5月4日〈木〉メディア日記

 3日夜の「ニュースウオッチ9」(NHK)は、「今、入ったニュース」と前置きし、「ロシア大統領府は3日、ドローン(無人機)がモスクワのクレムリンに墜落したと発表した」と報じた。けが人はなかった。その後、クレムリン上空でドローンが攻撃され、バラバラに破片が落ちる瞬間をロイター通信が配信した。ウクライナは関与を否定した。米のシンクタンク戦争研究所は4日、ロシアの自作自演の可能性もあると分析したが、米政府は慎重な発言に終始した。4日朝刊は1面トップで報じた。

 クレムリンへのドローン攻撃は時間が経つにつれ、さまざまな憶測が出てきた。その中で、BS―TBSの「報道1930」は、「攻撃があってから大統領府が公式発表したのは12時間後だった」と報じ、自作自演にしても、ロシア内部の抵抗勢力からの攻撃にしても、公式発表までロシア政府内の混乱があったのではないか」と予測した。

 一方、ANNニュースによると、中国外務省の報道官は4日の会見で、「すべての関係者は事態をエスカレートさせる行動を避けるべきだ」と慎重な立場を示し、攻撃がウクライナによるものだと主張するロシアには同調しなかった。

 民放テレビ局には1日の日記で紹介した松原文枝のほかにも映画を制作した女性ディレクターがいる。MBS毎日放送の斉加尚代だ。斉加は去年、沖縄戦などを巡る歴史教科書の書き換えや、教育現場への政治圧力に焦点を当てた映画「教育と愛国」を制作し、大きな反響を起こした。同年、ドキュメンタリー映画で権威がある「JCJ大賞」を受けた。

 4日付けの沖縄タイムスは、「斉加尚代が憲法記念日の3日に沖縄県浦添市の憲法記念集会で講演した」と報じた。斉加は「愛国心を重視する教育基本法改正や道徳の教科化を『従順な国民づくり』だと批判。政府が昨年閣議決定した安保関連3文書や日本学術会議の問題は『教育の自由を奪おうとする勢力が推進している』」と警鐘を鳴らした。斉加は毎日放送の現役社員。同局には、社員が仕事の延長で自由に映画製作を認める度量の広さを感じる。

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