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踊るという事を通してその場とひとつになるアーティストKimikaさん

自らの怪我の経験を通して、色んな人のフォローをしたいし諦めないで取り組める活動をサポートしているアーティストであり指導者でもあるKimikiさんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地:静岡県浜松市
活動地域:東京、静岡県浜松市
経歴:幼少期よりモダンバレエ、後にクラッシックバレエを学ぶ
大学文学部卒業後、専門学校夜間部にて舞台芸術学ぶ
フリーのバレエダンサーとして活動しながら、15年以上クラッシックバレエ教師として幼児から大人まで幅広く指導
2012.12.10大人の為のバレエクラス「Le Ciel Ballet」設立
カルチャースクール、中学高校のダンス部にて子供のバレエ指導
座右の銘:座右の銘というか、心掛けていることです。できるか、できないかで判断しない。やるか、やらないか、自分の心に問うだけ。

それぞれの可能性を伸ばしたいんです。

記者:本日はどうぞよろしくお願いします。どのような夢やビジョンをお持ちですか?

きみかさん(以下、きみか 敬称略):踊ることで心が自由になる瞬間をみんなと場で共有したい。その瞬間、何でもOKだし何でも許されている、愛に満たされてると思うんです。人それぞれみんな持っている可能性を拡げてほしいんです。自分の中でできるできないと決めていくような生き方じゃなくて。
全然踊ったことのない人が「あ!なんかちょっと私も踊れるかもしれない」って私の踊りや指導で気づいてもらえる事が一番嬉しいし、別にそれだけじゃなくても、それぞれが可能性を見つけて、心持ちをみんなが持てるようになったら、芸術というものがもっと日本で広がるんじゃないかなと思うんですよね。

記者:それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

きみか:バレエに携わりたい人って世の中に沢山いらっしゃると思うんです。私はバレエに携わることによって、身体的な変化もつくれたし、どんな場所にいてもバレエによって精神的に助けられたことが多かったですし、狭間狭間で助けてくださった先生もいました。同じように、仕事+バレエがあるから生きていけるという人とも出会うことがありましたね。
バレエに携われる身としては、最終的にはプロのバレエダンサーを育てることは幸せですし、私もその幸せが来れば嬉しいですけども、バレエのプロではなくてもバレエをすることで何か満たされるというところの人たちをフォローしていきたいという気持ちがすごくあります。

それから、2年前からアーティスト活動をしています。指導とは違い舞台では私だけが表現しているものではなくてその場所の環境だとか、観ている方からパワーもらったり、またもらったものを私が出すことによってその観てる方がただ見てるとは違うものを感じて貰えたらという思いで表現しています。
指導する事とパフォーマンスをしていくということを両方一緒にする事で、体も心もどちらの面でもパワフルになれることができて、今の形になりました。

記者:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような活動をしていますか?

きみか:指導している中で、年齢の壁や怪我の壁が、自分が思った以上に大きいことに気づいて、体に負担にならないようにするにはどうしたらいいのかというのをすごく探したんですね。それを補えるひとつのツールになるのが床バレエなんじゃないかなと思い、始めようとしています。

記者:どのような出会いがあって、床バレエに辿り着いたんですか?

きみか:5年ぐらい前にお腹を切って悪いところ取る手術をしたんです。開腹手術の経験は初めてでした。医師からは「ぱかって開かないように気をつけてね」と言われてたんですが、その指示を守らずにレッスンしたり舞台に立っていました。その時は踊れていたのでケガのリスクをあまり分かっていなかったのですが、結局半年後に急に膝が悪くなって、そこから2ヶ月ぐらい歩けなくなってしまったのでMRI 撮ったのですが、原因がわからず、ただ医師からは「たぶんもう休めってことだろうから休みなさい」と言われ、やっと半年後に膝が治って復帰しました。そしたら今度は腰が悪くなって、やっぱりそれも原因がわからず、医師から「ちょっと休みましょう。」と言われました。
その後ちょっと良くなり舞台に立てるまで復帰出来たので、オーディション受けました。その舞台のリハーサル中に捻挫してしまったのですが、何とか本番を乗り切ったということがありました。


そんな繰り返しを5年前ぐらいから3年間ぐらいずっとしてきて、自分の体の不調やちょっとの痛みを感じたとしても踊りたい気持ちを優先させて怪我のリスクのことは考えてなかったりとか、頭では分かっていつつも、今がいいならいいやと踊ってました。
そんな自分の経験から、体に負担をかけないで踊るためには何を気をつけたらいいのかがわからないという人の役に立ちたいと思いました。

記者:その発見や出会いの背景には、何があったのですか?

