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画と小話

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新聞各社には一面コラムと呼ばれる特別な囲み欄があります。 2,3分で読める500字前後の短文に日々の世相を反映させ、 時には落語の「お後がよろしいようで」とウイットで退くような … もっと読む
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記事一覧

あちらを立てればこちらが立たない

小ぶりの黒猫がやって来て庭で遊ぶようになった。 気持ちよさそうに日向ぼっこをしたり、つく…

宮嵜道男
9日前
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名付けと量子論って似てないか

「量子論」の何が凄いかというと、 人の意識が物理的に作用するという事と その量子の振る舞い…

宮嵜道男
1か月前
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魔法を掛けてやる!

魔法使いが誰かを見据えて「魔法を掛けてやる!」と言うとき 英語では Put a spell on you ! …

宮嵜道男
3か月前
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有効活用の妙

小学1年生の女の子が新聞に投稿した一文に腹を抱えた。 「暴走族なんてただ走ってるんじゃな…

宮嵜道男
2か月前
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引きこもり人の独白

●戸袋にピタッと収まる雨戸 ●毛皮を着たエスキモーの子供達がニコニコとこっちに来いと …

宮嵜道男
2か月前
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へりくだりの美文化

父が居た老人ホームに見舞いに行った時のこと、 ホールに車椅子の老人が沢山集まっていて、 こ…

宮嵜道男
2か月前
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僕は小心者なんです。

男の子は勇敢でなければならないと思い込んでいた少年の頃、 友だちの前で高い塀から飛び降りて捻挫して病院通いしたり、 ドブ川を飛び越えるつもりがドボンと落ちて、 帰ったら母に臭い臭いと嫌がられたり、痛々しいほど自分が 小心者だと覚られないように虚勢を張って生きて来たことか。 初老になって、僕は小心者だとそっと家族に言ってみた。 特に反応がなかったところをみると周知の事実だったのだろう。 友人たちにも小心者だと打ち明けると、 そんなの分かっていたよとばかりに、聞き流された。

人を導く12という数字

12という数字を考えると不思議だなあと思う。 12は2で3で4で6でも割れる。 分けるのも並べるの…

宮嵜道男
2か月前
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ハダカデバネズミ

お風呂から上がって、裸のまま台所に行き 冷蔵庫から冷たい豆乳を出してグイッと飲んだ。 炊事…

宮嵜道男
2か月前
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反出生主義という本音

仏教は生きるということは、四苦八苦が当たり前だぞ!と、 はなから説いている。 その苦しみと…

宮嵜道男
1か月前
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金粉美女の衝撃

映画「007ゴールドフィンガー」を観たのは 中学生の頃だった。 全身金粉を塗られ窒息死させら…

宮嵜道男
3か月前
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アドラー先生、分っちゃいるんですがね

朝からダルくてやる気が起きない、 そんな日がある。 体調が悪いわけでもなく、なんでだろうと…

宮嵜道男
3か月前
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機械の中の幽霊

パソコンでワードを使い始めて20年以上になるだろうか。 仕事でも、家でも文章を綴ってきた。 …

宮嵜道男
3か月前
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イメージの暴走

家内が外出していて、自分で食事の用意をして 食器を洗おうとしたとき 見慣れない長い柄の付いたスポンジが目に入った。 そしてギョッとした。 柄の長さが便器を掃除するスポンジと同じだったからだ。 便器を洗ったスポンジで食器を洗うという 恐ろしい連想が奔ったのだ。 気を取り直して、そんなイメージの暴走をする自分を笑った。 帰宅した家内にその事を話すと、 「いや~ねえ、ポットみたいに底の深い物を 洗うのに便利なのよ」と嘲笑う眼差しを向けた。 歯を磨いてから口を漱ぎ、何気なく口を開