通称『2択本』は実質「みーにん本」か

 こちらは麻雀本のレビューをされているサイト「ブラック麻雀」。

 このサイトで4月1日に出版された通称『2択本』(タイトルが長いので便宜的にこのように略す)のレビューがなされていた。
 評価は星4.5。
 ちなみに、私の前著『「統計学」のマージャン戦術』も星4.5をつけていただいている。
 非常にありがたいことである。


 ところで、レビューに関して次のようなことを書かれている。

(以下、http://umaimahjong.onasake.com/book.html より引用、強調は私の手による)
「梶やん」はみーにん氏の理論を外から眺め、昭和時代の話を持ち出しつつ絶賛するスタイル。実質的には「みーにん本」です。
(引用終了)

『2択本』は実質「みーにん本」である、と。
 確かに、本に記載されている著者の順番は私が先である
 梶本さんが先ではない。
 また、梶本さんが自身のブログで次のようなことを述べている。

(以下、梶本さんの本紹介のブログ、https://ameblo.jp/takutei/entry-12451441713.html より引用、強調は私の手による)
 内容としましては、画像の下の部分にもあるように「実戦でよく出る分岐点、選択の局面になったときに、統計データではどっちがどれだけ得なのか」ということを分析したものです。もちろんですが統計データはみーにんさんの担当。私はただそれに乗っかっただけです(^^)/
(引用終了)

「乗っかっただけ」って・・・。
 このような点から見て、通称『2択本』を「みーにん本」と呼ぶのは全然ありだろうと思われる。
 ただ、この結論に対して少々釈然としないものを感じるので、今回はそれについて触れたい。

 確かに、この本に掲載されたデータは私が求めたデータである(牌譜解析から求めた、または、牌譜解析結果をもとに計算した)。
 梶本さんのデータでもなければ、別の研究者、例えば、nisiさんが出したデータでもない。
 また、『統計で勝つ麻雀』は福地と私の共著であり、データの提供元は私であるところ、あの本は『福地本』とは呼ばれず『みーにん本』と呼ばれていた。
 このような前例や事実をとらえて、『2択本』を実質「みーにん本」と呼ぶことには相応の合理性がある。

 しかし、データを出していれば実質その人の本かと言われれば微妙である。
 例えば、通称『ジャンゴロK本3』はnisiさんのデータが使われてまくっていて、かつ、データ監修者としてnisiさんの名前が表紙に掲載されているが、あの本を『nisi本』という人はあまりいない(私が知らないだけかもしれないが)。
 この例を出せば、「データメインの本であれば、データ提供者の本である」と言えないことは明らかである。
 その観点から見て、『2択本』を「みーにん本」と呼んでいいのかはよくわからないのである。


 この点、『2択本』が「みーにん本」だと思われるのは私にとって名誉なことであるし、ありがたいことである
 私も必要なデータを集めたり、応用問題を作ったり、竹書房に3度呼び出されて豊橋から東京に3度行ったりする(2度目に関しては東京に3泊した)など、この本の作成に関しては積極的に動いている。
 もちろん、本文の最終チェックもしているし、文責は私にもある、これは当然である

 他方、こうも思う。
 本来の「みーにん本」であるならば、巷に流れる評価はなかったのではないか、と。
 どういうことか。

 この点、ブラック麻雀では次のようにも書かれている。

(以下、同サイトより引用、強調は筆者)
 小難しくて長い解説をスッパリと排除し、データも考え方もシンプルに、だけど実戦ですぐに役立つ知識がたくさん得られることでしょう。とにかく読みやすいのが嬉しいです。
(引用終了)

 この本に関し、このような評価をしてくださる方は多い。
 しかし、私がもっと主体的にかかわっていたら、あるいは、私一人で『2択本』を作っていたら、こんなライトな文章にはならなかったと思う
 もちろん、前作『統計学のマージャン戦術』のような文章にはならなかったとはいえ、もっと重厚な文章が出来上がっていたであろう。

 また、ブラック麻雀においては『2択本』を次のようにも評価してくださっている。

(以下、同様に引用、強調は筆者)
 コンセプトは他の書籍とも似通ったところはありますが、意外と他の著書では触れられていないテーマが多いと思いました。
(引用終了)

 この「問題のテーマ選出」は私の仕事ではなかった。
 問題の大半を作ったのは梶本さんだし、私のデータをもとに文章を書いたのも梶本さんである。
 このような評価を頂けるのであれば、それは私が受けるべき評価ではないように思われる。

 そう考えると、この本を「みーにん本」と呼ばれることは私に対する過剰な評価ではないかと思う。
 繰り返すが十分にありがたい話ではあるのだけれども。


 なお、『2択本』の出版を通じていくつかの教訓を得た。
 このことは、「麻雀数理研究会」で秋刀魚の有料NOTEを作る際に、是非参考にしようと思う。

 それでは。


 なお、本書で紹介されている書籍のURLは次のとおりである。

『2択本』

『「統計学のマージャン戦術』

『統計で勝つ麻雀』

通称『ジャンゴロK本3』


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