きみか:私には師事している先生が二人いて、一人の先生はとにかく怖いんですよ。 その怖さは、色々な意味ですべてを見透かされているような怖さで、その怖さが自分の為と思えるんです。例えばその日のレッスンで1回も注意をもらえず先生と目が合わなくても、先生が見てくれている信頼がある先生で、だから私はただレッスンに集中してればよくて、注意を1個ももらわないからといって先生に見てもらってないわけではなく、今は注意をすべき時じゃないから注意や何も言われなくても頑張りなさいという時なんだと。
先生は余分な事は褒めない。1回も褒めないわけではないんですけど、気分を上げるための褒めはしない。だから、褒められたら本当にOKなんだなと思える。それが私にとって信頼に繋がり、本当に良くないと褒められないけど、褒められたものに関しては、もうできるているからそのまま受け取ればいい、だけどできてないとこは本当にできてないんだと、何も言われないことはまだ自分で考えて自分でやらなきゃいけないんだと、的確に伝えてくれたので、褒めるのが少ないのは成長したい自分としてはすごく信頼できたことです。
指導する上でも、信頼関係を生徒といかにして築いていけるかというのがすごく大事だなと思います。

記者:その発見や出会いの背景には、何があったのですか?

きみか:私が師事している二人の先生に共通しているのは、私よりもひとまわり近く年上でもう50代後半の方たちなんですが、2人ともまだ踊ってらっしゃるんです。まだ全然遜色なく踊ってるというか、2人とも表現するものがむしろどんどん良くなっていったりしている。そういう風に、年齢とか環境とかを理由にしないで、自分の生きる道に言い訳なく真摯に取り組んでいる姿感じるんですよね。そういう風に感じる人には着いていきたくなるし、もしかしたら「もう踊りなんていいわ」みたいにな姿勢で教える先生だったら、そこまで信頼が続いてたかどうかは分からないです。

記者:先生の姿勢に惹かれたと言うことですか?

きみか:そうですね、教師としてだけではなく、ダンサー表現者としても尊敬してるからだと思うんですけど。どっちかではなくて。
先生の踊りをみると、生き方や乗り越えてきて今こうやって表現者として立って踊られているので、怪我から復帰したばかりの当時の私にとって「踊っていいんだ」って思えたんです。別に誰から踊っちゃだめと言われてるわけじゃないんですけど、やっぱり怪我が続くと「私踊っていいのかな」と思っていた時期がありました。そんな時みんな普通に生きてて私はこれだめなんだとか私はこれやらないほうがいいんだとか、本当はしたいのに自分でセーブしてることとか、本当はそんなことしなくていいのに自分で自分にバツを与えてるようなことが日常ちょっとずつあるじゃないですか。先生の踊りをみて、自分で自分を許しなさいと言うか、 全部いいんだよっていうことを、感じました。先生の踊りをみて愛に溢れていて指導されている事が踊りに集約されていて、先生から愛を受け取れました。
私は踊りでしたが、どんな職業の人でも愛を感じればやる気になりますよね。

記者:本当にそうですよねどんな仕事でも愛を使ってやれば、それが自分の為じゃなくて、相手の為、それ以上のものの為にやると伝わりますよね。

きみか:自分も生徒に愛を持ってやっています。先生の様にはまだ足りないかもと思うぐらい私には大きな存在なのですが、自分もそうなりたいです。

記者:先生から素晴らしい事を指導して頂いて、またご自身でも生徒さんに指導されると共に表現されてるんですね。
本日はお話し聞かせて頂いて本当にありがとうございました。

Kimikaさんの情報はこちら
↓↓↓
https://www.lecielballet.com/


【編集後記】

インタビューを担当した高橋、高山です。

アーティスト活動と指導する事がどんな風に繋がるのか、お話を聞いてとてもわかりやすかったです。これからも一人一人の可能性が開く社会づくりの活動楽しみに応援しております。貴重なお話ありがとうございました。





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