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著名建築家ホテル①② 丸福樓

ホテルの魅力としてホスピタリティと双璧を成す、建築や内装デザインの美しさやユニークさ。ということでまとめている、泊まれる建築シリーズです✨

丸福樓(2022年開業)

世界の任天堂がまだ "かるた・花札を販売する会社" だった1930年に建てられた社屋。南側から事務所創業家の住居倉庫と北にむかって町の一角を占めていて、この事務所の一部を解体して修復し、新しい棟も増築。

完成まで4年の歳月をかけた大掛かりなプロジェクトを監修したのは安藤忠雄さんで、古い建物の間にシグネチャーのコンクリート打ちっ放しが。昭和初期のタイルステンドグラスとのコントラストが際立つ新旧折衷✨

ここに泊まると決めたら、きっと最初にして最大に悩むだろう客室選び。既存棟新築棟に分かれた全18室のうち7室がスイートルームだけど、ご多分に漏れずスイートまでしっかり予約で埋まっていくそう。

贅沢なスイートにするか、手始めは下位タイプから攻めるか… 両者の価格差が意外と小さくて(あくまで相対的にということだけど)それがスイートまで満室になる理由かも。

たとえば既存棟のジャパニーズスイートは創業者のかつての住居部分。ベッドのある洋室と露天風呂つき和室で構成されていて、保存のため見学のみになりそうな場に泊まれるというのが貴重✨

ホテル名でもある昔の屋号を冠した丸福樓スイートは客室の半分ほどがテラス(ルーフトップ)で、その掃き出し窓から差し込む陽を感じながらくつろげるリビングエリアは既存棟に属し、ベッドエリアは快適な新築棟に属していて、完璧な配分のハイブリッドルーム✨

昔の客間に当時のタイルや装飾が残された既存棟スーペリアキング33平米は最後まで迷ったけど、やっぱり新しさは譲れなくて、トップの写真にした新築棟キングルーム40平米を選択。新築棟は邪道かと思ったけど、客室以外の館内を自由に見て回ることができるから、新築棟の客室でも大満足。

既存のクラシックな建物に突然コンクリート打ちっぱなしのエレベーターホールが出現する感じはザ・安藤建築という感じで、ファンならむしろこちらを選ぶといいかも。

滞在中の食事はもちろん、ラウンジでの軽食や飲み物、客室内のミニバールームサービスまで全て含まれたオールインクルーシブということで開業当初は1泊10万以下にはならない強気の価格設定。ところが最近は食事なしのリーズナブルなプランも出現していて、公式サイトでは既存棟のスーペリアキングが5万円以下の日があったり。”食事なし” と表記されているものの、ラウンジでのおつまみやドリンク、夜食に客室のミニバーは込みのお値段。

レストラン carta. でのコース料理が含まれているかどうかがいちばんの違いで、朝食と夕食をつければ価格はそれだけ高くなる。でも!素泊まりでも価値のあるホテルだけど、レストランまで体験して初めて丸福樓での滞在が完成するという印象✨

文化的価値の高いホテルに泊まると、美術館を訪れたみたいにグッタリ消耗しがち。得るものが大きいだけに、癒しは二の次。でも、その疲れた体を carta. が下支えしてくれているようで、食体験の楽しさもさることながら、素直に体が喜ぶ食事をいただくことができました✨

まだまだ語りきれない丸福樓の魅力。長くなってしまったので、レストランについては別の記事にしようと思います🤗


・トップの写真は公式サイトのものを利用しています


新たな視点がもてたり、世界が広がったり、楽しい気持ちになりますように・・✨