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詩 祠から綻び

密やかなるもの エゴイストの投石に 忘れず儀礼は続く
苔と地衣類の這う また忘れられた  祈りとは虫たちの流れ
紙魚が文字を喰らって わたしたちの世界 アトモスフィア

ひらいた本の全て ただただ神の戴 忘れてくれるな

密航者の中に紛れ 左側だけを通り
またはその礎となる 人は柱、神も柱

妙なる空気の流れに詰まる くぐもった叫び

文字は伝える先からその先を失った
底冷えのする冬の楽しみがなくなってしまった
祠へは幾度となく 冷たい風が吹いている
それは凪いでいるように、それは哭いているように

蓋をしてしまった いつまでも忘れられないもの
 いつでも這い回るもの あおあおとした森林と山の中へ
  あの透き通る青と暗い緑と太陽のグラデーション

そんなシンプルなものに救いが
どんなディンプルも渇いた火口に 燃え立つ日々の啓蒙
脚が折れる 膝が折れる 腕が折れる
風が吹いた 一面に崩れ落ちた
食われた文字で この足元が 落ちた


釘を打ち込み打ち込まれる。 そんなところです。