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新しいコンセプトを発明すると、ベストセラーが生まれる

指のストレッチを「指ヨガ」と再定義する

その昔、電車の中吊り広告で「指ヨガ」というタイトルを目にしたんですね。「指ヨガ」というタイトルを見た瞬間に「指でヨガをやるのか」と興味を惹かれたのですが、多分内容はふつうにヨガのストレッチなのです。
でも、指をストレッチしましょうとアピールしても誰も興味を示さないんですね。指のストレッチを「指ヨガ」と再定義することで、人の興味を惹けるようになります。多くの人の興味を引き付けられる新しいコンセプトを発明すれば、ベストセラーに繋がりやすいのです。

AIが考える指ヨガ

やたら手を出す人=多動力というコンセプトでベストセラーに


新しいコンセプトを発明によってベストセラーになったのが、堀江貴文氏の「多動力」です。色々興味を持ったことに手を出してみることの重要性を語ったビジネス書ですが、30万部を超えるベストセラーになっています。

これは、やたらと手を出して動いてみても軸が定まらないと思っている人たちを、肯定してあげるコンセプトでもあります。
そう思っている人たちに「多動力」というコンセプトを与えたことで、多くの支持を得てベストセラーとなったのです。
(実際の「多動力」の内容は、1つのことにハマったら飽きるまで徹底的に行うべし、という趣旨ですが。)

行動経済学のハロー効果に「錯覚資産」というコンセプトを与えてベストセラーに


さらに、起業家のふろむだ氏による「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」も12万部を超えるベストセラーになっています。

この本は、行動経済学の中でもハロー効果という現象について、解説をした本です。ハロー効果とは、ある人物の特定の良い特徴(たとえば外見の魅力、社交性など)が、その人物の他の特徴に対する評価にも良い影響を与えるという認知バイアスの一種です。これは、人々が他人を評価する際に総合的な印象に大きく影響されることを指します。

例えばイケメンの経営者を見たら、絶対に仕事もできるはずだ、人格者であるはずだ、と思い込むことを指します。

行動経済学についての本は、読み込めば面白いのですが用語が難しそうなので手を取るハードルが高いのです。
その行動経済学の認知バイアスであるハロー効果に「錯覚資産」という新しいコンセプトを与えることにより、キャッチ―で内容が理解しやすくなっています。

つまり、新しいコンセプトを発明すると

  • 一瞬で興味を惹くことができる

  • 内容がより分かりやすくなる

というメリットがあるので、より多くの人の興味をひけて、ヒットしやすいのです。

新しいコンセプトを発明し続けてきた、みうらじゅん


この新しいコンセプトを発明するのは、書籍では編集者の役割が大きいのかもしれませんが、世の中全般において新しいコンセプトを生み出し続けてきた人がいます。みうらじゅんさんです。

みうらじゅんさんといえば、ゆるキャラの名づけ親として有名ですが、地方自治体などの作りこみの甘いキャラクターたちに「ゆるキャラ」というコンセプトを与えた結果、ゆるキャラブームが起こりました。

ちなみに今ではすっかり定着した「マイブーム」という言葉もみうらじゅんさんの考案で1997年に流行語大賞を受賞しています。

みうらじゅんさんは、新しいコンセプトを発明するのが上手なのです。

新しいコンセプトを生み出すには、アナロジー的思考が必要

このように、新しいコンセプトを生み出すとヒットコンテンツになるのですが、これにはアナロジー的思考が必要です。アナロジーとは、観たり聞いたりしたことからヒントを得て、別の物事にその情報を適用することです。対象物をよく観察して特徴を挙げ、その特徴を抽象概念化します。

たとえばゆるキャラであれば

・地方のキャラクターは、キャラクターのデザイン的、キャラ付けの作りこみが甘い(特徴)

ゆるい(抽象化)

ゆるキャラ

といった具合です。

アナロジーについては過去の記事で詳しく解説しているので、そちらも見てみてください。

ビジネス書しか読まない人が、アナロジーが苦手な理由
https://note.com/media_labo/n/n609f310b8d3d


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