はじめに

今週のメディアで活躍する女性は脚本家の野木亜紀子さんです。

脚本家になられるまで

野木 亜紀子（のぎ あきこ）さんは1974年東京都のご出身です。

学生時代より演劇を始めるが、仲間の演技の才能に圧倒されその道を諦め、映画監督を目指して日本映画学校に進学されます。
その後ドキュメンタリー制作会社に就職され、取材やインタビューを手がけておられたそうです。
しかし現場に向かないことを自覚し、映像関連業界に関わる最後の目標として脚本家を目指されます。

亜紀子さんはフジテレビヤングシナリオ大賞に6年にわたって応募を続けられました。
36歳の時に『さよならロビンソンクルーソー』で2010年の第22回同賞にて大賞を受賞されます。
そしてそのドラマ化作品で脚本家デビューを果たされます。

脚本家としてのご活躍

その後、
2012年　『ラッキーセブン』、『主に泣いてます』とフジテレビドラマの脚本を手掛けられます。

翌年2013年
映画『図書館戦争』第1作

テレビドラマ『空飛ぶ広報室』（ともに2013年）と有川浩氏原作の映像化脚本を続けて手がけられます。

有川氏には原作を正しく読み解いた上でエピソードを取捨選択する手腕の確かさを高く評価されたそうです。

2015年は
TVドラマ
図書館戦争 BOOK OF MEMORIES（2015年10月5日、TBS）
掟上今日子の備忘録（2015年10月期、日本テレビ）

映画
図書館戦争-THE LAST MISSION-（2015年10月10日公開）

俺物語!!（2015年10月31日公開）
で脚本を担当されました。

2016年はドラマは
重版出来!（2016年4月期、TBS）で
東京ドラマアウォード2016 脚本賞を受賞されています。

また　逃げるは恥だが役に立つ（2016年10月期、TBS）が大人気となりました。制作陣が明かすドラマの舞台裏話満載！ 逃げるは恥だが役に立つ シナリオブック（2017年5月、講談社〈KCデラックス〉）も翌年出ています。

映画はアイアムアヒーロー（2016年4月23日公開）の脚本を手掛けられています。

どちらも漫画・小説を原作とする実写映像化作品の脚本でした。
原作ファンの批判の対象となりがちな漫画・小説の実写映像化において、原作オリジナルのエピソードに独自のつなぎのエピソードも適切に加えつつ原作の魅力を損なうことなく実写映像化作品としてまとめ上げる手腕が高い評価を得ておられます。

『重版出来!』で演出を担当した土井裕泰氏の強い薦めで亜紀子さんはオリジナル作品に挑戦するようになられます。

以降2018年には『アンナチュラル』、『獣になれない私たち』、『フェイクニュース』のオリジナル作品を世に出されます。

2018年のオリジナル作品の『アンナチュラル』は東京ドラマアウォード2018脚本賞、コンフィデンスアワード・ドラマ賞年間大賞2018脚本賞、平成30年度（第69回）芸術選奨文部科学大臣新人賞放送部門、第7回 市川森一脚本賞　の各賞を受賞されています。
『アンナチュラル』では法医学という馴染みの薄い重い題材を社会問題も巧みに織り交ぜつつユーモアを交えた会話劇や魅力的なキャラクターにより明るくポップな空気感に仕上げ、さまざまな要素を盛り込みながらも散漫さを感じさせない高い構成力、潜在能力が高評価を受けて受賞にいたったそうです。
また『獣になれない私たち』で第37回 向田邦子賞も受賞されています。
獣になれない私たち シナリオブック（2019年4月、河出書房新社）ISBN 978-4-309-02770-8も出版されました。

2020年には『コタキ兄弟と四苦八苦』（2020年1月期、テレビ東京）、『MIU404』（2020年7月期、TBS）といったオリジナル脚本作品を執筆されます。

MIU404（2020年7月期、TBS）は第105回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞を受賞されています。
MIU404 シナリオブック（2020年12月、河出書房新社）ISBN 978-4-309-02933-7も出版されています。
また映画罪の声（2020年10月30日公開）でも第44回日本アカデミー賞
2020年 最優秀脚本賞を受賞されています。

2021年は逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!（2021年1月2日、TBS）が放送され、映画犬王が公開予定です。

めぐめぐがすごいと思う野木亜紀子さんのこと

１ずっとメディアで活躍することを夢見て、様々なジャンルでチャレンジされ続けたこと。
２そして脚本家になるために何年も応募され続けたこと。
３そして原作を正しく読み解いた上でエピソードを取捨選択する手腕の確かさをきっちり完成された後、オリジナル作品でその基本を発展され、素晴らしい作品を毎年世に送り続けられていること。