失ったもの、戻れない時、離れていった何か。
金曜の夜は未練たらしくそんなものを振り返っていきたいと思います。

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「全身全霊で何もかもに傷つけられてた心」

たまに思春期を思い出す。
自意識が鋭敏で、私のことを言われてる？もしかして今私すごいダサいこと言った？といつも気にしていたあの頃。

勝手に被害妄想して、何もかもに傷つけられてた。それはもう、全身全霊で。

だんだん歳を重ねて、鈍くなることを覚えて。
世界は、世間は自分のことなんてどうも思ってないって気づくのに、だいぶ時間がかかったな。

今だってそういう感情から完全に解放された訳ではないけれど、随分楽に生きていると思う。

あの頃の小さな自分を思うと、胸が痛くなる。
そんなことくらいで、消えたいなんて思わないで。
可哀想で、可愛い昔の自分。

一方で、その鋭敏さを失ったことが、致命的にも思えたりする。

前にも似たようなことを書いたけれど、そんな心の痛み度合いこそが、人生への感度な気もするから。

でも、不可逆だ。

どんどん厚くなる、心の衣みたいなものを落として、鋭敏さを取り戻すことなんてできない。

もう、戻らない。
その切なさを、噛み締めてみたりします。

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