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俺様を因数分解してみました


スポーツや演技に秀でたイケメンアスリートやイケメン俳優が
最近、相次いで自爆するように謝罪会見をする場面をよく目にします。

皆一応に、拘留され、出てきたときは黒いスーツを着て、髪も黒く清潔にセットされ「申し訳ありませんでした!」と頭を下げる。

この光景を見るたびに、「これは、既にプログラム化されているのではないか?」と思うほど皆、一応に同じ行動を繰り返します。


最近、謝罪された俳優さんやスポーツ選手など特に嫌いな人も好きな人もいませんが、全員がその世界では実力のある方ばかりなので残念だと思いこの一連の流れを考察してみることにしました。

成功している経営者の中には、カリスマ性があり、様々なスキルにも長けていて商才がある類まれな才能を兼ね備えた人たちがいます。しかし、皮肉なことに成功すればするほど、自分の上に誰もいなくなりいつの間にかヒエラルキーの一番上に君臨し、自分の意見こそが正しい「俺様」が顔を見せ始めます。ヒエラルキーとは、ピラミッド型の組織階級の身分制度の事です。

「俺様」の罠に取りつかれてしまうとこんな発想になります。


 自分のやり方が一番正しい。
 自分の成功を邪魔するやつは誰一人として許せない。
 ペースについてこれなかったり世界観が合わないと邪魔だから排除する。


なんとも、悲しい事ですが成功することで、ある時から道を逸脱しはじめ、自分を気持ちよくさせる「お世辞」やら「お金」やらしか受け付けなくなってしまいます。

「俺様」の本当の応援者は、それは、エゴを増長させる危険なものだと、気が付いていて注意をします。しかし「俺様」には、既にどんな言葉も届かないほどエゴという膜がびっしり貼りついているのでその言葉自体が邪魔で仕方ありません。

邪魔だから、サポートしているマネージャーさんを自分の担当から外したり、小言をいう人に暴力をふるったり、現実逃避の為に非合法の物に手を染めたりします。

そうなると、もはや誰も「俺様」を止める事ができません。

しかし世の中は、本当にうまくできていて「俺様」が永遠に君臨し続ける事は不可能なので次のステップに移行していきます。

それが、「失脚」です。そして、あの謝罪の場面になります。このループにまた入り込んでしまう人が非常に多いのでこのパターンに陥る原因を考えてみました。


過去にファッションモデルのマネジメントを10年弱やったことがありますが、生まれ付き美しい造形で生まれてきた人は、その美しさで成功を手にしやすくなる人も多いです。これは、俳優さんやスポーツ選手などにも同様の事が言え、表現力や感性が鋭くて人の心に訴えかける演技ができたり、身体能力が飛びぬけていて数々の大会で優勝したりできます。

もちろん、そこには努力もありますが、いわゆる平均の容姿や身体能力の人が同じ努力をしても到底たどり着けない場所であることも事実です。


それは、当たり前ですが素養が違うからです。いわゆるDNAレベルで備わっている装備が違う。だから人よりも早く秀でて成功を収めやすくなる。


決して、成功を収める事が悪いわけではないのですが、スピーディーに成功を収める人は人間的に成長する機会を失い「俺様」になりやすくなります。


「才能ある人が俺様になる」流れを①~⑩で整理してみました。

①美しさや身体能力を生かしてパフォーマンス
↓↓
②高い評価や成績をおさめ、社会的地位が向上する
↓↓
③「自分は、すごい」という自分至上主義の「俺様」が精神にはびこり始める
↓↓
④「俺様」が本当の応援者を切り捨て、エゴを増大させる
↓↓
⑤人を無意識もしくは、意図的に傷つける
↓↓
⑥見えない敵を作り始める
↓↓
⑦もはや自分が「俺様」にコントロールされ生き方が変えられない
↓↓
⑧自然の摂理と生き方が正面衝突をする
↓↓
⑨失脚し、社会的に責任を取る
↓↓
⑩エゴを手放してやり直す

人の脳の仕組みの中で習慣化された思考は、その人の物として根付いていきます。

昔は、素直ないい子だったのに、その人格が影を潜め、自ら形成してしまった「俺様」がその人を形成する中心にきて支配をしはじめます。いわゆるエゴを優先にしていく自己中心的な思想に支配され、まったく違う人になってしまいます。


「まばゆい光の蜃気楼の罠」と考えればわかりやすいかもしれません。

2020年11月7日現在、アメリカ大統領選挙の真っただ中で聞いた「レッドミラージュ」という言葉。トランプ陣営の票だと見えていたものが蜃気楼だという例えです。


人は、成功すればするほど、光の蜃気楼に目を奪われしまう。その成功体験があまりにも気持ちがいいとそれを失う事に恐怖さえ感じるのです。


「成功が光」とすると「失脚は、暗闇」かもしれません。華やかなまばゆい光には、反対に強い影がができます。それが、自然の摂理です。

太陽があり、月がある
光があり、影がある
男がいて、女がいる
人間も自然の一部である以上、どちらかの世界だけを生きる事はできません。

「俺様」たちは、みな一応に「自分だけは永遠に光の中にいる」という思想に憑りつかれてしまいます。これが光の蜃気楼の罠です。


「俺様」にならない方法があります。

それは、常に感謝をすること。ただ、「ありがとう」を言う事です。

失脚した「俺様」を非難したり叩いたりする事はなんの意味も持ちません。
大切なのは、ここからが本当に彼らの新たなステージであることを理解する事です。そして、それを邪魔せず温かい気持ちで見守る。


そんな世の中になることに思いをはせてこの記事を書きました。

本日もお読み頂きありがとうございました。

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