中の基本。これだけは絶対ブレない様にしてきました。周りがアメリカ人ばっかりでも私は「私はうちの子供には私の母国語も話して欲しいから日本語で話すね。」と一言言ってやってました。アメリカ人はその辺は個人の選択を尊重するので何にも表立って言ってくることはなかったです。義理の両親だけは「我々の前では英語で話せ、でないと何を言っているかわからない。」って強く言われたけど「でも日本に行って、うちの両親の前でもあなたの息子(=私の夫)は英語で子供達に話をしている。私も私の両親もそれを尊重している。だからあなた達も同じ様に私のやり方を尊重してほしい。」とはっきり言うとそれで終わりました。この辺でも私も親としてのメンタルが鍛えられていったのかも。。。

その2:『アメリカの学校から子供が帰ってきたら、我が家は日本語で勉強する学校になります。私は子供の日本の学校の先生!』もうこの事は書くと長いからもし誰か詳しく聞きたい人がいたら書くことにします。

その3:『定期的に日本へ里帰り。夏休みの間の日本での体験入学は思っている以上に大きな効果&良い影響がある。』これがあるから私はフルタイムの仕事が出来ませんでした。でもこれは毎年快く日本に2か月も行かせてくれた夫の理解があってこそ。夫婦間の意見をいつも整えておくことが大事かも。

ま、もっとあるけどもう2000字超えたのでやめます。もし反響あったらまた書くけどもしなかったらもう終わり!とにかくバイリンガル育児は大変だったけど、今になって、年末にM1グランプリ一緒に見てどの漫才師が優勝するかな?とかワイワイやってる時とかに『やっぱり頑張ってよかった!』て思う私です。