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答え

先月末、大学院を修了した。

コロナが始まって半年くらいのタイミングで入学したこともあり、授業や研究室の活動はオンラインがベース。研究室の同期全員で集まれたのは、この日が初めてだった。顔も名前も知っているのに、生身の人間として対峙するのが初めてで、思ったより背が高いなあとか、不思議な「はじめまして」だなあ、とか、色んなことを思った。

やっと集まれたみんなで、修了後はどこで何をするのか、という話をした。
秋入学だったこともあり日本人は私だけなのだけど、母国中国に帰るという女の子を除き、みんな割とそのまま日本で就職するということがわかった。

前回の投稿で修了後の進路に悩んでいた話をしたが、あれから色々なところに顔を出し、話を聞き、調べ、ようやく結論が出た。

建築設計事務所で設計を仕事にする」というのが、今の自分が出したベストな答え。

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自分がつくりたい「いいもの」ってなんだろう。
ここ1ヶ月くらい、このことを考えながら、気になるデザイン事務所を調べたり、友人に聞き回ったり、お世話になった人に会いに行ったり、1000問ノック(まだ100問も終わってないけど)を書いたりしていた。

色々と考えた結果、今の自分にとっての「いいもの」の代表格は、住宅、店舗、什器(家具など)。改修など、「古いものを再解釈する」「大切に受け継ぐ」「循環を増やす」ことが、「いい」ということだと思った。

この分野に関して、以前から魅力的だなあと思っていて、何度か訪問したりコンタクトを取っていた会社(というよりチーム。会社なんだけど「生態系」と表現した方がしっくりくる感じのところ)があった。
そこは考えれば考えるほど、自分が理想とするものづくり・ことづくりをしている場所だなあ、と思う、憧れの場所。
新卒は募集していないと知っていたけど、いつか入るとしたらどんなスキルが必要か教えてほしい、と連絡すると、とても親切に答えてくれた。

この期間でもう一つ気づいたのは、少数精鋭すぎてプレッシャーを感じながら働くのは自分にとって良くないということ。
大企業で自分がどういう役割なのかが不透明なまま働くのが嫌なのは前からわかっていたが、人数が少なすぎても困るというのは新発見だった。

いくら建設的な思考で建築を考えていくと言っても、その大元のインスピレーションは直感から来る。そしてその直感は、焦りやストレスを感じた状態では機能しないということを、ここ数年で実感した。

・住宅と店舗の設計ができる
・改修にも携われる
・適度に責任があり、自分が果たすべき役割がわかる
・自分の個性・意見が活かされる
・事務所の雰囲気が和やか

これが、自分が最低限欲しい環境だということがわかった。

就職予定の事務所は、所員が全部で数十名。
幅広いジャンルの設計をしていて、年数関係なく意見を言える環境。プロジェクトが生まれたタイミングで、仕事量を見つつやりたい人が集まるシステム。
所員の方たちは色んなバックボーンを持っていて、個性的で面白い。優しい。
そして色んな働き方をしている。リモートで働く日がある人もいるし、副業や外で活動している人もいるし、そもそも違う国や土地で働いている人もいるらしい。

他の事務所にも漏れず、どうやら徹夜をすることも、土日に働くこともある。残業という概念もない。
以前の自分だったらそれに怯んでいたけれど、それでもいいから、ここでベースをつくりたいと素直に思えた。本当は徹夜を避けたいところだけど。笑
でも自分で工夫すれば、理想の働き方や暮らし方にドライブしていける可能性がある。慣れるまではそんな余裕ないかもしれないけど、徐々に自分がしっくりくるリズムで「いいもの」を生み出せるようになりたい。

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本当はこれがベストなのではなくて、実はもっとベターな答えがあるんじゃないか。何度か頭によぎったが、これ以上考えるのはやめることにした。いつも考えすぎて頭を抱えてしまうところあるし、実際に働いてみないとわからないことも山ほどあると思う。
悩んだ末に出た答えなら 15点だとしても正しい」しね、きっと。
(Mr.ChildrenのCENTER OF UNIVERSEって曲のフレーズ。完全に余談だけどとても好き。いつも桜井さんの言葉に救われてる)

「どこに入るか」も大事だけど、そこで「何をするか」の方がもっと大事。
「何をするか」に集中できる環境にはひとまず身を置けそうなので、就職までの間は、「何をしたいか」をじっくり考える期間にしたい。

出した答えを「正しかった」と思えるようにするのは、きっと自分だから。
そうできるように、準備できることはしておこう思う。

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