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マンガデザインで日本を描く(41/47)・滋賀県

どうもどうも、吉良です。

大阪芸術大学の学生たちと共に制作してきた「マンガデザインで日本を描く」シリーズも前回の岐阜県で40回を超えました。数々の素晴らしい作品のおかげでコメント数も増え、特別なことは何もしていなくても読んでくださる人が増えています。

これもマンガの求心力や、グラフィックデザインのターゲットアプローチ力、それにマンガデザインのわかりにくいことをわかりやすくする説明力によるものだと感じています。

観光局や地方自治体は、こういう日本オリジナルの手法の存在や、学問であるマンガやデザインのことを理解して、もっともっと日本や地域の発展に活用すべきだと思います。

首都圏だけでなくどの地方都市にも金の卵たちは存在します。それこそが日本オリジナルの力であることは間違いありません。

マンガのキャラクターは様々なトラブルに巻き込まれることも、薬物を使用することも、いわゆる非常識な行為をすることもなく、しっかり日本オリジナルデザインとして日本や地域のあらゆる価値を高めてゆきます。まさに「一隅を照らす」存在になり得るのです。

この「一隅を照らす」という言葉を僕に教えてくれたのが、自らこの言葉を好きな言葉と語り、実際にアフガニスタン復興のためにご尽力し、その地で銃弾に倒れた、尊敬する中村哲氏

「一隅を照らす」については、下記の記事でも紹介していますので合わせてご覧ください。

実際に「一隅を照らそう」の石碑があると知って、比叡山延暦寺に2019年12月に見に行ってきました。

今回のマンガデザインで日本を描く特集はまさに「一隅を照らそう」の石碑のある「滋賀県」について、大阪芸術大学の学生作品を交えて紹介していきます。

これまで「沖縄県①」「沖縄県②」「新潟県」「石川県」「富山県」「京都府①」「青森県」「福井県」「秋田県」「福島県」「長崎県」「広島県」「愛媛県」「徳島県」「香川県」「熊本県」「大分県」「鳥取県」「山梨県」「山口県」「埼玉県」「島根県」「茨城県」「岩手県」「宮城県」「山形県」「奈良県①」「奈良県②」「和歌山県」「長野県」「三重県」「兵庫県」「鹿児島県」「北海道①」「北海道②」「北海道③」「北海道④」「北海道⑤」「佐賀県」「千葉県」「岡山県」「愛知県」「福岡県」「栃木県」「高知県」「岐阜県」についてお話ししていますのでこちらも是非お楽しみください。

「滋賀県といえば何をイメージしますか?」と聞かれたら100人中99人くらいが「琵琶湖」と答えると思います。琵琶湖は、日本最大の面積と貯水量を持つ湖で、ラムサール条約登録湿地でもあります。

(大阪芸術大学 キャラクター造形学科 小西樹さん)

【製作意図】
琵琶湖の水の恩恵を受ける府県の擬人化をしました。滋賀県といえば琵琶湖。その琵琶湖は滋賀県の他に大阪府、兵庫県、京都府へ水がひかれています。それを視覚的に表しました。

まさに琵琶湖は関西圏全体の水源ですね。各県の擬人化、独特のタッチでとてもカラフルでユニークな仕上がりですね。

ストレートな琵琶湖マンガもわかりやすく琵琶湖の特徴を捉えています。

(大阪芸術大学 キャラクター造形学科 宮崎裕康さん)

【製作意図】
琵琶湖、ビワマス、ビワコオオナマズ、花火大会をテーマに、琵琶湖の生き物とそこでやっている花火大会を描きました。今回はあまり説明っぽく描かずマンガのひとつのネタとして描きました。

琵琶湖といえば、鳥人間コンテスト選手権大会の会場としても有名ですね。1977年に始まり、途中コロナで中止などもありましたが今年45回大会が7月に実施されています。

スリルとエンターテイメントを兼ね備えた、人間の鳥になって空を飛びたいという本能をクリエイトした良い企画ですね。

スリルといえば、学生がマンガデザインしたびわこスカイアドベンチャーも迫力満点ですね。行ってみたくなります。

(大阪芸術大学 デザイン学科 小田穂の佳さん)

【製作意図】
びわこスカイアドベンチャーを描きました。滋賀県には命綱をつけて地上からスタートする空中アスレチックがあります。そこで楽しそうに遊ぶ子供を描いてみました。

