ままならぬまま半年

noteがすっかりご無沙汰であった。
気付けば前回の投稿から半年が経とうとしている。

半年前は新しい仕事が始まったばかりで「多少出来が悪くてもそこそこの社会人を気取ろう」くらいの意気込みがあった。低脳なりに頑張ろうと思っていた。今では無能であることがすっかりバレてしまって、毎日「はやく殺してくれ」という気分で職場にいる。同僚も毎日「はやく死んでくれ」と思っているだろうか。いやぁすいません。

ここまで書いておいてさぞ鬱々とした状況かと思うだろうが実際はそうでもない。私がほんとうに仕事が出来ないことや、そんな私を同僚が疎ましく思っているという揺るぎない事実を前にしても、図太く淡々と日々を過ごしている。歳をとったせいか開き直るのが少し上手になって「あと半年したら少しはマシになるからそんな怖い顔しないでくださいよ〜、どうせ給料安いんだし〜」なんてことを考える余裕のようなものが出てきた。社会人としては非常によろしくないが、純然たる社会不適合者な私が月曜から金曜までを乗り越えるにはこれくらいのマインドでいなければやっていられないのだ。実際のところ給料は安いし。ほんと安いし。

先日10年来の友達からの呼び出しに応えて一泊旅行に行ってきた。この旅行は毎年の恒例で、主催者の同級生を中心にした10〜20名程度が集まり、どこかしら(大抵は主催者の地元福島)のコテージを数棟貸し切って明るいうちから夜中まで呑み倒す、という趣旨のものだ。内容だけ聞くといい歳こいて大学のサークルかよと思われるだろうが実際もそんなところなので何も言えない。

この通称「合宿」も、ここ数年はコロナで中止されていたので久しぶりの開催だった。前に会った時はようやく喋り始めたような子供がスプラトゥーンの達人になっているなど凄まじい成長を見せる反面、大人たちは相変わらずの体たらくで、飲みきれない量のお酒を買い込んでまたやっちまったなぁとか言ってゲラゲラ笑っている。そんな様子にほっとしたりヒヤヒヤしたりしながら過ごした。

子供とその付き添い数名が別棟で眠る時間になると、これもまた恒例の、主催者による「お前らは10年後どうなってたい?」というインタビューが始まる。酒が回った証拠である。毎回全員がしょーもねぇなぁーとか言いながらも答えていく。

子供の成長が楽しみだとか仕事で昇進するぞとか、資産運用がんばるよーとか、年相応の答えがあがるなか私はどんどんいたたまれなくなって、タバコを吸いにベランダに出る。皆すごいな、私なんか家族も仕事もお金もなんにもないもんな、と思う。どうして私ここにいるんだろう。部屋に戻ってからも私は酔っ払ったふりをして質問をはぐらかした。そのまま1人2人と眠りにつき、翌朝になってから散らかった部屋を片付けて皆解散した。

数日して主催者から「で、お前は10年後なにしてんの?」とLINEがきた。やっぱり逃がしてくれないんだよなぁと諦めて「10年後には親が死んでると思うから、葬式が終わった時に姉ちゃんと打ち上げします。あと私は自分の葬式のティザー広告を出すのが夢なので突発的に死なないようにしたいです」と答えておいた。いい夢だね、と返事がきた。

10年後も私はこの職場にいるのか(いれるのか)。相変わらず無能のまま安月給でひいひい言いながら歳だけとって生きてるのか。不安しかない。それでも明日も出勤するしかない。ままならん。

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