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月とカクテル

月見れば ちぢにものこそ悲しけれ わが身一つの秋にはあらねど

小倉百人一首 23番 大江千里

「秋の月を見ていると色々な思いが頭をよぎり、何もかもが悲しく感じられる。私ひとりだけに訪れた秋ではないのに」

共感で思わずうなずいてしまうこの歌は、今から1200年も前の平安時代に歌われ、令和にまで届いている和歌である。

昔から平安時代の和歌や文学が大好きだった。もし生まれる時代を選べるのなら平安時代に生まれてみたかった、と思うほど。

和歌を読んでいると、現代と変わらずに自然を愛し、四季の移ろいを喜び、月を愛でる当時の人々の姿に胸を打たれる。

特に今ほど街の明るくなかった1200年前は月が特別な存在だったようで、多くの歌人たちによって描かれ、歌われ、さまざまな姿で今を生きる私たちのことを癒してくれる。

東京日誌では24歳でタトゥーを入れた話をしたけれど、そのファーストタトゥーに選んだデザインも三日月だった。

月はいつの時代にも人々を魅了して止まないのだ。

私にとって月が特別な存在になったのは、いつからだっただろう。

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