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子どもが産まれてやっと私の2024年がきた。

年が明けて早12日経った1/12の明け方、計画無痛分娩で2348gの女の子を出産した。

正直この子が生まれた年に起こった出来事は、いろんな記憶と結びついて一生私の脳内に残り続けるだろう。

2024年1月1日。石川県を大きな地震と津波が襲った。
その次の日の2日。日本の玄関口である羽田空港でこれまでみたこと無いような重大インシデントが発生した。

正直言って不安しかなかった。
もちろんあの時は日本全国民が不安しかなかったと思うが、私は年明けすぐの検診で計画入院日が決まるという直前のタイミングだったこともあり、さらにナーバスだった。

それまでも「あと○○日」というマタニティアプリの表記を見るたび内心不安とワクワクが交差していたのだが、100日を切ったあたりから不安が強かった。

なのでなるべく他の人の(怖そうな)出産レポは読まないようにしていた。

そして「まだ産休に入ってないし」「まだ最後の実家帰省が残ってるし」「まだ最後の母親学級があるし」「まだクリスマスが〜」「まだ年末年始が〜」と幾つもの「まだ○○の楽しみがあるから〜」を繰り返して、ついに年末年始を終えてしまうタイミングだった。

もうあと2週間ほどで生まれるというのに。
まさかそんなタイミングでこんな重大な出来事が起こるだなんて。

幸いにもこの大災害と重大インシデントは私の出産とは直接の関わりはない。
けれども目に見えない不安が、言葉にならない不安が、日ごとじわじわと襲ってくる。

私が過度に不安にならないように、夫は口には出さなくても意識的にテレビのニュースを切り替えてくれた。
その優しさがまた身に染みて泣いた。

年末年始は夫も休みだったので2人でゆるゆると大掃除をしたり、録画していた番組をダラダラ見たりして過ごした。

けれど問題は夫の仕事が始まってからだった。
当然家には私1人。
身重だし、外出して風邪でももらうと大変なので、下手に家からも出られない。
テレビをつけたら悲しいニュースが舞い込んでくる。
SNSを見てもいろんな情報にまみれてしまう。
とはいえ家に1人で、音がなにもないとまた色々と考えてしまう。

産休に入ったころからいざ陣痛が来た時の呼吸法としても使えるように、寝る前の瞑想を日課にするようにしていた。
瞑想をすることでだいぶ落ち着くこともあったが、少しするとまた不安が襲ってきてしまう。

そもそもなんで自分がこんなに泣いているのか分からない。

お腹の中で動いている我が子の胎動は変わらず愛おしい。
毎日頑張って生きて、生まれてこようとしている意志すら感じる。
私はそれを感じながら、夫との残り少ない2人時間を楽しんで暮らしている。

でも同時にどこかで「ああ、この胎動もあと少しなんだな」という寂しさと、「ああ、この2人の穏やかな時間もあとわずかで、産後は喧嘩が増えたりするんだろうか」という寂しさがあった。
そしてそう思ってしまう自分に少し自己嫌悪したりして。

「もうこれは最後のマタニティブルーだ。全てホルモンバランスのせいだ。」
そう分かっていても次から次へと泣けてきて、結局最後の1週間は多分ほぼ泣いていた。

計画入院の前日。
前の日くらいは泣かないようにしていたけれど、やっぱりダメで、ふと思い立って夫にこれまでの感謝を伝えた。

「夫のおかげでここまでこれたこと」
「夫がいたからこの子に会えること」

正確には半分も伝えられてなかったかもしれないが、なんだか今伝えておかないといけない気がしたのだ。
「出産は命懸け」が脳裏によぎったのもあるが、無事出産した後も産後のメンタルでは同じような言葉を伝えられる自信がなかったから。

出産の瞬間は夫も立ち会えた。
本当は計画入院だったので朝イチに促進剤を入れて早くても昼頃に生まれる予定だったのだが、予想以上に陣痛が早くきて、結果的に夫を夜中3時に呼び出した。

次の日の昼生まれると思っていたのでその予定で仕事を休みにしてくれていた。

そのために前の日夜遅くまで仕事をしていたのが功を奏した(?)のか、本人曰く「もう少しで寝落ちするところだった」タイミングで私が電話をかけたらしい。

出産直後、助産師さんが私の携帯を持って夫と生まれたての子供の2ショットを撮ってくれていた。
これは前もって私が出していたバースプランの1つだった。

夫が「どっちでもいいよ」と言っていた立ち会い出産を私が希望した理由に「出産がどんだけ大変なのか、目の前で見ていてほしい」という気持ちもあったが(笑)「夫がいなければ生まれてこなかった子供との写真を残してあげたい」という気持ちもあった。

結果的にとてもよい写真になっていて、早速携帯のアルバムのお気に入りに登録した。

(ちなみによくある3人の写真も一瞬悩んだけれど、個人的に私のゾンビみたいな顔は残しておきたくなかったのでそれはやめておいた。笑 これも結果的にやめておいて良かったと思っている。笑)

今は生まれてまだ助産師さんたちに預かってもらっている状態。

今日少しだけお世話をしてみたのだが、想像以上に気にかけることが多く、数時間ですでに少し参ってしまった。。
「この気持ちをnoteに残しておくには今しかない!!」と産後2日目にもかかわらずこんなことを書いている(早く寝た方が絶対にいい。笑)

それでも私の中で子供を産むまで来た気がしなかった2024年が、やっと来たこの瞬間の気持ちを残しておきたかったのだ。

子供を産んでやっと、私の2024年がきた。

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