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ベビー・キッズのサステナブルファッション。オーガニックコットンはどれだけ「いい」んだろう。

環境意識に目覚めるきっかけの王道、第一子誕生。

最近は学校での授業やメディアからエシカルファッションやサステナビリティに目覚める方も多いですが、少なくとも5年前くらいまでエシカルファッションの顧客の王道といえば「第一子誕生をきっかけに未来に思いを馳せることで環境問題や社会問題に目覚め、服の背景が気になり始めた20-30代の女性」でした。「この子が大人になる頃・・・」と考え始めると、いきなり地球上におけるタイムラインがどんと伸びるみたい。そう考えると環境に配慮したオーガニックコットンのベビー服が多いのも納得ですよね。

とはいえ、私は準備期間も入れて過去10年ほどエシカルファッションにブランドとして関わってきましたが、その存在感は横目で認識しつつも今までほとんどベビーキッズ服に興味はありませんでした。だってモノが小さいし、使う布の量少ないから原料ー輸送ー廃棄まで考えても大人用ほどインパクトなさそうだし、流通するには化学物質の基準クリアしなきゃいけない法律もあるのでそもそも環境には優しそうだし、何より赤ちゃんとか子供とか何が必要なのかよくわからないし。

しかしそんな状況にも最近変化がありました。訳あって、というか子供ができまして、私が親になるなんてとんだ時代になったもんだと思いながらも、このまま何事もなくいけば来年早々小さい人間に服を選んで買って着せて洗濯しているという状況となりました。もともとエシカルファッションには詳しい方ではあったけれど、まさに第一子誕生をきっかけに「サステナブル」「エシカル」「ベビー服」をググりまくる30代女性と化したわけです。

ということで新たな局面。せっかくなのでベビーキッズとサステナブルファッションについて考えたことをシェアさせていただければと思います。

早速直面したのが、「サイズアウト」というベビーキッズならではの現実。成長が早く数ヶ月で物理的に服が入らなくなってしまうベビーキッズ服では、「気に入ったものを長く大切に着るのも立派なエシカルファッション」という大人にとってはとっても現実的な突破口が通用しません。数ヶ月で着れなくなってしまうベビー服にはどういう策が必要なんだろう?と考えれば考えるほど、「素材をオーガニックに」といういちばんメジャーなアプローチに違和感が出てきました。(ファストファッションの大量生産大量消費の流れの中、スピードを変えずに素材をサステナブルにすることは本当に解決につながるのか?と同じ違和感。)オーガニックコットンだって大量の水資源を使って作られているわけで。生地使用量が少ないとはいえ、子供の成長に合わせてどんどんオーガニックコットンの服を買って捨てていたら元も子もないですよね。お財布的にも大変そう。

(もちろん素材をサステナブルなものに変更することは絶対に、しないよりもしたほうがいい。普通のコットン使うならオーガニックやベターコットンの方が良いし、そこにこだわる人や企業も尊敬。「あれをやってるけどこれをやってないからダメ」なんて批判はしないことに決めているんだけれど。)

とにかく、そんなこんなでサイズアウトの現実があるベビーキッズ服を大きな視点からサステナブルにするには、素材を変えるアプローチよりもまずは流通を変えるアプローチの方が効果があるんじゃないかと思い至りました。(そして最終的には両方変えるのが理想!)

と思って調べていると・・・日本でもありました!


ひとつめはキャリーオンというサイト。こちらベビーキッズ服を買取・販売するブックオフみたいなシステムですが、子供の成長に合わせて服を他の家庭とどんどん回していける素晴らしいプラットフォーム。基本ブランドものに限っていて、ある程度のクオリティとデザイン性が担保されているのも個人的には探しやすくて好き。買い取ってもらうのも、箱に詰めて送るだけ。

もちろんメルカリも大いに活用できるけれど、出品するにはきれいな写真撮ってコメント返信して、価格交渉されて、発送してetc. 数が多くなると負担が大きい・・・ということでアイテムを選んで、活用します!

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それからアパレル大手のアダストリアが展開する3-5才向けファッションシェアリングサービスのKids Robe。こちらは月額980円で好きなアイテム8点を借りられるシステム。もう着ない服を送ると借りられる点数が増える仕組みです。こちらは服を送るときにその服にまつわる思い出も一緒に送って次の人にシェアすることもできます。大変なことも多いだろう子育て、こういう繋がりが助けになったりするんだろうなぁとも想像します。

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あとはサービスではないけれどオーソドックスなところで、周りからのお下がり。ちょうど周りに趣味が合い、シェアできるような月齢の子供がいる友人や家族がいればぜひぜひ回していきたいですね。まだ行ったことないけれど区や市の児童館のバザーとかも侮れないらしい・・・。

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番外編

これは流通とか関係なくて素材とデザインのアプローチだけれど、そもそものサイズアウト問題を別角度から捉えた天才を発見。両方向へのプリーツで子供と一緒に大きくなっていくロンドン発の服、Petit Pli。なんと9ヶ月から4歳まで同じ服を着られるという!素材もペットボトルのリサイクル。
今どれだけお腹が大きくなっても対応できるISSEY MIYAKEのPLEATS PLEASEをマタニティウェアとして愛用しているわたくし。プリーツ恐るべし。Petit Pli 買おう。
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↑と、探せばオーガニックコットン以外にもいくつかサステナブルなベビーキッズ服への道筋もありそうですね。海外では月齢に合わせたサブスクリプションサービスがあったりするんですが、それを航空便で日本とやり取りしていたらそっちのCO2排出量が大変なことになりそうなのでここでは割愛。生まれたら、成長に合わせて上のサービスや商品は試してみます。とはいってもまだ想像の域を出ないし、実際始まったら違う視点も出てくるとは思います。

先輩方、良い情報があれば教えてください!


↓ベビーキッズ関連の記載はほとんどありませんが、大人向けサステナブル、エシカルファッションについての勉強会「めぐるファッションラボ」の内容をまとめたマガジン。
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