セピア色の桜
夜の公園、セピア色の桜が私を見ている
木から、こぼれ落ちる花びら
私の目から、流れ落ちる涙
今年の桜を一緒に見るはずだったあなたは
おらず
隣にいるのは、何の感情も持てない男
公園に来る前に、あなただと思って、私の身体を委ねて見たけれど、全く何も感じなかった
記憶に残るのは、部屋に置いてあった水槽の熱帯魚の群れが左右に泳いでいた
早くこの時間が終わるのを、ただ待つ私を
熱帯魚たちはどう見ていただろうか?
次、会う時は昼間の桜をみようとはしゃぐ男
その日限り、一夜限りの関係
その日以来、セピア色の桜は見ていない
山根あきらさんの企画
#青ブラ文学部
#セピア色の桜に参加させていただきました。
よろしくお願いします。
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