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コーヒーでリハビリ

やなぎです。今回は、珈琲でリハビリということについてお伝えします。このテーマを書く理由は、僕は珈琲が好きで趣味を楽しみつつ、リハビリテーションできないか、という発想からです。

自己紹介


22歳の時に交通事故に遭い、高次脳機能障害になりました。約2ヶ月の意識不明を経て半年近く回復期リハビリテーション病棟に入院していました。その間、気管切開(気道を確保するための管)を外したり、スピーチカニューレという声を出すための管を入れ、それを外せたという経験をしました。
また、胃瘻(胃に直接、栄養剤を送る処置)を造り、外すことも体験。そこから病院や退院後は外来でのリハビリ。また、高次脳機能障害がきっかけでうつにもなりました。退院後に就職もしましたが、環境や仕事内容をこなせなかった挫折もあります。しかし今では、専門学校に通学できるようになりました。また、趣味も事故前は読書ぐらいだったものが、現在は筋トレ、格闘技、珈琲、読書、料理と幅が増えました!

そもそも、リハビリとは?


リハビリテーションは、全人的人間の復権といわれています。なぜなら、医学的、教育的、職業的、社会的の4種類があるから。つまり、リハビリは病院やクリニックだけで終わる物ではないということです。むしろ、僕の経験では退院してからの方が、課題はたくさんあると感じています。それは、病院と違って、「整えられた」環境がないからです。これについて、太田仁史氏は、「第3章 ほんとうのリハビリは退院してから始まる」で詳しく述べています。

病院や診療所で身体/精神の機能を維持したり高めた後に、その状態でどう生活するかが鍵になると僕は考えています。そこには、当事者にしか分からない悩みや葛藤が沢山生まれることになります。僕も、高次脳機能障害になったからこそ、わかったこと・見えたことがあります。

そんな中でたどり着いた物の一つが、珈琲です。なぜ辿り着いたか…?

まちを歩いていて偶然入ったカフェが始まり。それは、あるお店のオーナーが淹れてくれる一杯の珈琲がおいしかったからです。そのオーナーと話す中で、珈琲のエピソードやコーヒーへの熱意を感じて、珈琲の勉強を始めたのがきっかけです。このnoteのトップ画像の珈琲豆は、僕が初めて豆を挽いたときの、挽く前の写真です。

珈琲の歴史

10世紀頃、ペルシアの医学書の中にも、珈琲のことだと考えられる薬について書かれていたようです(旦部:2017,p50)。このことからも分かるとおり、非常に歴史のある飲み物だと言えます。

ということは、珈琲を楽しむなら1000年以上前の時空へとタイムスリップできるということですね。僕は、珈琲の味だけでなく歴史にも思いを馳せることが大事だと考えています。といっても、奥が深いだけにまだまだ勉強です。

珈琲の淹れ方


詳しいことは、様々な本に譲りますが、ここでは僕の体得したものをお伝えします。
0)珈琲豆を買う、袋を開ける。開けたときの香りが心を落ち着かせる!!
1)1杯なら珈琲豆20gを挽く。挽いた後の香りも味わう!!
2)濾紙(三角形に折る)に豆を入れて、3回~4回お湯を回し淹れる。この時、一回目は全体にお湯を浸水させる。
3)飲む。ゆっくりと心を落ち着けながら味わいます!!

なぜ、リハビリに繋がる?!


その答えは、社会的リハビリにあります。珈琲は、お店で楽しむなら、珈琲店まで行く必要があり、そこへ行く服装をどうするか、どうやって行くのかなどを考えます。また、お店に着けばメニューを見て、何にするかを考え、お金を取り出します(今はキャッシュレス決済がありますが…)。そして珈琲を飲んだり、誰かと話したりします。

僕は細かい作業が苦手なので、小銭を出すことが退院後は時間がかかりました。また、お金を計算することも時間がかかるので、多めにお金を出したりもしました。今はキャッシュレスを使っています。

実は珈琲に限らず、様々なことで言えます。つまり、外出すること全てで言えることなんですね…。珈琲を例に挙げた様々な行程ですが、高次脳機能の一つでもあります。それが、「遂行機能」です。

遂行機能とは何か。それは、段取りに関わる機能である。

では、前頭葉とはどこにあるのでしょうか。

前頭葉は、脳の前側にある。

このように、珈琲1杯を楽しむためにも、いくつかの段取りを考える必要があります。つまり、それだけ脳の働きを使うということなんです。この「考えること」こそが、人間らしさであり、前頭葉の機能のうち最も高度な営みになります。

また脳の働きに障害を起こすのが、高次脳機能障害です。高次脳機能障害は、脳梗塞や脳出血、交通事故などによって脳にダメージが生じたときに怒ります。高次脳機能障害の症状は、人それぞれで異なります。

高次脳機能障害の症状

ここでは、こういった脳の障害があるんだ、という認識を持っていただければ嬉しいです。

珈琲を例に出しましたが、運動でも同じですよね。ボクシングであれば、相手の動きを視て、どういう技を出すのか、フットワークをどうするのか考える必要があります。ちなみに、運動することは手続き記憶なので、小脳が身体の動き司っています。

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