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#TOKYO発酵めぐり vol.1 東京の発酵文化と甘酒屋さん

発酵大国と言われる日本。全国どこに行ってもご当地の発酵食品に出会うことが出来ますが、東京にも発酵蔵/醸造所が存在することを知る人は少ないのではないでしょうか。東京に点在する発酵スポットをめぐり、その魅力を紹介します。


皆さんこんばんは!
meguruの発酵担当よねです。

今月からは、東京にもこんな発酵文化や醸造所があるよー!ということをこちらの投稿を通してお伝えしていきたいと思います。どうぞ、お付き合いください!

▽東京にも昔ながらの醸造所がある!?

皆さんは東京にも実は日本酒蔵や醤油蔵があることはご存知でしょうか?
数は多くありませんが、現在まで続く以下のような蔵や醸造所があり、東京の食文化を守り伝えてくださっています。

一例)
醤油蔵  キッコーゴ(あきる野市)
日本酒蔵 澤乃井酒造(青梅市)
味噌蔵  糀屋三郎右衛門(練馬区)
甘酒販売 天野屋、三河屋綾部商店(千代田区)


発酵について学ぶまで、日本全国に味噌や日本酒の蔵があるイメージは漠然と持っていましたが、東京にもそれがあるとは考えたこともありませんでした。
これを読んでくださっている皆さんのご近所にも、意外と発酵蔵はあるかもしれません!
気になった方はぜひ調べてみてくださいね♪

▽江戸の街の発酵文化

「東京の発酵」をもう少し深掘りすべく、江戸時代まで遡ってみたいと思います。
今から約400年前に徳川家康が江戸に幕府を開き、江戸時代が始まりました。
1600年頃には15万人ほどだった江戸の街の人口は、1800年初頭には100万人に達したとも言われているほど急激に人口が増加しています。

江戸時代初期までは、日本の食の中心は関西地方でしたが、江戸幕府が出来、人口が増えるにつれ食の中心も江戸に移りました。その中で様々な食文化が生まれ、発達したことが予想できます。

「発酵」に絞ってみてみましょう。
江戸時代初期は、”天下の台所”大阪付近で作られていた酒・醤油・酢などが江戸に大量に運ばれ消費されていました。しかし、時代が進むにつれ味噌・醤油・酒などを江戸やその周辺で製造するようになります。関西の醤油は「薄口醤油」でしたが、江戸近郊で「濃口醤油」が製造されるようになり、その出現により「蕎麦つゆ」や「鰻の蒲焼きのタレ」など現在でもおなじみの調味料が完成したそうです。


▽神田明神前の甘酒屋さん

現在も残る発酵蔵・醸造所として、初回の今回は千代田区神田明神前にある甘酒屋さんを2件紹介したいと思います!

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神田明神


神田明神の門前には、今も2件の甘酒屋さん(麹屋さん)が残っています。順番に紹介していきます。

1件目は「三河屋綾部商店」さん。
江戸時代初期の1616年からこの地で営業されています。
(なんと創業406年!)

お店の方にお話を聞いたところ、江戸時代、江戸には全国各地から大名に仕える御用商人達が集まっており、三河屋さんも徳川家の御用商人であったので、三河から一緒にやってきてこの場所でお店を始められたそうです。

江戸時代には神田明神付近だけでも17.8件の麹屋さんがあったとも仰っていました。

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甘酒だけではなく、米麹・麦麹・納豆・味噌など、様々な発酵食品が販売されていました!


2件目は「天野屋」さん。
甘酒や麹などが購入できるお店の横にお茶屋さんも併設されていました。

こちらは江戸末期頃の1846年創業。
京都丹後の武士だった先祖が敵討ちのために江戸に出た際、ここなら敵に遭遇できるのはと、神田明神脇でどぶろくを売ったのが天野屋の始まりとのことでした。

天野屋さんは地下に「糀室(こうじむろ)」と呼ばれる麹を作るための設備を持っているそうです。
地下6mにあるこの室は、関東ローム層という保温と吸湿に優れた地質のおかげで年間を通しては麹作りに適した気温と湿度が保たれるそう。
東京のど真ん中、神田明神前の地下にそんな施設があるなんて、すごくわくわくしませんか!?見学は受け付けていないそうなのですが、いつか実際に見てみたいなぁと夢は広がります。

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▽次はどこの発酵スポットへ?

初回の「TOKYO発酵めぐり」いかがでしたでしょうか?
今回は、江戸・東京の発酵文化と、神田明神前の甘酒屋さん2件をご紹介しました!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

神田明神近くに行かれた際には、甘酒屋さんにもぜひ立ち寄ってみてください。


東京にも発酵スポットが点在していると思うと、街歩きも楽しくなりますよね・・!
次回はどこをご紹介しようかと嬉しい悩みもできました。

身近な発酵、暮らしの中の発酵を今後もお伝えしていきますので、
どうぞよろしくお願いします!

写真・文 / 米村さおり
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