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にっぽんSAKE紀行 #325 鹿児島 天賦 JR枕崎線

今回は鹿児島で日本酒と焼酎を醸す、西酒造さんを訪ねました。(note 第37報目)

朝一番のフライトで鹿児島空港に降り立ち、枕崎行きの高速バスに飛び乗ります。
(ちなみに羽田→鹿児島は、生まれて初めて飛行機に乗った路線。。緊張のあまり歯を食いしばっていたようで、降りたらアゴが痛かったことが懐かしい。。)


鹿児島空港

桜島の雄大な景色を左手に見ながらバスは高速を進み、山道に入って最初のバス停(藤元)で下車。Google Mapの表示が「藤元農協前」だったので、ちょっと心配しましたが、ここで正解(Googleには修正リクエストを出しました。)。


鹿児島空港バス停前の足湯(手前は西郷さん)


藤元バス停

道路に沿って歩くこと15分ほどで西酒造の看板が見えてきました。あともうちょっと。。というところで、写真のバンから降りてきた人から「XX(本名)さんですか?」とのお声がけ。。ここから坂道なので、お迎えに来ましたとのこと。。ありがたし。。


西酒造の看板

実は日本酒の天賦を作っている蔵は、バス停を降りてすぐのところにあって、見学不可と聞いていたので、今回は外観の写真だけにして、宝山の焼酎作りの蔵を見せていただく予約をしていたのです。


西酒造日本酒蔵

応接室で改めてご挨拶の後、白衣とキャップをつけて、仕込み蔵へ。。立派ですね!


仕込み蔵への道

まずは麹室。ここは日本酒の麹室と同じ感じです。ただ、焼酎は8月から仕込みが始まるので、お米は専用の冷蔵保管庫で保管しているとのこと。また、最近は、芋麹による、全量芋仕込みの焼酎も作っているそうです。


麹室

こちらが酒母室。甕の中を撮るのを忘れてしまいましたが、酒母が黒っぽい。。日本酒が黄麹なのに対して、焼酎は黒麹(またはその変異体の白麹)を使うので、酒母が黒くなるのだそう。。また、黒麹菌が壁に生えるので、焼酎蔵の壁はどうしても黒くなるのだそうです。


酒母室

出来た酒母は、蒸した芋を投入して、もろみ作りへ。もろみも、土に埋めた甕の中で醸します。こちらにずらりと並んだ甕は土に埋めてあって、さらにウォータージャケットを装備している様子。。伝統+近代的な設備ですね。


仕込み蔵

この蔵を作るときに、工場としてではなく、あくまで焼酎作りの蔵にしたいとの思いで、木がふんだんに使われています。縁あって林業関係の仕事をちょっとだけしたクラゲにとっては嬉しい作りです。


木をふんだんに使った建物、高い天井は熱を逃すため

出来上がったもろみは、なんと木桶の蒸留機で蒸留され、出来た焼酎は手前の甕の中へ。。ものすごいこだわり。。


木桶の蒸留機

焼酎の中には長期熟成させるものがあり、シェリー樽で熟成させたものは、「天使の誘惑」というブランドになるそうです。(美味しいですよ!!)天使の誘惑と聞くと、黛じゅんを思い出しますね。。スッキなのに。。(古い)


美術館のような貯蔵庫の外観


貯蔵庫のロビー。。。。まじ?


ずらりと並んだシェリー樽。。。天使に誘惑されそう。。

西酒造ではこのほかにも、ニュージーランドでワインを作っているほか、ウイスキー作りを進めていて、この夏くらいには一般販売できそうとのこと。オールラウンドの酒造り、楽しみですね。


焼杉の外壁の研究・検査棟

普段は2時間くらいかける酒蔵見学を、列車の都合で45分に圧縮して見せていただきました。帰りは事務所の方々総勢でお見送りいただき、感謝感激です。少し土地勘もできたので、今度は酒造りの季節に来たいと思いました。(325蔵目を達成)


西酒造のショーケース

さて、西酒造さんからタクシーに乗って、慈眼寺駅に。。慈眼寺駅付近は新しくできた町で、駅舎もモダン。。悪天候になったら雨を凌げるかと心配していたので、立派な駅にびっくりです。


慈眼寺駅

JR枕崎線は鹿児島中央から枕崎までを結ぶ、全長約88Km、非電化単線の路線で、途中に砂風呂で有名な指宿(いぶすき)と、日本最南端のJR駅、西大山を経由します。(と壇蜜さん風の説明。。)


キハ47 9084 (新潟鐵工所製造)

やってきたキハ47形2両編成の枕崎行きに乗車して、出発進行。。しばらくは鹿児島市の郊外を走りますが、やがて左手に錦江湾を眺めながら、めちゃ揺れる揺れる。。車両の端っこに座ったせいもありますが、列車旅で最大の揺れを味わいながら、列車は西大山駅へ。。


車窓から眺める開門岳

西大山には最南端の駅に入ってくる列車を撮ろうと、かなりの数の観光客が待ち構えていました。実はワタクシも随分前にレンタカーで来たことがあるのですが、その時は霧が深くて開門岳は見えず、列車のタイミングも悪かったのです。。


日本最南端JR駅 西大山駅 (沿線のイペー(コガネノウゼン)の黄色い花が印象的でした)

列車はいよいよ終点の枕崎駅に到着です。あいにく悪天候になってしまい、貸自転車での町めぐりは諦めて、歩いて「お魚センター」に向かいます。港に近づくにつれて、小雨はほとんど暴風雨になり、カメラを構えようとすると傘が飛びそう。。。(なので港や漁船の写真を撮れませんでした。。残念。。)


枕崎駅


終着駅。。。


枕崎お魚センター

枕崎といえば、なんといっても「カツオ」ですね。お土産を見繕いながらお店の人に「酒盗」と「塩辛」の違いについて伺うと、「酒盗」主にカツオの胃袋(ガツ)で、「塩辛」は胃袋だけでなく、腸や幽門垂(人間でいうと膵臓かな?)も一緒に漬け込んだもので風味は塩辛の方がキツい。。だけどあまりしっかり区別はしていないとのこと。。そんな話をしているうちに、地元の方が塩辛を買ったので、ワタクシもそっちをいただきました。「え?こっちでいいの?」「何事も食べてみないとわかりませんから。。」「そだね」


かつおの塩辛(病みつきになりそう。。)

結局枕崎での活動はカツオの塩辛と出汁の素を買っただけになってしまいましたが、以前レンタカーで旅をしたときに寄れなかった港に来れただけでも来た甲斐があるというもの。
ちなみに、塩辛はそのままではさすがにちょっとキツいなと思ったのですが、クリームチーズとマヨネーズに合わせると、うまい美味い。。酒がいくらあっても足りなくなります。。まさに酒盗。。ぜひ、お試しあれ。

今回は焼酎の酒造りについて、勉強になりました。天賦はもちろん美味しいけど、ワインも焼酎もいろいろ試してみたいですね。


枕崎駅前


おみやげはかるかん饅頭(明石屋のHPより)

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