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おとなも発達しつづける?~キーガンとadult development~

adult development「成人発達」は成人学習のなかでも大切な概念です。

かつて、おとなは成人するとそれ以降は著しい発達はみられない、と考えられていました。

でも、さまざまな理論家が「いやいや、おとなも生涯にわたって発達しつづけるよ!!成長するべ!!!」と提唱したことにより、このadult developmentの概念がうまれたそうです

おとなもずっと成長しつづける、成人学習において欠かせないことです!

今日はadult developmentを率いてきた方を紹介します

ロバート・キーガン

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すてきなちょびひげが似合うこの方がロバートキーガンさん。

現在73歳。3年前にリタイアされています。

実は先日、TCにキーガンさんの愛弟子の方が講演してくれました。

直々に30年以上キーガンのもとで研究をされているそうで、感動でした!

これまでご紹介したおじいさまたちと比較すると若いです

Kegan's adult development theory

キーガンが提唱した成人発達理論は大きく、5段階のステージにわかれます

彼の理論は子どもの発達学で世界的権威をほこるジャン・ピアジェ Jean Piagetの影響をものすごく受けています

子どもが発達するならおとなも発達するのでは、、と考え、このadult development theoryが生み出されたそうです

ちなみにKeganの代表作 The Evolving Self では

To the living legacy of Jean Piaget

とピアジェへの敬意が冒頭に書かれています。

ピアジェは看護学生のときの小児でめちゃくちゃやったので懐かしくなりました。こんなところでつながるのね。

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こちらがピアジェ。

では、一つずつみていきます!和訳は本来の翻訳から持ってきています

①Impulsive mind (具体的思考段階)

これは完全にちびっこの段階なのでおとなは関係ありません。

言葉を覚えたばかりのちびっこがここに含まれます。

たとえば車が遠くにみえたとき、私たちおとなは距離感をもって車が「遠くにいる」と認識できますが、ちびっこは距離感ではなく「車がちいさい」と認識します。こんなかんじでものの捉え方も成人とは異なります。

②Imperial mind(利己的・道具的段階)

諸説ありますが、授業では 成人の約6%がこの段階にいる、と習いました

相手にどうみられるか、ということが関わってきます。

own needs, interest, agenda is primary とあるように自分の興味やニーズが最優先!

この段階のひとたちは、たとえばカンニングをしないのは誰かに怒られたくないから、という認識になります。

③Socialized mind (他者依存段階)

こちらは成人のほとんど、58%がこの段階にいるといわれています。

社会のルールや慣習によって判断基準が決まってくる、というかんじです。

ideas, norms and beliefs of the people and system aroundというように、自分を取り囲む周囲や社会の意見がかかわってきます

上のカンニングの例にたとえると、カンニングをしないのは「社会のルールでカンニングはいけないことと決められているから」です。

④Self-authoring mind (自己主導の段階)

自分が何者かを自分自身で理解できている段階。

成人の35%がこの段階になります。

take responsibility for owr own inner emotions, generate our understaniding of the world 自分自身の内なる感情に責任をもち、世界の捉え方もわかっています

カンニングをしないのは「自分の信念に反するから」というかんじです

⑤Self-transforming mind (自己変容段階)

成人発達における最終段階、神の領域ともいえます笑

なんとたったの1%しかこの段階にいません。

1%ってすごすぎる、、、

self is not tied to particular identities or roles, but is constantly created through the exploration of one's identities and roles.

言葉ではむずかしいのでイラストをご紹介します

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左から③、④、⑤の段階の順になります

③Socialized mindは大きな円のなかに自分も他のひとたちと同じようにまぎれています

④Self-authorizingは自分自身のアイデンティティをつくれているのでわっかの外に自分がいます。客観的に自分を認識することが可能です。

そしてラスト⑤Self-transforming mindの段階ではひとつのアイデンティティに縛られず、まわりのさまざまな価値観を知り、くみ取って自分自身の意見を持つことができる、という段階です

もうこの段階にはなってみないとわからないのかも笑

おとなは発達段階を繰り返す


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このモデルの特徴は 一カ所のステージだけにとどまらず、いったりきたり、はたまた二つのステージの狭間にいたり、と変動しつづけることです

一度self-authoringmindにいったからといって、すぐにself transformingにいけるわけでもなく、またsocializingに戻る、ということもあり得るわけです。

みなさんはどこの段階にいますか?

私はどこだろう、、、自分で断定するのは難しいですね笑

でも、先日の愛弟子さんのセミナーではKeganのこの理論を用いたinterview guideの研究について話していただきました

とあるクライアントが問題を抱えてきたときに、そのinterview guideにそってコーチングをすることで、相手がどのステージ段階にいて、どのように解決策を導けるのかを考えることができるそうです

最終ステージにいったひとに会ってみたいものです!

キーガンはまた今後もどこかででてくると思います。

今日はこのへんで。


参考文献

Kegan, R. (1982). The evolving self. Cambridge, US: Harvard University Press 

授業スライド



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