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ヤクルト投手陣による死球の原因分析

はじめに

両リーグ最多の58死球を与え、悪い意味で大きな話題となっているヤクルト投手陣。ここではそのうち半分以上、51.7%を占める4死球までの6投手について与死球の多い順に原因を見ていきます。
数字は2023年9/4時点までの数字となります。また、noteとか初めて使うのでつたないのは許していただきたい…


1.小澤怜史


小澤怜史 2023全死球

チームトップ、そしてリーグトップの8死球を出している小澤。彼の場合には原因は非常にわかりやすく左打者への制球。8つのうち6死球は左打者へのもの。また、5つがカーブ/スライダー系(うち4つは左打者へ)、残りの3つが抜き球で、ストレート系の与四球は0。おかげで死球となったボールの球速は低く抑えられています。
小澤の投球フォームからして、左打者のインコースへの、特に曲がり球は当たりやすい傾向にありそう。この辺りの制球ができるようになってくると先発投手としてのレベルはもう一段上がると思ってます。

2.木澤尚文



木澤尚文 2023全死球

木澤は5死球でチーム2位タイ。彼も原因が明確な一人で、右打者のインコースへのシュートの制球、このボールで4死球を記録。与死球すべてがカウント球で、ファールを打たせたいボールが死球となっています。
彼の場合にはその投球スタイル上、死球の球速が速くなりがちでしかも高めに抜けやすく、元々四球も課題の投手なので早急に改善したいところ。中継ぎなので死球率も高いですね。
内角に限らず、シュートの制球が悪いままだと「投げてみないとわからない」状態が続き、中継ぎでの序列も上がらないままかなと。
彼の苦手な対左においては、カーブやスプリットでカウント取るといった工夫もみられるので、死球のほうも改善してくれるのではと思ってます。木澤の場合、右打者抑えられないとどうしようもなくなりますしね。

3.ピーターズ


ピーターズ 2023全死球

制球のいいイメージのあるピーターズですが、死球では木澤とならんで2位タイ。大きく傾向が出ているわけではありませんが、他投手と比べて気になるのは追い込んでからの変化球。元々追い込める⇔決め球に苦労するタイプなので、追い込んだら厳しくいきたい、という意識はありそう。
球種でいうと、死球に限らず曲がり球が、曲がりすぎる/すっぽ抜けるシーンは散見されますね。上の二人と比べると死球率はレベルが違いますし、気にするほどではない気もしますが。
投球でいうと、1個決め球があると一気にエース級になりそうなので、(残ってくれたら)来季が楽しみですね。

4.市川悠太


市川悠太 2023全死球

問題の市川くんです。はっきり傾向が出ていて、右打者に対するシュートのすっぽ抜けです。フォームの特徴上顔付近に行ってしまうのもマイナスポイント。死球はすべてストライクのほしいカウント球で、死球率6%は正直やばいです。
が、全く期待していない、とかそんなことはなくて、個人的には悪くない素材なのにな、と思いながら毎回見てます。
彼の場合は何よりもコントロール。独特なフォーム、右打者に対するシュート、被打率.091の決め球フォーク、制球さえあれば阪神青柳さんのような高低を使える投手になる可能性はある…逆に言えば今のままだととても厳しい。この状態で一軍で投げさせたのもよくわかりませんが。
すべてのボールにおいて、もう1、2段階コントロールが欲しいです。

5.高橋奎二


高橋奎二 2023全死球

市川と並んで4死球なのが高橋奎二。出している死球のほとんどが右打者に対するカーブです。彼の場合には、基本カウント球のスライダーがストライク率41%、カーブでも48%の数字。変化球でカウントが取れないのは一つの課題ですね。死球とは直接関係ないところですが、今シーズンの高橋奎二はストレートの球速/空振り率ともに落ちているので、フォームの問題も多くありそう。
死球率的には並みなので何か気にするほどではないかなと。

6.小川泰弘


小川泰弘 2023全死球

一応4死球で並んでいるので入れました。意外なことに全部ストレート系なんですよね。死球率は6人でダントツの低さ。
正直、ヤクルトファンでなくても小川がノーコンだという人はいないでしょうが、一応いつもどんなストレートを投げているかを載せておきます。
8/31中日戦のものです。

小川泰弘 対左打者ストレート
小川泰弘 対右打者ストレート

普段、これだけ制球されている投手の投球が、いっぱいを狙って当ててしまう。「攻めた結果」って言葉が使えるのはこういうケースだと思ってます。小川の例もそうですが、12球団でみると、直球の球速が遅めで、制球で勝負するタイプの投手に死球は多くなりがち(調べてみると面白いです)。
問題は、一軍半の投手たちの死球をどう減らすか≒どう主力級の投手にしていくかだと思います。

おわりに

江幡球団専務が阪神側への謝罪で口にした言葉、「うちの投手の技術が低い」この言葉が全て。当ててしまった側としては「申し訳ない」以外の気持ちはないし、多分みんな、不甲斐ないな、って思っているのではと。
その上で、改善すべき死球の裏には各投手の改善すべき課題がある、というのは上で見た通り間違いないと思います。
このnoteにおける結論は、個々の投手における死球は各投手の苦手分野に原因があり、一人一人改善していくしかない、ということになります。
今シーズンのスワローズ投手陣は、初めてのNPBだったり、初めての先発ローテだったり、中継ぎでも初めての役割だったり、はじめての経験をしながら課題を克服している段階だと思っています。色々な意味で難しいシーズンになりましたが、今年苦しんだ分、死球で迷惑をかけた分、だれが見てもいい野球をして強くなってほしい、そんな願いで結びたいと思います。
ここまで、長文にお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。


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