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現役銀行員が考える。これからの銀行像について~読書記録vol.13~

頭取と1時間も話すことになりました。

しかもお題は、銀行の将来像について

「サステナビリティ」、つまり持続可能な会社ってどういうのだろう?というところから考えてみた今回のお題。

手始めに色んな本を読んでみました。

ということで、今日はこれからの銀行像について考えるために読んだ5冊のご紹介。

◆10年後、君に仕事はあるのか?

このために読んだ本5冊の中で、一番お気に入り。そしてオススメ!!

ロングセラー『ライフ・シフト』で人生100年時代が主流となった今。先の読めない不確実な時代において、自分らしく幸せな人生を歩みたい。そのためには、今のうちからどんな力を養えばいいのか。

ということが書かれています。もちろん、唯一の正解はありません。しかし、『ライフ・シフト』で描かれる未来と、目の前の一歩とつなげるための本です。

これからの時代に必要な「生きるチカラ」は基礎的人間力を土台にして、情報を処理する力と、情報を編集する力の積み上げが必要と著者は言っています。特に、情報を編集する力の重要性が増していく。そして、その情報を編集する力が高い人の共通点は「遊び」と「高い戦略性」。

情報を編集する力とは、正解がないor正解が1つではない問題を解決する力のこと。『まるで本の編集業務のように、コンセプトが実現できて、編集者と著者の両者が納得できる解、納得解を紡ぎ出す力だと言える。』

そのためには、以下の5つのリテラシーを身につけることが大事だと言っています。コミュニケーション、ロジカルシンキング、シミュレーション、ロールプレイ、プレゼンテーション。そして、複数のコミュニティで「ナナメの関係」を築くことが大切。

ここについては、色々と書きたいことがあるので、また別の機会に読書感想文を書きたいなぁと思っています。


◆10年後の働き方

一言でいうと、今回の「銀行の将来像について」考えるには、ちょっと違った本だったかも、という感想。

毎年アメリカで開催されるビジネスイベントでは、多くのイノベーティブな技術が発表されているそうです。人工的に「培養肉」を作る技術だったり、電力を有効活用するために家庭やビルをネットワーク化する「スマートグリッド」という省エネ技術だったり、タトゥシールのように肌に貼り指でこすることでPCを操作できる技術だったり。

銀行で応用できるイメージがわかなーい!!


◆10年後に食える仕事、食えない仕事

「限定されたルール、枠の中で最強の答えを見つける」という作業では、人間よりAIが圧倒的に有利。では、人間の強みが活かせる職業は何か?

それが次の5つ。
「創造ワーク」起業家、経営者、画家、彫刻家
「感情ワーク」介護福祉士、看護師、高級レストランのウェイター
「信用ワーク」交渉や説得ベースの記者、編集者、人事部員、コンサルタント、弁護士など。ここは多種多様にある。
「手先ワーク」一部の農作業、寿司職人など
「ボディワーク」警察、消防士、救命医、自然災害後のインフラ復旧にあたる現場技師

これは覚えておきたいなぁと思えた分類。この中では、銀行の事務はAIで十分、今の銀行業務の中で「信用ワーク」は残るけど、それ以外は残らなさそう。

◆銀行はこれからどうなるのか

FinTechにより、銀行は変化を迫られるでしょう。未来の銀行は次の4タイプに分かれる。「モバイル型」「プライベート型」「投資銀行型」「クラウド型」ふむふむ。この分類はなかなか参考になりました。

そして、今後の銀行の存在意義は、原点に帰る、と。つまり、銀行本来の役割「投資機会の目利き」、この価値を発揮できなければ生き残りは難しいだろう。海外の金融機関や小売りの動向を見ながら、頑張れ!って話でした。


◆「捨てられる銀行2 非産運用」

「森金融長官が進める資産運用の大改革で、銀行、証券、生保はどう変わるのか?」という帯に釣られて読んだ本。金融改革の2本の柱「企業・経済の持続的成長」と「国民の資産形成」のテーマに沿って、特に後者の話が書いてありました。

一時払い終身保険をかなり悪く言っていたので、そこはちょっと違和感がありましたが、「目先の利益にこだわり、顧客本位が言葉だけになっていないか?」という森長官の言葉は、常に頭に置いておきたいと思いました。

何より、日本の家計金融資産のうち50%以上は現預金。ちなみにアメリカは13%、イギリスは24%、もっと投資を身近に感じて欲しいなぁ、という想いが募りました。


ということで、これからの銀行像について考えるために読んだ5冊のご紹介でした。

特にオススメは、『10年後、君に仕事はあるのか?』『銀行はこれからどうなるのか』の2冊です!

「銀行はこれから大丈夫なのだろうか?」と漠然と不安を持っている現役銀行員の方、是非ぜひ読んでみてください!これからの銀行像について、ヒントを得られると思います。


<追伸>

銀行の変化と言えば、私が最近注目しているニュースは、これです。


(1960字)


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