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「小説」愛田洋介が夢を見て奇跡が起きた、その後犬猫の殺処分がゼロに?(その1)

No 034
 愛田洋介は夢を見ていた、満開の桜を見上げていると空から紙切れが何枚か落ちてきた。
何かが書かれているその紙切れを拾ってみるとそれは数字だった、何この数字は?ともかくその紙を何枚か拾いポケットに入れて自宅に帰った。
帰ってそれを見ると6枚の紙に数字が書いてある、何この数字---もしかして宝くじの番号?

洋介は長い間宝くじを買っている、と言っても使う金額は月に3,000円程度
勿論高額当選はしたことが無い。
「金持ちは宝くじを買わない」とネットで見たがそりゃそうだろう、宝くじの還元率は50%未満で競馬・競輪より低い。
金持ちがこんな還元率の悪い宝くじを買う必要はないだろう。
「金持ちは宝くじが儲からない仕組みであると知っているから」とあるがそれは誰でも知っているのでは?
宝くじ公式サイトを見ると、宝くじの売り上げ金の内46.9%が当選金として支払われる、36.7%が全国都道府県及び20指定都市に収められ公共事業等に使われる、15.1%が印刷経費・売りさばき手数料、1.3%が社会貢献広報費として使われるとなっている。
夢に出て来た数字はしっかりと覚えている、兎に角この番号のロト6を買ってみよう、洋介は買物のついでの宝くじ売り場で1口だけ購入した。
ロト6、キャリーオーバー時の最高当せん金は6億円となっている。
 
以前、妻の美樹が「宝くじの1等当選確率はどの位、うちのラッキー君の毛の1本位?」と聞いて来たので早速ネットで「猫の毛は何本あるの?」と調べた、ネコ一匹に約100万本の毛があるらしい。
年末ジャンボの1等当選確率は約2000万分の一、ロト7は約1000万分の一、そしてロト6は約600万分の一だ。
と言う事は年末ジャンボならラッキー君20匹ならべて1本の毛を抜いた確率、ロト7はラッキー君10匹分の中の1本だ。当選するのは奇跡中の奇跡。
ただ多くの宝くじファンは自分にその奇跡が起こるのではと思い買っているのだろう。
 
ロト6は月曜と木曜が抽選日、今日は抽選日だ、洋介はワクワクしながらネットでチエックした。
え、え、え、これ当たってるやん!なに1等6億円---胸がドキドキして来て何度も見返す。
美樹・美樹ちょっと来て、美樹がけげんな顔をしてやって来た「どうしたの?」
当たったよ、宝くじの1等が当たったんや、6億円やで!
「うそ、冗談はやめてよ」「冗談やないよ、これを見て」美樹が「ホントやん、やったね洋ちゃん」と叫ぶ。
2人して大喜び、2人はベッドに入っても興奮して眠れませんでした。
 
「宝くじで高額当選したら所得税は掛かるのか?」との記事を読んだことがある。
高額当選したらM銀行に行き手続きをする、持って行くものは「当選した宝くじ」「身分証明書」「印鑑」。
気を付ける事はもし1人で銀行へ行き1人の口座に当せん金が入金された後に家族などに分配すると高額な贈与税がかかる、なので共同買いしている人全員で銀行へ出向き共同購入したと伝えて別々の口座に当せん金を入金してもらえばよい。
最近はネットでも宝くじは買えるがネットで共同買い出来るのはジャンボ宝くじと通常宝くじのみでロト6やロト7は対象外となっている。
 
早速、2人は揃って大阪市内のM銀行へ出向いた、窓口でその旨を伝えると応接室へと案内された。
やがて見るからに銀行員風の男性が入って来たので挨拶を交わす。
「愛田さん、今回は当選おめでとうございます。では籤券を見せて頂けますか?」
洋介が籤券を差し出すと丁寧に受け取り「この籤券をお預かりします、本店に送り本物かの確認をしますので、代わりにこの預かり書をお渡しします」と言われた。
そして愛田さん「宝くじの高額当選者の方で急に大金が入り散財をして数年で使い果たしてしまう方がたまにいますのでくれぐれも用心して下さい、高額当選者の方にお渡しする冊子がありますので目を通しておいて下さい」と冊子を渡された。

「籤券が本物と認定されれば1~2週間で当選金をお支払いします、その場合は出来るだけ銀行振り込みをお勧めします、たまに現金を持ってみたいからと現金での受け取りを希望する方がいますが危険が伴いますのでこれはお勧めしません」と銀行員から聞かされた、勿論口座振り込みにしよう。
「その日から読む本」と言う冊子をもらい後日連絡があるとのことで銀行を後にして自宅に帰った。

    続く!


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