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日経記事を経営学の視点から見るー「いずれTVショッピングの会社ではなくなる」QVC CEO

本日は『「いずれTVショッピングの会社ではなくなる」QVC CEO』を取り上げてみました。

QVCの取り組みは、個人的には今さら感を感じました。海外では大手テレビショッピング企業「HSN(Home Shopping Network)」や「QVC(米国本社)」は、オンラインストア、モバイルアプリ、ソーシャルメディアプラットフォームを活用し、顧客に多様なショッピングオプションを提供しているそうです。他の企業は、テクノロジーを活用して市場の変化に対応し、新しい顧客層を取り込むための戦略を進めており、QVCは遅れている印象はありますが、今後に期待したいです。ここでもAIを使ったパーソナライゼーションを進めてもらえると、今よりもっと購入しそうなものです。

記事の概要

QVCジャパンは、テレビショッピング大手で、2022年12月期には増収増益を達成。しかし、伊藤淳史CEOは、QVCが将来的にはテレビショッピングの会社ではなくなると予測しています。現在のQVCは、テレビを通じた商品販売に重点を置いていますが、伊藤CEOは、テレビのみに依存するビジネスモデルでは将来的な成長が難しいと考えています。QVCは、若年層へのリーチを拡大するためにポップアップイベントの開催、ショート動画やライブコマースの導入など、多様な販売チャネルへの拡大を図っています。伊藤CEOは、テレビ以外の販売チャネルを活用して、QVCをマルチプラットフォームの小売業に変化させることを目指しています。これにより、QVCはテレビショッピングを超えたビジネスモデルへと進化を遂げる可能性があります。

経営学の視点からの考察

経営学の視点からの考察を以下に示します。

多様化する販売チャネルとオムニチャネル戦略 - マルチプラットフォームへの進化

「テレビも販売チャネルとして持っているマルチプラットフォームの小売りとなる」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC262OY0W3A221C2000000/

ポーターの競争戦略理論に照らすと、QVCは差別化戦略を追求し、マルチプラットフォームでのオムニチャネル戦略を採用しています。これにより、顧客ニーズの多様化に対応し、新しい顧客層を開拓することが可能になります。

ブランドポジショニングの変化 - ブランドイメージの再構築

「QVCが考えるファッションや美容・健康トレンドなどの方向性があり、それに基づき商品を選んでいる」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC262OY0W3A221C2000000/

ケビン・レーン・ケラーのブランド資産管理理論に基づき、QVCはブランドのポジショニングを変化させ、新しい顧客層にアピールしています。特に若い世代へのリーチを強化し、テレビショッピングという従来のイメージから、よりモダンで多様なライフスタイルを提案するブランドへと変貌を遂げています。

テクノロジーの活用とイノベーション - デジタル変革と顧客体験

「直近で力を入れているのが、ショート動画やライブコマースなどの動画施策だ。ショート動画は実はオンラインだけではなく、テレビでも展開を始めている。」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC262OY0W3A221C2000000/

クレイトン・クリステンセンの破壊的イノベーション理論に基づくと、QVCはテクノロジーを活用してビジネスモデルを革新し、新しい顧客体験を提供しています。ショート動画やライブコマースを通じて、従来のテレビショッピングモデルを超え、デジタル時代の顧客とのより直接的なインタラクションを実現しています。

ポップアップイベントと顧客エンゲージメント - エクスペリエンスマーケティング

「そこで23年9月に、東京・表参道の人通りの多い場所で、ポップアップショールーム『QVC ウェルネスサロン2023』を展開した。ショールーム内では金銭を伴う商品の販売は行なわず、商品横にQRコードを設けECサイト上の商品ページへ遷移する仕組みとし、ECで商品情報の確認や購入ができるようにした。あくまで体験を重視したかったからだ。」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC262OY0W3A221C2000000/

ベレンド・シュミットのエクスペリエンスマーケティング理論を反映して、QVCはポップアップイベントを通じて顧客エンゲージメントを高めています。これらのイベントは顧客に対して、ブランドの物理的な体験を提供し、強いブランド忠誠心を構築するのに役立っています。


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