話題満載の琵琶湖。僕も1995年に、比叡山から琵琶湖大橋を撮影しました。そして、この橋を渡り信楽焼の郷に向かいました。

琵琶湖大橋

信楽といえば信楽焼。その中でも狸の焼物は有名です。信楽狸の八相縁起がこの狸を有名にしました。

信楽の狸は、福々とした狸が編み笠を被り、右手に徳利、左手に通帳を持って立っているのが定番です。この信楽狸は八相を備えている縁起の良い生き物とされています。ここでその八相(八か条)を紹介します。

信楽狸の八相縁起

笠➖思わざる悪事災難避けるため用心常に身をまもる笠
目➖何事も前後左右に気を配り正しく見つむることな忘れめ
顔➖世は広く互に愛想よく暮らし真を以って務めはげまん
笑顔➖いつも笑顔を忘れず、お互い愛想よくし、心から励みましょう。
徳利➖恵まれし飲食のみにこと足りて徳はひそかに我につけん
通➖世渡りは先ず信用が第一ぞ活動常に四通八達
腹➖もの事は常に落ちつきさりながら決断力の大肚をもて
金袋➖金銭の宝は自由自在なる運用をなせ
尾➖なに事も終わりは大きくしっかりと身を立てるこそ真の幸福

信楽には立て札も立っています。

学生のマンガデザイン、素晴らしいです。背景が琵琶湖ですよ。たぬきが「他を抜く」だから商売繁盛、これもひびきますね。

(大阪芸術大学 デザイン学科 山川夏海さん)

【製作意図】
信楽焼のたぬきの置物を描きました。滋賀に行った時にたぬきの置物が大量にあるのと、ミシガンという船に乗ったことが印象的なので描いてみました。ちなみにたぬきの置物は「た(他)」を「ぬく(抜く)」=「他を抜く」という意味に通じるため「商売繁盛の縁起物」として置かれているらしいです。

この制作意図にある大量の狸の置物も写真に撮っておきました。

学生のマンガデザイン作品から、伝統の食と伝統工芸を紹介します。絵のタッチは全然違うのですが、共に伝達力、つまり伝える力は十分ですね。

まず食を代表して「サラダパン」。題材の選択、デザイン力、ちょっと宣伝色が強いですが完璧です。

(大阪芸術大学 キャラクター造形学科 田口智子さん)

【製作意図】
サラダパンを描きました。1951年創業の老舗のパン屋「つるやパン」で60年を超えるロングセラー商品です。サラダという名前ですが、中に入っているのはマヨネーズとたくあんのペーストです。当初はキャベツとマヨネーズでしたが、パンがふやけてしまうことからたくあんに変更されたそうです。滋賀に行ったら本店に買いに行きたいです。

続いては、伝統工芸の「びんてまり」。初めて聞いたので調べてみました。

びん細工手まり(びんさいくてまり、びんてまり)は、滋賀県愛知郡愛荘町に伝わる伝承工芸である。狭い丸いガラス瓶の中に、その口よりも大きな、刺繍を施した手まりが入ったもので、丸くて中がよく見える(丸く仲良く)ことから、縁起物として床の間や玄関などに飾られる。

このマンガデザインのように嫁入り道具にも使われるそうです。

(大阪芸術大学 デザイン学科 丸岡鈴さん)

【製作意図】
びんてまりを描きました。滋賀県の愛荘町の伝統工芸である「びんてまり」は愛荘町では嫁入り道具とされているらしいので、お嫁さんとびんてまりを描きました。

滋賀県、盛りだくさんですね。僕はその他にも、草津の立命館大学には広告講座の講義のため何回か行きましたし、石山寺にも行きました。とても大好きな県のひとつです。

滋賀県の特徴も見ていきましょう。
滋賀県は県庁所在地が大津市、県土面積は4017平方キロメートルで、全国第38位の広さです。琵琶湖があることで有名です。

人口約141万人(日本で26位)、県内総生産におけるが第2次産業の割合・製造業の割合が日本一です。

滋賀県の地方新聞は滋賀彦根新聞、滋賀報知新聞、滋賀夕刊、中日新聞。テレビ局はびわ湖放送です。

有名な観光地・特産品は、琵琶湖、比叡山延暦寺、近江神宮、彦根城、安土城跡、甲賀の里、信楽陶苑 たぬき村、琵琶湖博物館、びわ湖バレイ・びわ湖テラス、近江牛、鮒ずし、のっぺいうどん、焼鯖そうめん、赤コンニャク、信楽焼等です。

次回は「群馬県」を紹介します。お楽しみに!


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