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着物とレコードと竹久夢二①


久しぶりに竹久夢二美術館へ


大正ロマンの画家と言われる竹久夢二が好きで、これまで何度か上野にある竹久夢二美術館に足を運んだ。

夢二の描く女性はみなどこか儚げで色が白く、華奢である。女性たちが纏っている着物や髪型も小粋でお洒落だ。繊細な色使いで表現された世界に触れるとただただうっとりする。

美術館ではそんな竹久夢二の作品が見られるのはもちろんだが、併設されている弥生美術館で今ちょうど「大正の夢、秘密の銘仙ものがたり展」とゆうものをやっているらしく、まともに陽の光も浴びていなかったのでふらっと見に行くことにした。

竹久夢二美術館に行くのは数年振り。前回どのように向かったのかさっぱり記憶にない。まずは千代田線の根津駅で降りた後、あまり当てにならないGoogleMapで目的地をセットする。おそらく歩いて10分かからない距離だ。

しばらく歩いて行くと、見覚えのある壁、というか石造りの塀が見えてきた。マップを見てみると東大の学舎とある。あれ。前に来た時もこんな感じだったけ・・とボンヤリしつつ壁沿いを歩く。すると趣のある東大の門の前に来た。目の前にあるのが竹久夢二美術館だ。

東大の前で思わず考えてしまったこと


ところで、ついこの前、国会で強行採決されてしまった#国立大学法人法改正案というものをご存知だろうか。

平たく言うと、政治(国)が大学の方針に口を出せる(運営方法や学長の任命など)ようにするという、全くもって危うさしかない改正案。野党や大学に反論する余地を殆ど与えず、我々国民への説明も殆ど為されないまま、国会が閉じる直前に採決されてしまった。

こんな半ば狂ったような法案が採決されようとしてるってことを、11月の中頃にTwitter(X)で知った。大学関係者や学生にさえ殆ど知られていないような状態でひたすらに(やばい・・・これはやばい)と非力ながらに拡散していた。

今の政治がもし大学を支配したとしたら一体何が起こるか。想像するのはそんなにむつかしくない気がする。

分かりやすく言うと、軍事国家へ向かって一直線。つまり戦争が出来る国になる、と言うこと。しかも稼げる大学にすると国は言っている。

稼げる大学って・・・?へ?学問を一体全体何だと思ってるの・・・?しかもこんなに重要なことなのにメディアには殆ど報道されていない。

その一連のことがこの時、東大の門の前でぶわーっと思い出されてしまった。もしここが国の支配下(思想や力全てにおいて)になったら、他の大学も、それに付随する様々な学校も、全ての若者は学校の勉強に一体何を求めていけばいいんだろう?これから日本はどうなっちゃうんだろう・・・

わたしは大学も行っていないし子どもも既に独立しているので、自分がなぜこんなに憤りを感じるのかちょっと不思議な程なのですが、それは学問の自由も、表現の自由も、根っこは同じだからだ。

学問が抑圧されれば、表現(言論、他芸術すベて)も抑圧される。言いたいことが言えない、そんな世界は死んでもいや。でも香港のように自由を奪われてしまう現実は実はすぐそこにあるのだ。

初っ端からちょっと固い内容になってしまいましたが・・・
展示は大変に見応えがあるものだった。大正から昭和初期にかけてタイムラプスを見ているような胸に迫るものがあった。気持ちの整頓がつかず一週間経ってようやく書いています。

次回から、展示の写真も交えて書いていきますね。

・弥生美術館「アンティーク着物の魅力再発見! 「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」展」2023年9月30日~12月24日
・竹久夢二美術館「明治・大正・昭和 レコードの時代と夢二の時代展 ~大衆を魅了した日本近代の音とデザイン~」2023年9月30日~12月24日


竹久夢二
竹久夢二


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