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第1回 医療×ブロックチェーン

いやはや、冬場に増悪する疾患は多く、病院の忙しさも日に日に増しており、note.を書こうとして頻繁に寝落ちしています。。。

さて、今回は私が兼ねてから趣味で研究してきたブロックチェーンと、私の(一応)専門である医療とが将来的にどう交わっていくか、またそうなるとどういう世界が待っているのか、についてゆっくり書いていきたいと思います。私はエンジニアではないため、ブロックチェーンの超細かいことについてはよく理解できていません(笑)ので、お手柔らかにお願いします!

そもそもブロックチェーンとは?

一昨年くらいからメディアでビットコインが取り上げられるようになり、一躍トップバズワードに躍り出ました。詳細な解説は非常にたくさんのサイトで紹介されていますが、ざっくり言えば、安全性や透明性を担保できて、24時間365日、休むことなく稼働する分散型のネットワークです。取引データやその履歴はブロックの中に保存され、繋がり、時系列順にネットワークに保存され、全てが初めから一列に繋がっているために改ざんや修正が極めて困難なシステムです。分散型台帳とも呼ばれ、日本でも昔からある台帳を特定の人間ではなく、それを不特定多数の人間で承認しあって…といってもわかりにくいですよね。えー!意味不明!って方はIBM社の解説動画がとっつきやすいと思います。このサイト、はじめてみたときよりかなり進化してます…おそるべし、IBM

医療となんの関係があるの?

どんな健康な方でも、一度くらいは病院に行かれたことがあるでしょう。まず診察室に入ると、やたらめったらと、何の病気しただとか、家族に大きな病気をしたひとはとか、今飲んでる薬やアレルギー、たばこ、お酒、職業、時には性生活についても聞かれますよね。しかも毎回新しい病院に行くたびに同じようなことを聞かれて…。正直「またかよ、っていうかこっちは体調わるいんだっつーの!」って感じですよね、わかります、私も正直めんどくさいと思っています。語弊がないように申し上げますが、そんなこと聞かなくても診療できます、ではなく、ただただその単純作業をすることに加えてつらそうな患者さんに尋問するのが苦痛なのです。また、若輩者ながら救急に携わる身としては、救急車で来られ、お話もできない患者さんにはそもそも聞きたくても聞けません。けど、重症であるほど、聴きたいんですよね…。

前提は長くなりましたが、医療×ブロックチェーンが切り開く道は、ここにあるのです。すなわち、ブロックチェーンを用いて個々人の医療データ=PHR:Personal Health Record を患者さん自身に改ざん・修正できないデータとして持ち歩いていただき、われわれ医師と患者さん自身の合意で常に開けるようにできるのです。そうです、あのウザい問診時間を大幅に減らせるのです。しかもご高齢の方は過去について誤解されていたり、お忘れになられてることもあるため、データにすることで個々人の医療情報の正確性が増すのです。
また、そのPHRを活用し、さらには予測市場(これについては別の機会に・・・)に載せることで効率的な保険サービスなどに発展させていくことも可能です。

医者もメンドイし、患者さんのためにならない

アメリカのメイヨ―クリニックのリサーチでは、医者の半数以上は燃え尽き症候群に落ちいっており、それも急増しているそうです。いろんな理由はあるでしょうが、カルテにまつわる時間の無駄とストレスは計り知れません。めんどくさいですよ、勿論1から100まで聞かずに診断・治療方針をたてていくのは医者のスキルの見せ所ですが、例えば
ex.)他院で胆のう炎かも?と言われ、採血データ、レントゲン・CT画像をDVDに焼いてもってきたパターン
を考えてみます。ここで気になるのは
①見にくい白黒の印刷された採血データとにらめっこすること
②ウイルス感染しているかもしれないDVD-Rを自院のPCに挿入するおそろしさ
③ってか、紹介状(※)イマイチだし、結局はじめから話聞かなきゃじゃん。
※クリニックAからBに紹介されるときは必ず紹介状が必要です。これを書くのも実は少しメンドイと思っています(笑)
私見ですが、これらはブロックチェーンを用いてブレイクスルー可能です。
①②はその患者のPHRに保存し、(容量デカいならクラウドに保存するか、あるいは暗号化してデータを軽量化し、解凍する演算式のみ保存し)、自院に来院した際に同意をいただいて暗号化されたファイルを展開すればOK。
③については、紹介状や前医での問診内容をPHRに保存し、そのまま自院で開けるようにすればOK。基本的に2重鍵なので患者さんと医療者で開けるように準備が必要です。やっぱ、正確な情報を基に治療方針を決めていきたいですもの。

上記のように、ほんっっっとうに無駄が省けます。さすれば、患者さんも2-3倍診れますし、お待たせする時間を極端に短縮できるため、クリニックの利益にも必ずつながります。

さて…ほとんど月並みな話でしたが…

初回なので、さらっと書きました(笑)実際は上記のようなPHR関連のみならず、極めて管理等々にかかわる人件費の高い"お薬の流通(製薬会社から患者さんに届くまで)"や冒頭に述べたような保険サービスにも応用していける、このブロックチェーンという技術は、インターネットのその先へ、私たちを連れて行ってくれる存在となることは間違いありません。

次回以降の予定

・ブロックチェーンが変える業界
・医師としてブロックチェーンに期待すること
・実際に動き出した日本の事例(今はまだ、コンフィデンシャル!)
・実際に動き出した海外の事例(電子カルテ、遺伝子、臨床試験、etc...)
・法律の壁
・医療にはパブリックではなく、プライベートチェーンが適している理由
・実臨床だけじゃない!医学研究×ブロックチェーンでつくりあげるスーパービッグスタディ
・On Chain data + Off Chain data でみんなのスマホがスーパーコンピューターになる?!

さいごにお誘い!

①私自身もいろいろ臨床から得たアイデアを持ちつつも、エンジニアさんとの繋がりが甘く、できれば定期的にハッカソンをしたいと考えています!ぜひ、ご興味ある方がいらっしゃいましたら、一緒に日本の医療システムを良くしていきましょう!
②将来的にはサービスローンチするとなればやはりICO(※)での資金調達が現実的?・・・持続可能性を追求し、マイニングもしています!(ご興味あれば、こちらもぜひ!)

※「Initial Coin Offering」の略語で、株式のIPOにちなんで。クラウドセールのようなもの。主な銘柄はこちらから。私は夢のあるICOにはどんどん投資しています!ポートフォリオが気になる方は、ぜひ一緒にお話ししましょう!(笑)


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